神戸学院大学

溝口史郎名誉理事長の「お別れの会」がありました

2020/11/26

「お別れの言葉」を述べる西本理事長
「お別れの言葉」を述べる西本理事長
献花する佐藤学長
献花する佐藤学長
感謝の言葉を述べる溝口理事
感謝の言葉を述べる溝口理事
臨席者を絞って開かれた「お別れの会」
臨席者を絞って開かれた「お別れの会」

今年1月1日に94歳で亡くなった故・溝口史郎(みぞぐち・ふみお)学校法人神戸学院名誉理事長のお別れの会が11月26日、ポートアイランド第1キャンパスで行われました。コロナ禍で3月に予定していた会を延期していました。

◆西本理事長「模範とすべき教育者でした」
溝口名誉理事長は山口県出身。神戸大学医学部第二解剖学講座教授(組織学、発生学)を定年退官し、1988年11月に「神戸森学園」の理事長に就任。法人の名称変更後も2012年9月まで23年11カ月間にわたり理事長を務めました。名誉理事長に就任した後も研究などのため週3回は登学して多くの教職員から慕われていました。

新型コロナウイルス感染防止のため、会の臨席者は理事長、学長、副学長、学部長など少数に限定しました。美しい花々で飾られた祭壇に向かい、西本誠實理事長が「お別れの言葉」を述べました。西本理事長は故人の業績を振り返り、「あなたは私にとって常に模範とすべき教育者であり、大学経営者であられました。理事長として男女共学の附属高等学校の開校、ポートアイランドキャンパスの新設など多くの難事業を乗り越えられました」と故人の遺影に語りかけました。続いて西本理事長、佐藤雅美学長らが順に献花して手を合わせました。

◆遺族代表の溝口理事「お釈迦様の大ファンでした」
最後に遺族を代表し、故人の長男で本学理事でもある溝口明・三重大学大学院医学研究科教授があいさつしました。「父の中学時代は戦争一色でした。戦後は心の空白を埋めるために古都・京都や奈良の寺院を巡って仏教美術に親しみました。生涯を通じてお釈迦様の大ファンで、その生涯を詳しく調べていました」と紹介し、臨席者に故人の著書「ボロブドウル遺跡のレリーフに見る シャカムニの生涯」(丸善ブックス)が配られました。「名誉理事長として大学に通うことを許され、亡くなるまで社会参加することができました。父はみんなで自由に話し合える場所が大学だと考えていました」と述べ、感謝の言葉を結びました。

会の後に一般献花の時間帯も設けられ、多数の教職員が訪れ、気さくで温かみのあった人柄や多くの学問的業績をしのび、別れを惜しみました。

◆医学にとどまらず広く学問的業績残す
溝口名誉理事長の残した貴重な組織学写真のスライド集は京都大学iPS細胞研究所でヒト細胞データベースに活用されています。学問的業績は医学分野にとどまらず、仏教にも深い造詣がありました。仏教関連の著書として、「サンチーのストゥーパ 古代インドの仏教美術の精華」(鹿島出版会)などがあります。茶人であり、写真の腕前も本格的でした。2016年には私財を投じて「溝口奨励金」を設立し、優秀な学生を支援しているほか、ポートアイランドキャンパス開設時には茶室を寄贈。神戸学院大学初代学長の森茂樹博士(1893~1971)は溝口理事長の京都大学医学部時代の恩師で、義父にあたります。