神戸学院大学

男女共同参画推進への取り組み

「活躍する卒業生セミナー〜第6回『森わさ賞』受賞者をお迎えして」を開催しました

2025/07/22

講演する牧さん
講演する牧さん
学生にメッセージを伝える牧さん
学生にメッセージを伝える牧さん
牧さんの講演を聴く学生
牧さんの講演を聴く学生
主力製品「チゼル」の説明には力が入ります
主力製品「チゼル」の説明には力が入ります

「活躍する卒業生セミナー〜第6回『森わさ賞』受賞者をお迎えして」を7月15日、有瀬キャンパスで開催しました。

経済学部と男女共同参画推進室が共催し、講師に株式会社オサカダツール株式会社代表取締役社長の牧明奈さんを迎えました。同社は岡山県美作市に本社を置き、電動ハンマーや油圧ショベルの先端に取り付け、岩石やコンクリートを加工・破砕する工具「チゼル」の製造販売で国内シェア2位を誇ります。

冒頭で、男女共同参画推進室長の中山文・人文学部教授が講師を紹介し、「男性にできることは女性にもできます。では、育児、家事、仕事という女性並みのことを(男性の)あなたたちにできますか。女性の経営者がグローバルな世界に向かっていくことがどれだけしんどいことか。(次の世代では)もっと楽になる社会を作ってください」と、あいさつで述べました。

牧さんは2005年に経済学部を卒業。カナダへの短期語学留学を経て祖父が創立した会社に2006年に入社し、2019年に2代目社長の父から事業承継しました。岡山県ものづくり女性中央会副会長も務めています。

「チゼル」については企業紹介ビデオの中で詳しく紹介され、実際に現場で使っている人は「中に芯が入っているので寿命が延び、機械も壊れにくい」と長所を話していました。

演題は「“誰かのため”が“自分の未来”になる~地方のものづくりから見る、誇りある日本の未来~」。日本では中小企業の経済的役割は大きく、地域との関係は密接だという説明で始まりました。「中小企業は地域の顔であり、日常生活で見過ごされている製品こそ中小企業が作っていることが多いのです」と牧さんは述べました。

同社の経営指針は「ものづくりを通じて個々の成長、地域に貢献」。行動指針は「①お客様が喜ぶものづくりをします②何にでも挑戦、チャレンジします」です。企業が経営戦略を立てるうえで自社の強みと弱みなどを分析する「SWOT分析」の図を披露して、各種の補助金なども活用しながら経営を拡大している現状を紹介しました。徐々に海外展開も進め、カナダの企業に「チゼル」を輸出した実績も。さらにJETRO(日本貿易振興機構)のハンズオン支援によりフランスのメーカーと契約を目指して交渉を続けており、「要求が厳しくて苦労していますが、自社が長年つないできた想(おも)いを世界に届けたい」と意欲を示しました。

学生へのメッセージとしては、「美しい国にっぽん」に共鳴し、地方の伝統的な文化を企業が守り、地域を活性化したいとの希望を語りました。また、「世界は、誰かの仕事でできている」ことを忘れずに、「もっと美しくもっと誇れる国にするために、思いきり突き進んでほしい」と呼びかけました。

学生からは「学生時代に頑張ったことは何ですか」と質問が出ました。牧さんは、「飲食店でのアルバイトを頑張りました。その後の進路のヒントにもなりました。どんな仕事でも一生懸命に向き合えば良いことが見えてきます」と答えました。

「『第6回森わさ賞』を受賞した牧明奈さんの表彰式を開催しました」の記事はこちら