神戸学院大学

国際交流

国際交流センター企画「総領事館連携講義」で中国の駐大阪総領事が中村学長らを表敬訪問し、特別講義しました

2022/12/27

薛総領事の講義を聴く学生ら
薛総領事の講義を聴く学生ら
特別講義する薛総領事
特別講義する薛総領事
薛総領事を囲み受講生や教員で記念撮影
薛総領事を囲み受講生や教員で記念撮影
中村学長(右手前)らと懇談する薛総領事(左隣)ら
中村学長(右手前)らと懇談する薛総領事(左隣)ら
中村学長らと記念撮影する薛総領事(中央)、ニェ・ズイリン領事(右から3人目)ら外交官
中村学長らと記念撮影する薛総領事(中央)、ニェ・ズイリン領事(右から3人目)ら外交官

国際交流センターが企画した「総領事館連携講義」の講師として中華人民共和国駐大阪総領事館(大阪市西区)の薛剣(セツ・ケン)総領事が12月21日、中村恵学長らを表敬訪問し、有瀬キャンパスで特別講義を実施しました。

中村学長のほか、津田裕子副学長、同センターの岡部芳彦所長、グローバル・コミュニケーション学部の胡士雲学部長、住智明大学事務局長が応対し、教育処主任の聶瑞麟(ニェ・ズイリン)領事、教育処の李若氷副領事と周煉副領事、孫凱総領事秘書も同席しました。話題は日本の中華料理と本場の料理との違いから日中両国の経済協力まで多岐に渡りました。薛総領事は、「今年、中日両国は国交正常化50周年を迎えましたが、関係は実利中心。精神的な部分はある意味で離れているので、これから補っていかねばなりません」などと話しました。

特別講義の演題は「中国駐大阪総領事と話そう――中国の今とこれから」。薛総領事は日本担当一筋に外交官としてのキャリアを積んできました。昨年6月に駐大阪総領事館に着任して1年半たちました。総領事館管内の近畿・中国・四国2府12県には日中友好の象徴として多数のパンダが中国から寄贈され、飼育されていることから「パンダ総領事」を自称し、パンダをイラスト化して総領事館のグッズにデザインするなどソフトな外交を進めています。

最初にツイッターで日々更新している総領事の業務を紹介しました。奈良の小学生と田植え、大阪市立東洋陶磁美術館長訪問、福建省から約350年前に日本に来たという隠元禅師ゆかりの京都・黄檗山萬福寺訪問など、精力的に中国の歴史・文化・経済に関わる各地を訪問し、交流を続けています。

続いて中国の古典「詩経」の中にも書かれている「小康」について触れました。「小康社会」は「ややゆとりのある社会」を意味します。同国は絶対的貧困を解消して「小康社会」を全面的に実現したという国の発表について総領事は説明しました。

さらに推し進めてきた「中国式現代化」とは、「中国共産党の指導する社会主義現代化」だと定義し、「人民の共同富裕を目指す」と目標を示しました。経済は成長したものの、「精神面での荒廃が出てきている」として、「物質文明と精神文明のバランスの取れた」「人と自然の調和的共生を目指す」現代化がこれからは大事だとの認識を示しました。

日中関係については「一衣帯水です。歴史的、文化的に縁が深い親戚のようなもの。古くは遣唐使が日本から派遣され、唐からは鑑真和上が日本に渡りました。一番大事なのは平和友好です。戦争の歴史を乗り越えて両国は戦略的互恵関係にあります」と述べました。

受講生からは「中国では若い世代の人口構成比が下がり、生産年齢の人が減っているという話がありました。どんな対策を取っていますか」との質問が出ました。総領事は、「長年続いた1人っ子政策の影響がありますが、廃止されて以降は少し良い影響が出てくるかもしれません。(出産の)奨励政策は取っています。日本と違い中国ではほとんどの女性が働いていますが、いろんな分野でまだ男性優位になっているのは事実です」と答えました。