1年次生以上を対象に開講している共通教育科目（キャリア教育分野）「プロジェクト学習基礎」において、10月に協力企業・組織より「学生に検討してほしい」「学生の意見を聞きたい」という各企業・組織の取組や課題の提示を受けました。

＜10月課題提示の様子はこちら＞

去る12月19日・20日、1月11日、各企業の方々に授業へお越しいただき、学生たちが後期授業期間にグループ学習で取り組んだ課題の成果発表として、解決策を提案しました。

■組織風土を改革する
煮豆やヨーグルトなど各種食品の製造・販売を行う「フジッコ株式会社」コア事業本部デザイン調査PR部の豊田麻衣子さんから提示された「組織風土を改革する」との課題に、各グループとも試行錯誤しながら取り組みました。

若者が意見を言いやすい環境にすることが組織風土の改革に繋がると考えたグループは、社内コミュニケーションの活性化を図るためのイベント実施を提案しました。社内イベント実施後の職場内の変化に関する調査を引用し、取組みを部署内から部署間へと展開することでコミュニケーションの活性化のみならず、業務における他部署間の連携、さらにはボトムアップ型の意思決定にも繋がっていくと説明しました。豊田さんからは、「職員が参加したいと思えることが重要。提案いただいたイベントの他にも、ユニークさを意識したイベントがあるのでは」との評価をいただきました。

このほか、全社員を対象に他部署やさまざまな年代の職員との接点を作ることなどを目的とした「ランチメイト」制度の導入や、挨拶や雰囲気がよかった人などに投票し、発表・表彰することで、モチベーションアップからコミュニケーションの活性化につなげる「キラキラウィーク」などの提案がありました。

■次世代の駅弁とはどんなものか？
駅そば・駅弁など食料品の製造・販売を行う「まねき食品株式会社」専務取締役の福田佳史さんから提示された「次世代の駅弁とはどんなものか？」との課題に、実際に駅弁が販売されている駅へ出向きリサーチするなどしてアイデアを発表しました。

「一生の記憶に残る思い出深い駅弁」を次世代の駅弁としたいと考えたグループは、母の日に贈る「駅弁と花をコラボさせた３段弁当」を提案しました。３段弁当のうち２段を従来駅弁として販売している弁当、１段を花とし、母親に日頃の感謝の気持ちを伝えるというものです。有名フラワーデザイナーのフラワーボックスからヒントを得ると共に、「弁当をプレゼントしてもらえると食事の支度をしなくてもよい」という母親の声も参考にしながら考案したと説明しました。福田専門取締役からは「２段弁当はまねき食品が発祥。３段で販売し、食品以外と組み合わせるという発想はおもしろい。母の日だけではなく、父の日やハロウィンなどのイベントにも応用できるのではないか」との評価をいただきました。

このほか、駅弁に触れる機会が少ない若い世代に駅弁を知ってもらうために「大学へキッチンカーを導入する」や、女性をターゲットとするために「既存店を改装する」などの提案がありました。

後期15回の授業を振り返り、「プロジェクト学習基礎」を担当する全学教育推進機構・吉澤飛鳥講師、上田浩樹講師から以下のメッセージが寄せられました。

・吉澤飛鳥講師
企業の今を映し出す「課題」にチームで向き合うことは、まだ働いた経験のない学生にとって困難で、時には乗り越えられない壁に感じたことでしょう。しかし、第14回の発表回で堂々と企業担当者に向けて提案を発表する姿は素晴らしいものでした。学生がリアルな企業課題に真摯に向き合い、主体的に考え抜くことを通して、自らの未来のキャリアとも向き合ってもらえた結果だと思います。

・上田浩樹講師
経験のないものを想像して計画を立てること、感覚的ではなく根拠を持つこと、相手が知りたいことを想い、伝え方を工夫する。各企業様からいただいた課題を考えていく中で特にこれらのことを強く感じていただけたのではないかと思います。社会に出ていく直前期の大学という場で何を成長させていきたいのかを各々が考えるきっかけになったのではないかと感じています。

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上記のほか、授業にご協力いただいた企業・組織は次の通りです。
・株式会社神防社
・生活協同組合コープこうべ
・株式会社デジアラホールディングス
・株式会社トモエシステム
・白鶴酒造株式会社
・兵神装備株式会社
・株式会社村上工務店