神戸学院大学

全学教育推進機構

「プロジェクト学習基礎」で学生たちが企業の抱える「働き方」に関する課題の解決策を提案しました

2022/01/31

学生による発表の様子
学生による発表の様子
学生による発表の様子
学生による発表の様子
白鶴酒造の林課長から質問を受ける学生たち
白鶴酒造の林課長から質問を受ける学生たち

1年次生からを対象に開講している共通教育科目(キャリア教育分野)「プロジェクト学習基礎」において、10月に神戸男女いきいき事業所として神戸市より表彰を受けている企業から、企業の抱える「働き方」に関する課題提示を受けました。
<10月課題提示の様子はこちら

1月12日~14日、各企業の方々に授業へお越しいただき、学生たちが後期授業期間にグループで取り組んだ課題の成果発表として、解決策を提案しました。

■働くうえでの幸福にはさまざまな見方
産業用ポンプの開発・製造・販売を行う「兵神装備株式会社」総務部 港眞里子 グループ長から示された「働くうえでの幸福とは何かを考えよう」との課題に、社会人や同世代の学生にアンケートをするなど試行錯誤の末、それぞれの「幸福観」や幸福をもたらすアイデアを発表しました。

「感謝に気づき、形に残すことが大切」との考えから「ありがとうボード」をオフィスに設置することを提案したグループは、「一日一つ、社員の誰かに『ありがとう』を贈ることで、感謝する側もされた側も『幸福』が増す」と説明しました。

港グループ長からは、「その職場だけでなく、ほかの部署やほかの場所で働く社員にはどう伝えるかが問題。もっと広がりがあれば、さらに良かったが、内容は面白い。実は、兵神装備では別の部署の社員にイントラネットで『お世話になりました』と感謝の気持ちを伝える場所があります」との講評がありました。

このほか、「会議を始める前に3分間雑談の時間を作るなどして、入社3年目までの若手社員が発言しやすい場を作る」というものや「働くお母さん会議を実施して、子育て中の女性社員が働きやすい職場環境や制度を整える」などの提案がありました。

■働き方への取り組みで拡充すべき制度は
大手酒造メーカー「白鶴酒造株式会社」総務人事部 林寿和 課長から示された「企業における働き方への取り組みで、もっとも導入・拡充すべき制度は何か」との課題に、各チームともに全力で取り組みました。

人間関係をよくしてコミュニケーションをとりやすい職場を作ることに注目し、「アフタヌーンティー制度の導入」を提案したグループは、「会社からお茶等を提供し、週2~3回、社内で20分程度コミュニケーションをとる時間を設定することで、人間関係の構築だけでなく、ストレス解消やリラックスにも繋がる」と説明しました。

林課長からは「発想はいいが、費用面や日本国内における導入事例の紹介があれば、より具体的な提案になったのではないか」とコメントがありました。

このほか、「社内託児所の設置」というものや「朝食カードを取り入れて社員の欠食を減らし、業務効率を上げる」などの提案がありました。

後期15回の授業を振り返り、「プロジェクト学習基礎」を担当する全学教育推進機構・吉澤飛鳥講師、棚橋浩樹講師から以下のメッセージが寄せられました。
吉澤飛鳥講師
授業の目的を「チームでの課題解決を通して、自らのリーダーシップを開発すること」としています。チーム活動には、時に苦労も伴いますが、この授業で身に着けた「思考力」と「リーダーシップ」は、必ず社会で役立ちます。この学びを礎に、学生が未来のキャリアを主体的に描いていってくれることを期待しています。

棚橋浩樹講師
コロナ禍で進路選択にリアリティを失ってしまった学生たちにとって、企業から直接提示されたリアリティーのある課題に向き合っていく中で「働いたことがないからわからない」から「こんなことを考えて働いているのか」という発見につながっていく様子が見てとれました。漠然とした「働く」から具体性を持った「いきいき働く」ことに向き合うことができた場であったと感じています。

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 上記のほか、授業にご協力いただいた企業・組織は次の通りです。
・生活協同組合コープこうべ
・株式会社神防社
・株式会社デジアラホールディングス
・株式会社トモエシステム
・日本テクノロジーソリューション株式会社
・兵庫六甲農業協同組合
・株式会社村上工務店
・六甲バター株式会社

本授業は、男女共同参画推進室が受託している神戸市「『こうべ男女いきいき事業所』大学生による情報発信事業」のうち、キャリア教育センターにて実施している「10代から考えるワーク・ライフ・バランス」プログラムの一環で、上記10社にご協力をいただいています。ご協力いただきました企業の方々ならびに神戸市企画調整局企画課男女共同参画センターへ、この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。