神戸学院大学

男女共同参画推進への取り組み

男女共同参画推進室が「活躍する女性セミナー」を開催しました

2025/07/04

講演する大原さん
講演する大原さん
大原さんの講演を聴く学生ら
大原さんの講演を聴く学生ら
男女共同参画推進室長の中山教授(左)と大原さんの対談
男女共同参画推進室長の中山教授(左)と大原さんの対談
中山室長と大原さんの対談を聴く学生ら
中山室長と大原さんの対談を聴く学生ら

男女共同参画推進室は6月27日、株式会社りぼん代表取締役CEOの大原万里亜さんを講師に招き、有瀬キャンパスで「活躍する女性セミナー」を開催しました。

■講師は「株式会社りぼん」の大原さん
長崎市を拠点に活動する大原さんは特別支援学校教員を16年間勤めた後、2013年にかつての生徒の保護者らと「株式会社りぼん」を設立。オーガニックコットンを使った草木染の肌に優しい布ナプキン・布おむつの専門店を開きました。昨年からは長崎女子短期大学附属幼稚園長を務めています。性教育や生理についての講演会は600回以上。2021年度の女性起業家大賞(全国商工会議所女性会連合会主催)優秀賞を受賞しました。

この日の演題は「いのちの力は、0歳から育てられる~生きる力を育む排泄と性教育の話~」。教員として障がいのある児童や生徒の排泄や呼吸に関わる中で「生きる原点を学んだ」といいます。児童や生徒は発達状況もさまざまで、「生理が5歳から始まる女の子もいました」との話は驚きでした。53歳で小学生になった「きくちゃん」も教員時代に担当しました。人工呼吸器を装着して指1本動かせないので「声なき詩人」。大原さんの勧めで「詩集 きくちゃんの詩」が自費出版され、長崎市内で書籍売り上げベスト10に入り、大地真央さんが作品を朗読するほど評判になったといいます。詩集の詳細は こちら

公に語られる語られることの少ない生理について、子どもや男性にも知ってもらい、誤解を解くために販売しているのが、遊びながら学べる「生理カルタ」。一般から句を募って作ったところ、多くのメディアで取り上げられました。性をめぐる無知を少しでも解消するためにアイデア商品の開発が貢献しています。

■布おむつで感覚を育てる
紙おむつが一般的になって排泄の感覚が鈍り、何時間も汚れたまま替えずに過ごす結果、なかなかおむつが取れない子どもが増えているといいます。大原さんは、親子のコミュニケーションが増えること、子どもの快・不快の感覚を育てることの大切さを述べ、布おむつの可能性を話しました。

大原さんは学生の間にも入り、「生理で1カ月間に出る血の量はどのくらいか分かりますか」と問いかけました。男子はもちろん、女子の学生でさえ正確に答えられた人はおらず、当事者の実感と実際との差が浮き彫りになりました。

学校や家庭での男子に対する性教育の不十分さ、性暴力によって被害者に与える傷の大きさを加害者が理解していないことなど、大原さんはこれまでの講演でも指摘してきました。最後に学生に対して「人生を面白くするのは情熱と人との出逢(あ)いです」「自分の生きる力を感じて」との熱いメッセージで講演を締めくくってもらいました。