神戸学院大学

寄贈図書のお知らせ

2021/04/01

リベラリズムとは何か
リベラリズムとは何か
工作機械・ロボット産業のエコシステム
工作機械・ロボット産業のエコシステム

図書紹介
書名:リベラリズムとは何か(ちくま学芸文庫)
著者:マイケル・フリーデン著 / 山岡 龍一監訳, 寺尾 範野, 森 達也 法学部准教授 訳
発行所:筑摩書房
発行年月日:2021年3月(272ページ)
【紹介文】
本書は、良質な学術的入門書を多数提供しているオックスフォード大学出版部Very Short Introductionsシリーズの一冊を翻訳したものです。昨今の政治談議の中でも「リベラリズム」や「リベラル」という言葉をよく聞くようになりました。「リベラリズム」は直訳すると「自由主義」、つまり自由を尊重する政治的な立場や思想のことを指します。しかしながら、それが具体的にはどのような思想であるのかと問われると、その答えはバラバラであり、時に互いの意見が対立することすらあります。それは「サヨク」の別名にすぎないのか、それとも個人主義と自己責任の教義なのか。実際のところ、リベラリズムはその歴史の中で多様な展開をみせてきたのであり、それら全てを一つにまとめることは困難です。著者のマイケル・フリーデンは英国における政治的イデオロギー研究の第一人者であり、この複雑な思想を「形態学的アプローチ」によって明晰に分析しています。「リベラル・デモクラシー」(自由民主主義)を基調とする現代政治を考える上で欠かせない知識の数々を、本書は提供してくれます。

図書紹介
書名:工作機械・ロボット産業のエコシステム―日本企業が支える世界の「モノづくり」基盤―(神戸学院大学経済学研究叢書23)
著者:林 隆一 経済学部准教授
出版社:晃洋書房
発売日:2021/3/10
単行本:288ページ
ISBN:978-4771034532

【紹介文】
「はじめに」より抜粋
本書は、「モノづくり」基盤産業の一つである工作機械と産業用ロボットの「ビジネス・エコシステム」の現在の姿を描き出す試みである。多種多様な加工法を取り込み続ける工作機械は技術的知識そのものであり、製造業全体への波及効果も大きい。自動車や電機産業などの製造業との相互作用が日本の工作機械発展の原動力になってきた。今後は急速に進化する産業用ロボットも同様の位置づけとなってくると考えられる。

多くの日本企業・産業がグローバルでの競争力を低下させている現在でも、工作機械・産業用ロボット関連の日本企業は高い競争力を有し、世界全体の「モノづくり」基盤に大きな影響を与え、世界の製造業の多様性維持に大きく貢献をしている。また、日本の全上場企業の上位に多くの関連企業が位置づけられるに関わらず、本書で触れる多様な「わかりにくさ」から、工作機械や産業用ロボットの世界に広がるエコシステムを対象とする研究は多くなく、現状把握はあまり進んでいない。

米国GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などが世界の時価総額上位を占めることで、プラットフォームビジネスが注目を集めている。今までITや小売産業などが分析の中心であったが、工作機械においても、理論化される前からプラットフォーム戦略が既に実践されている。本書は、工作機械のキーデバイス大手で、産業用ロボットでもトップ企業のファナックがプラットフォーム戦略を実践しているという視点を踏まえ、現在の「ビジネス・エコシステム」を解釈している。

本書の想定する読者は、学術研究者だけでなく、資本財企業に関わる実務家に加え、経営戦略策定に携わる方や各種の企業や産業を調査・研究をする方々である。