神戸学院大学

国際交流

国際交流センター企画「総領事館連携講義」で在京都フランス総領事が津田副学長らを表敬訪問し、特別授業をしました

2022/12/21

授業終了後にイルマン総領事(右端)と会話する受講生ら
授業終了後にイルマン総領事(右端)と会話する受講生ら
○×クイズでイルマン総領事に質問する学生
○×クイズでイルマン総領事に質問する学生
学生からの質問に答えるイルマン総領事と岡部所長
学生からの質問に答えるイルマン総領事と岡部所長
イルマン総領事を囲み受講生らで記念撮影
イルマン総領事を囲み受講生らで記念撮影
(左から)住大学事務局長、津田副学長、イルマン総領事、岡部所長
(左から)住大学事務局長、津田副学長、イルマン総領事、岡部所長

国際交流センターが企画した「総領事館連携講義」の講師として在京都フランス総領事館のジュール・イルマン総領事が12月16日、有瀬キャンパスで特別講義を実施後、津田裕子副学長らを表敬訪問して感想を伝えました。

イルマン総領事の本学訪問は昨年に続き2回目です。冒頭で学生が用意した恒例の「○×クイズ」で、「ウクライナでの戦争でフランスパンの価格は上がりましたか」には「×」、「日本は防衛費を増額すべきだと思いますか」には「○」の回答でした。

講義の演題は「ビックリフランス!」。流ちょうな日本語で行い、フランスの領土やフランス語を話す人たちが世界各地に広がっていることを説明しました。30カ国以上と国境を接しているというのも驚きです。日本とフランスは特別な同盟関係にあり、政治や国際安全保障から宇宙開発・研究の分野まで連携し、協調していると述べました。日本のアニメや漫画はフランスで大人気のため、「我が国では英語の次にフランス語に(出版物などが)翻訳されているのは日本語です」と日本のサブカルチャーへの関心の高さもアピールしました。

多様性は国民の人種や民族にも反映され、総領事はサッカーのワールドカップ・カタール大会に出場したフランス代表チームの肌の色を見ても分かってもらえると話しました。

最近の情勢としては、男女平等の政治参画を推進する「パリテ法」が制定されてから、政党は選挙で擁立する候補者を男女同数にし、候補者名簿にも男女交互に搭載しなければならないことが決められていると説明しました。「現在国会議員の38%は女性。企業でも取締役会は男女半々にすることが求められています」と補足しました。

教育に関しては次のように述べました。「学校では自分の意見を言う練習を常にさせられます。○×で答える問題は出されず、フランス語の授業でも自分の意見を書いたり話したりします。高校3年では週4時間哲学の時間があり、世界の哲学者の意見を知り、自分の哲学的意見を述べることができるようにします」

芸術・文化を尊重する国民性の例として、「私の娘が8歳か9歳の頃の誕生日パーティーはレストランではなく、パリの美術館でやりました」と述べました。18歳になると数万円の「文化クーポン」が配られ、映画館でも書店でも美術館でも、さらにはビデオゲームの購入にも使えるという話も興味深いものでした。

経済学部の学生からは「気候変動対策や環境保全のため、マイクロプラスチックの削減やガソリン税の問題などではどのように取り組んでいますか」との質問がありました。総領事は「レジ袋は10年前から使っていません。バーではプラスチックのストローは出しません。アパートなどの断熱効果も厳しく求められます。一番いいエネルギーは使わないエネルギーだという言葉がフランスにはあります」と答えました。

イルマン総領事は講義を終えて津田副学長、同センターの岡部芳彦所長、住智明大学事務局長とフランスの男女共同参画などを話題に懇談しました。授業の感想を聞かれ、「男女平等と環境対策で学生から非常にいい質問をしてもらいました」と話していました。