【ウィズコロナ 学生はいま】インターンシップで「オンライン修学旅行」を企画しました
2020/07/17
現代社会学部社会防災学科3年次生 釣部 実さん
能登半島の中央部、石川県七尾市のまちづくり会社「御祓川(みそぎがわ)」で5月からインターンシップをさせていただいています。春休みだけの滞在予定でしたが、新型コロナウイルスによる感染症の拡大で予定が大きく変わってしまいました。飛行機の欠航も重なって困っていたところを七尾の皆さんの好意に救われ、現在も活動しています。大学から支給された支援金でタブレット端末を購入し、授業はオンラインで受けています。
◆国内外の4カ所を結び、高校生が交流
コロナ禍で修学旅行の実施を危ぶむ声も聞かれる七尾市などの高校生のためにZoomを使った「オンライン修学旅行」を企画しました。7月23日午後1時~同7時、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市、長崎県波佐見町、インドネシアのリゾート地・ロンボク島、そして七尾市とをオンラインで結び、高校生には現地の様子を見ながら住民の皆さんと交流してもらいます。オンラインと言えども現地とリアルタイムでつながり、レクリエーションやゲームを楽しみながら「仮想旅」を通した学びの面白さを味わってほしいと感じています。もちろんパスポートは不要ですし、参加費も無料ですから。
◆地元紙が取材して記事掲載
今回企画した「オンライン修学旅行」では、陸前高田市で津波と地震被害からの復興を目指す住民団体「長洞元気村」の代表者に被災時の様子や経験をお話しいただきます。ロンボク島では日本から移民した住民の方に現地の動画を紹介していただきながら、景品の当たるクイズ大会も用意していただきます。波佐見町では「波佐見焼」の工房の中を見せてもらい、現地の高校生との交流を考えています。高校時代にワークショップに参加した経験などを生かし、3カ所の「旅行先」はすべてこれまで付き合いのあった方々と交渉して実現しました。この企画を、北陸中日新聞と北國新聞の記者の方に記事で取り上げていただきました。
「国内外へ仮想修学旅行 オンラインで現地と交流」(北陸中日新聞7月14日)
◆クラウドファンディングでゲストハウスを支援
当初、七尾へは、地元のカキなどを提供する地産地消レストラン「浜焼き能登風土」に春休みの短期アルバイトで2月から出かけました。2年前の開店時にプロモーションビデオの製作でお世話になったご縁です。3月から長期インターンシップに切り替えて5月初めまで、食材のネギなどの野菜やカキの収穫などを手伝わせていただきました。期間中滞在した、古民家体験ゲストハウス「ろくでなし」は、コロナ禍で客足が途絶え、経営が厳しくなりました。何か協力したいと思い、クラウドファンディングで募金を呼び掛けたところ、地域の方からの寄付と合わせて80万円ほどが集まり、無事に営業を再開しました。【宿泊学生がクラウドファンディング 七尾の恩人危機救いたい】(北陸中日新聞5月9日)
◆七尾の高校生の役に立ちたい
七尾市の有名な和倉温泉も客足が戻らないと地元の人たちの嘆きを聞きます。壮大なスケールの山車「でか山」が七尾市街を曳(ひ)き回される5月の「青柏祭(せいはくさい)」がオンラインで実施されるなど、地域のイベントや祭りは中止かオンラインになってしまいました。私のプロジェクトで少しでも七尾の高校生の役に立てたらと思います。