神戸学院大学

社会連携

神戸モトマチ大学代表 兼 株式会社村上工務店 代表取締役社長の村上豪英氏が「トップランナー特別講義」で講演しました

2023/07/18

トップランナー特別講義の様子
トップランナー特別講義の様子
神戸モトマチ大学 代表 兼 株式会社村上工務店 代表取締役社長 村上豪英氏
神戸モトマチ大学 代表 兼 株式会社村上工務店 代表取締役社長 村上豪英氏

地元神戸の企業経営者の方々が、どのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。第14回目の7月10日は、神戸モトマチ大学代表 兼 株式会社村上工務店 代表取締役社長の村上豪英氏が「まちを育てるしごと」をテーマに登壇しました。

はじめに村上氏は自身が手がけるプロジェクトのきっかけについて、東日本大震災の復興支援で東北を訪れた際、被災者の方からの「阪神・淡路大震災の後、神戸のまちはどうやって復興したのか」という問いに答えられず、まずは地元である神戸のまちの復興、神戸のためにできることを始めたいと考え、「神戸モトマチ大学」をスタートしたことを語りました。

「神戸モトマチ大学」は学びを通して神戸で頑張っている人同士をつなげるプロジェクトで、神戸で活躍している人を講師に迎え、そのテーマに関心のある人たちが集まり交流することで、人と人との新たなつながりが生まれています。

次に紹介したのは東遊園地で実施したプロジェクト「アーバンピクニック」。都心にありながらこれまで市民にあまり活用されてこなかった東遊園地を、日常的に過ごせる豊かな公園に変えることで、神戸の都心再生を目指すプロジェクトです。当初は実施に反対の声もありましたが、公園に芝生を敷き、カフェを併設するという社会実験をきっかけに、公園に市民が集まるようになりました。村上氏は「社会実験の際、市民・行政・運営者の間で同じ体験の共有ができたことで、次に繋がっていった」と当時を振り返り、さらに「このプロジェクトの核となるのは『公園を育てることにどれだけ多くの市民が参加するか』にある」と語りました。

この村上氏の「市民自らが公園を育てる」仕掛けが散りばめられた「アーバンピクニック」は2023年4月、カフェやレンタルスペース、屋外図書館を備えリニューアルし、新たな市民の憩いの場として今も進化を遂げています。一人一冊本を寄贈できる屋外図書館は、寄贈者にとっては自らの記憶、愛着が残る場、利用者にとってはさまざまな寄贈者の心に触れながら新たな発見を見出す魅力的な場として日々成長しています。

その他、JR三ノ宮駅南側の三宮ターミナルビル跡地でコロナ禍に飲食店やライブハウスの収益の機会として「ストリートテーブル」という屋外スペースを提供したことや、141年の歴史に幕を閉じた兵庫区の湊山小学校跡地の再生プロジェクト「ネイチャースタジオ」について、自身の取り組みを紹介しました。

最後に学生に向けて、「自分は腑に落ちないけれど、他人には共感されないということが、自分の個性である。その個性を見つけたら熱中して取り組んでほしい」と話しました。さらに「チャンスは有限ではなく、チャレンジできる機会があればぜひ掴み取ってほしい」と学生にエールを送りました。

講義を受けた学生からは、「同じコミュニティにとらわれず、視野を広げ人の輪も広げれるよう行動したい」「場所に対して可能性を見出しそれをどう変えたら人が興味を持ってくれるかを考えることが、まちが活性化するための起爆剤になっていると感じた」「公園や施設をリニューアルするにしても、地元の人やそこを利用する人に愛着を持ってもらう工夫を凝らすことが、長く愛されながら進化し続けるために大切だとわかりました」とコメントが寄せられました。

次回、7月17日は、株式会社神戸デジタル・ラボ 代表取締役の永吉 一郎氏が講演予定です。