神戸学院大学

社会連携

神戸フィルムオフィス代表の松下麻理氏がトップランナー特別講義で講演しました

2023/05/02

講演の様子
講演の様子

地元神戸の企業経営者の方々をお招きし、どのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語っていただく「トップランナー特別講義」。第4回目となる5月1日は、『映像の力で街を元気に』をテーマに神戸フィルムオフィス代表の松下麻理氏が登壇しました。

神戸フィルムオフィスは、阪神・淡路大震災をきっかけに、神戸の街と人々をもっと元気にしたいという目的で設立されました。撮影に関する神戸市の公的な窓口として、国内外から映像作品の撮影を誘致し、これまで数多くの映画やドラマ、CMにロケーション地を提供してきました。

活動内容は、ロケーション地の情報提供から自治体などへの申請支援やエキストラの手配、映画の宣伝と神戸の街のPRを兼ねた広告づくりなど幅広く行っており、普段知ることができない撮影現場の裏側や神戸市内で撮影された多数の映画のシーンを、知られざる撮影時のエピソードを交え紹介しました。

神戸がロケーション地として好まれる理由として、海や山があり高低差があること、大正時代から昭和初期に至る歴史的建造物が綺麗な状態で残っていること、陸海空のさまざまなアクセスインフラが整っていることや、大規模な撮影が可能であることなどが挙げられました。

こうしてロケ地になることで撮影に伴うスタッフの宿泊や飲食等が発生する「直接的経済効果」、映像公開後にロケ地への観光客が増えることにより生まれる「間接経済効果」、スポットの当たっていなかった場所がロケ地になることによる「観光資源の発掘」、地域における映像文化の振興に資する「文化振興」を生み出しています。また何気ない公園や道などの地元の風景が全国に流れることで「市民の誇り」を持つことや、映像作品を通して震災から立ち直った元気な神戸の姿を広めることも大切なことだと話しました。

ほかにも、阪神・淡路大震災をテーマにした映画撮影の際、忠実に再現された小学校の避難所を近隣の中学生へ公開し、学習機会へ繋がったことや、ある映画に映ったメリケンパークにある「BE KOBE」のモニュメントが汚れているのを見た知人から掃除をしたいと提案があり、毎月第一月曜日の朝にボランティアの方が集まって定期清掃をするようになったこと、などのプラスの効果があったエピソードも紹介しました。
いつも見慣れている場所も、映画の大事なシーンに使うことができる、そんな場所が数多くある。それが「神戸の街」だと締めくくりました。

学生からは「自分の街が映像として残り、たくさんの人に良さを知ってもらえるのはとてもうれしい」「すべて中国で撮影したと思っていた映画が、神戸で撮影されていたことを知り驚いた」「自分自身もエキストラとして、神戸の魅力発信に貢献してみたいと思った」などの感想がありました。

次回は、5月8日『神戸からローカル地産地消経済をつくる』をテーマに有限会社Lusie代表の小泉寛明氏が講演予定です。