神戸学院大学

ポートアイランドキャンパスで西村正紀前会計検査院長の講演がありました

2011/06/13

豊富な経験をもとに講演を行った元総務省事務次官・前会計検査院院長の西村正紀氏
豊富な経験をもとに講演を行った元総務省事務次官・前会計検査院院長の西村正紀氏
「行政および行政相談の理解を深める絶好の機会」と挨拶した岡田豊基学長
「行政および行政相談の理解を深める絶好の機会」と挨拶した岡田豊基学長
600人近くの参加者で満員となった会場
600人近くの参加者で満員となった会場
熱心に聴き入る学生たち
熱心に聴き入る学生たち

行政相談委員制度の発足50周年を記念して、西村正紀前会計検査院長の特別講演会が6月8日、ポートアイランドキャンパスB301教室で行われ、法学部の学生を中心に市民も含め約600人が参加しました。この講演会は法学部と兵庫行政評価事務所の共催で、行政学の講義の一環で行われました。

冒頭、岡田豊基学長は、講演会の趣旨について「西村氏は今年2月まで会計検査院長や元総務省事務次官という、公務員トップの経験者です。直接お話を伺うことは、行政および行政相談の理解を深める絶好の機会です」とあいさつしました。

講演のテーマは、「我が国の行政の特徴と行政に対するチェック機能の役割」でした。行政に対するチェック機能の発展に多大な貢献をした西村氏の体験談を交えながら、PDCAサイクル=Plan(計画)→Do (実施)→Check (点検・評価)→ Act(処置・改善)の4段階を繰り返すことによって、業務を改善すること=における、C(チェック)機能の重要性について説明しました。また、「行政の窓口は型式的で不親切に見られていますが、仕事熱心で真面目・公正さの裏返しであるとも言えます。1960年以前は国民一人ひとりの不満を聞くことがなかったため、その年から行政相談を実施し、66年には行政相談委員法を制定しました。その後、一般の方は決定権のない役所の窓口に相談するのではなく、行政相談員に相談することにより、自由に行政機関と話ができるようになり、行政相談員の意見が地方公共団体の行政の改善につながることが多数ありました」と、年金を受給する際のトラブルの話など具体的な事例を引き合いに出して話しました。最後に「批判だけにとどまらない建設的で、かつ、理想論にとどまらない現実的で着実な改善・改革が大事」と締めくくりました。

講演を聴いた武田裕子さん(法学部4年次生)は「実際の職場で働いていた経験談を生の声で聴くことができ、大変ためになりました」、櫻井堅章さん(同)は「行政相談の内容について、よく理解できました。知らないことばかりで幅広い知識が身につきました」、兼久和大さん(同)は「普段の講義や本でとらえにくい内容がよく理解できました」とそれぞれ話していました。

第二弾の共催企画として、7月13日に「行政学シンポジウム~行政相談とは何か?」-総務省の行政相談制度とその実例- をポ-トアイランドキャンパスB301教室で開きます。申し込み不要ですので、ぜひご参加ください。