在日ウクライナ商工会議所の設立記念レセプションが在神戸名誉領事館で開かれました
2025/04/28







在日ウクライナ商工会議所の設立記念レセプションが4月25日、ポートアイランド第2キャンパスの在神戸ウクライナ名誉領事館で開かれました。
同商工会議所は日本在住のウクライナ人など8人で昨年12月に設立され、日宇両国企業の事業協力、投資支援などを進めます。
ウクライナ国歌の斉唱に続いて名誉領事の岡部芳彦国際交流センター所長が開会のあいさつの中で、24日未明にあった首都キーウへのロシアの弾道ミサイル攻撃で多数の死傷者が出たことに対して弔意を表し、出席者全員で犠牲者に黙とうしました。
続いて、兵庫県立総合リハビリテーションセンターでウクライナのイヴァーノフランキウシク州臨床病院の医療スタッフ3人が脊髄損傷患者リハビリ研修を受けたことに対して、同センターの陳隆明所長ら3人にセルギー・コルスンスキー大使からの感謝状が岡部名誉領事から贈呈されました。
この後、地元の経済界を代表して神戸商工会議所の尾山基副会頭(株式会社アシックス シニアアドバイザー)が英語で祝賀あいさつしました。尾山副会頭は、旧ソビエト連邦出身で、棒高跳びの世界王者だったセルゲイ・ブブカさん(現在はウクライナのオリンピック委員会会長)と欧州で出会って交わした会話の思い出に触れ、「2000年代でしたか、スポーツを通じて面識のあったブブカさんに再びお会いした折り、『あなたはロシア人ですか』という質問に対して『いいえ、私はウクライナ人です』と誇らしく言われたのを今も覚えています。今はスイスのローザンヌに避難されているようですが、とても心配です」と話しました。
備酒伸彦学長も祝賀あいさつし、本学がウクライナとの友好をさらに深める姿勢を強調しました。
最後に在日ウクライナ商工会議所のヤボルスカ・カテリーナ理事長が返礼のあいさつの中で同国の産業事情を説明し、日本側の理解を求めました。ハルキウ州出身のカテリーナ理事長は2018年に来日して現在は、戦争で日本に逃れた家族と滋賀県彦根市に在住。「わが国の最大の輸出カテゴリーは農産物。ハチミツや果物が知られています。日本企業はウクライナの工場近代化や現地生産の推進に向けて合弁事業を展開できます。IT産業、鉱業も盛んで、レアメタルの埋蔵は豊富です」と述べ、特産のチェリー酒の日本への輸出に向けて準備が進んでいることなどを説明しました。
乾杯はマイケル・リチャード・ブライス在大阪英国総領事が音頭を取り、「大阪・関西万博では英国パビリオンを会場にウクライナ館と共催の「危機に直面する世界」をテーマにしたシンポジウムを開きました。わが国は自由や正義といった価値観を日本、ウクライナと共有しており、それは在日ウクライナ商工会議所の皆さんとも同じです」と述べました。