公開講座「裁判員制度のしくみについて」が開催されました
2009/11/13
公開講座「裁判員制度のしくみについて」が10月20日、神戸学院大学ポートアイランドキャンパスにおいて実施され、一般の方、学生および大学関係者の約100人が参加しました。この公開講座は、ポーアイ4大学連携事業として社会貢献部会が主催するもので、最新の情報や研究成果について大学が積極的に発信し、市民のみなさんの生涯学習に貢献することを目指しています。
今年の5月21日より裁判員制度が施行され、「誰もが」裁判員になる可能性のある時代が到来しました。しかし、裁判はまだなじみがないと感じる一般市民は多く、実際に裁判員に選ばれたらどのような義務が発生するのか、またどのようなしくみで裁判員に選ばれるのか、「法律の素人」である自分に果たして務まるのか、などを不安に思う方も多いことでしょう。そこで、法学部・法科大学院を持ち、法曹や行政の専門家を育成している神戸学院大学が中心となって、裁判員制度についての公開講座を実施することになりました。
当日は法学部春日勉准教授の司会のもとに進行し、佐藤雅美法学部長あいさつのあと、神戸地方裁判所の小川弘持判事補が講演を行いました。講演では、裁判員制度の概要や裁判員の選任方法、審理の日数等について、資料に沿ってわかりやすく解説。裁判員の権限、裁判員の義務、裁判員の保護について説明がありました。そして講演の最後に、裁判員候補者向けのDVDを上映しました。参加者の方はメモをとりながら熱心に聴講し、講演後の質疑応答では多くの質問が寄せられました。
続いて、法廷教室見学会を行い、一般の方約20人が参加しました。法学部の角森正雄教授が、神戸学院大学の法廷教室を紹介し、裁判員制度における評議の方法について説明しました。参加者は裁判官席・裁判員席に着席し、裁判官役の方は黒い法服をまとい、事実認定(有罪・無罪)や量刑の決定の際に意見が分かれた場合の結論の出し方に熱心に耳を傾けていました。その中で、評議の方法に対する疑問や裁判員制度全般に対する多くの意見が述べられ、ワークショップのような展開となりました。傍聴人席で参加していた法学部の佐々木光明教授が参加者の意見に対する感想を述べ、最後は角森教授のあいさつで締めくくりました。