男女共同参画週間記念フォーラムを開催しました
2025/06/30






国の男女共同参画週間(6月23日~29日)に合わせ、「多様性と共に成長する―経験から学ぶ、これからの働き方のヒント―」をテーマに6月24日、ポートアイランド第1キャンパスで男女共同参画週間記念フォーラムを開催しました。
男女共同参画推進室とVAL21(兵庫県経営者協会 女性部会)が共催し、約70人の学生や教職員が参加しました。司会は男女共同参画担当の山口真紀講師が務めました。最初に男女共同参画推進室長の中山文・人文学部教授がオンラインによる開会あいさつで開催の趣旨を説明後、学生に対して「社会に出た人たちがどんな人材を求め、どんな働き方をされているか、先輩方に専門知識や現場での苦労を伝えていただきます」と呼びかけました。
続いて、社会福祉法人神港園法人本部企画室総務部チーフリーダーの清水邦子さんがあいさつし、VAL21について、「現在、幅広い年代層の企業会員と行政会員の計26人で構成する働く女性の会です。女性活躍を通じた県内企業の活性化、働く女性の意識・地位向上、県内で働く女性につながる場の提供などを目的に活動しています」と紹介しました。
この後、株式会社デンソーテンコーポレート本部人事部人財開発室組織・人財開発課長の森田恭子さん、社会福祉法人神戸婦人同情会母子生活支援施設ベル青谷施設長の深田千陽美さん、兵庫県県民生活部男女青少年課男女共同参画班主幹(女性活躍担当)の津志由賀さんにそれぞれ職場の事情やワークライフバランスをどう保っているかなどについて話してもらい、パネルディスカッションを行いました。
■「女性活躍推進の課題は『人財』の不足」森田さん
森田さんは、デンソーテンのダイバーシティの取り組みとして、女性の産休・育休取得率が昨年度は100%を達成し、男性の育休取得平均日数も昨年度は93.1日間だったことなどを報告しました。特に優良な子育てサポート企業として厚生労働省が特例認定する「プラチナくるみん」を全国で4番目に取得。一方、同社の女性活躍推進の課題としては幹部職の候補となる女性係長級の「人財」が不足していることを挙げ、計画的な育成や女性の意識改革を対策として示しました。昇格試験にも合格してきたキャリアの転機として「5年で環境は変わる、できないと思っていたことができる世界がやって来る。だからチャレンジして」との女性リーダー養成研修講師の言葉に後押しされたと述べました。
■「子どもが就学するまで時短勤務できる職場」深田さん
深田さんは、神戸婦人同情会について、1916(大正5)年にキリスト教宣教師だった城ノブが神戸市灘区で行き場のない女性5人を保護し、自立を支援するために女性救済事業を始め、今では特別養護老人ホーム、児童養護施設、母子生活支援施設、こども園、保育所、児童館の運営など時代に合わせて幅広い社会事業を展開していることを説明しました。柔軟な働き方を実現するために時短勤務を子どもが就学するまで延長可能なことや、育児休暇を取得して職場復帰する職員が多く、取得しやすい風土があることなども紹介しました。臨床心理士、公認心理士の資格を持ち、小児科クリニックでキャリアをスタートした後、さまざまな仕事を経験し、夫と家事や育児をどううまく分担しているかも語ってくれました。
■「新しい仕事に出合ったら、好奇心を持て」津志さん
津志さんは「多様性と共に成長する」と題し、県庁内での男女共同参画の取り組みとして「ひょうごアクション8(第7次男女共同参画率先行動計画)」を定め、女性管理職の割合など八つの数値目標の達成を目指していることを紹介しました。さらに自身のキャリアを1年半の育児休暇取得から振り返り、2019年には「行政特別研修生」の試験に合格、1カ月間、職場を離れて同じ研修生と切磋琢磨したことが力になったことや、2020年に昇任してからは能力開発課などで県計画の策定に従事し、男女青少年課では女性活躍推進担当になったことを報告しました。働く上で大切にしていることとして、「新しい仕事に出合 ったときに、好奇心を持って勉強する」などの心がけを挙げました。
この後、学生や山口特任講師からの質問に答えてもらうかたちで、ディスカッションしました。公務員志望の学生からは「仕事のやりがいや疲れることは」との質問があり、津志さんが、「県民の皆さんの役に立てている思うときは頑張れます。『この仕事は果たして県民の役に立つのか』と悩みながらやっている時は苦痛です」と述べました。深田さんは「いろいろなことに興味を持ってほしい」と学生たちに呼びかけました。森田さんは「会社では生成AIをさまざまな場面で活用しています。しかし、指示文を出すのはAIではなく自分。たくさんの情報をインプットして自分の中で整理し、見識を持つことが大事です」と述べました。