株式会社ユーハイムの河本英雄代表取締役社長が「トップランナー特別講義」で講演しました
2025/06/06
地元神戸の企業経営者の方々が、どのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。6月2日は、株式会社ユーハイムの河本英雄代表取締役社長が「お菓子には世界を平和にする力があるPeace by Piece~Part2~」をテーマに登壇しました。
講演を始める前に、河本社長は学生たちにユーハイムのバウムクーヘンを配り、商品パッケージの裏側を見るよう促しました。バウムクーヘンは原材料に食品添加物を一切使用していない商品であり、ユーハイムは創業以来100年間、食品添加物(ケミストリー)ではなく職人技術(テクノロジー)にこだわって菓子作りの道具を開発してきたと説明。その技術へのこだわりが、バウムクーヘンAI職人「THEO(テオ)」の開発に繋がったと語りました。
AIを搭載したTHEOは、BOP(貧困層の自立支援)ビジネスの一環として「スラム街の人たちが自分たちでお菓子屋さんをできるようにする」という課題解決のために開発を開始しました。二度の中断を経験しながらも、コロナ禍で人手不足や経営危機に瀕した小規模店舗を支援したことをきっかけに、市場を拡大していきました。現在では、日本全国で20台のTHEOが稼働しています。
続いて、昨今日本の食文化が海外で流行していることに触れ、その理由として「見せる厨房での提供」「出来立ての提供」「職人による提供」の3つを挙げました。この3つはバウムクーヘンにも当てはまるため海外での需要が高まっており、ユーハイムにはバウムクーヘン焼製機の注文が世界中から入っている状況であると説明。世界トップクラスの職人が使用する専用機「THEO Pro」をリリースし、テクノロジーによる菓子業界の改革を進めていると述べました。
最後に、「一つのお菓子、一企業のお菓子には世界を平和にする力はないけれど、世界中の企業や職人がひとつになれば、世界を平和にできる。テクノロジーは、まさに人と人を繋ぐ手段であり、その証明として今回の話をした。今後皆さんが社会の中の課題を発見し、解決に向け行動することになった時、身近にあるテクノロジーが助けになると思い出してほしい」とのメッセージを送り、講演を締めくくりました。
学生らは、「あって当たり前だと思っているものの裏側に、目に見えない努力や想いがつまっていることをバウムクーヘンというお菓子を通じて感じられた」「お金儲けのためではなく人助けのために技術開発されていたと知り、自分も将来は人のためになる仕事がしたいと思った」などの感想を寄せました。
次回6月9日は、株式会社みなと銀行の武市哲也取締役会長が登壇予定です。