神戸学院大学

「災害への備えに関する取り組み」(ニュース・リリース・オブ・ザ・イヤー2019大賞)について

2020/06/17

阪神・淡路大震災25年総合フォーラムでパネリストとして登壇する森本さん
阪神・淡路大震災25年総合フォーラムでパネリストとして登壇する森本さん
災害食のアレンジレシピのデモンストレーションをしています
災害食のアレンジレシピのデモンストレーションをしています
BOSAI天然水をPRする田村さん
BOSAI天然水をPRする田村さん
記者会見後の写真撮影でマスコミ対応も堂々と
記者会見後の写真撮影でマスコミ対応も堂々と

ニュースリリース・オブ・ザ・イヤー2019大賞に選ばれた「災害への備えに関する取り組み」の活動に参加した、森本澪さん、田村萌絵さん(ともに現代社会学部社会防災学科4年次生)と前林清和教授にお話を聞きました。

「防災女子」は、「やってみたくなる防災」を掲げて活動してきました。使った分を買い足して備蓄する「ローリングストック法」関する啓発を各地のイベントやワークショップで行ったり、災害時の限られた条件で調理できる「災害食」のアレンジレシピを考えて、デモストレーションをおこなったり防災意識の向上に努めています。

森本澪さん(現代社会学部社会防災学科4年次生)は、「市民の方々の生の声を聞かせてもらうことで、初めて気づくことがあります」と、言います。例えば、今取り組んでいる防災学習カードゲームの内容。「ローリングストック用に備蓄すると言っても、在宅避難なのか、それとも避難所へ持っていくものなのかと聞かれて、想定が違えば備蓄のやり方も異なることに気づきました」と一例を挙げます。改善点を見つけるたびに、次のイベントや事業で生かしています。

災害食のアレンジレシピの考案も、料理が得意なメンバーが多いわけではないため、全員で意見を出し合い、試行錯誤の連続です。「手に入りやすい食材で、調理に手間がかからず、栄養価が高くて、作ってみたくなる。そんな料理を目指しているので、簡単ではありません」。
最後に活動を通じて学んだことは、「現場でのコミュニケーションの大切さです。必ずしも防災に関わる仕事をするとは限りませんが、地域の方々とのつながりの大切さも実感し、今後の人生に生かしていきたいと思います」と語りました。

現代社会学部社会防災学科の学生有志がブルボンと兵庫県と連携して開発したペットボトルのミネラルウォーター「ひょうごBOSAI天然水」は、田村萌絵さん(同学科4年次生)らが昨年10月県庁で記者会見し、多くのメディアで取り上げられました。

田村さんは当初、デザインを考えるということに自信がなく、参加を迷ったそうですが、「企業の方と商品開発をする経験はなかなかできることではない。学生だからこそ、失敗を恐れずに挑戦しよう」と参加を決意。「学内での授業とは違った、多くの学びがありました」と話しています。
ラベルデザインを考える上で意識したのは、多くの人が日々の生活で携帯するペットボトルの特徴を生かし、突然起こる災害時に「命をつなぐ手助け」になるものにすること。一次避難行動を分かりやすく伝えるために、ピクトグラムを用いたり、カラフルな色使いにしたりと目を引くデザインを意識しました。伝えたい情報はたくさんありましたが興味を持ってもらうことに絞って最小限の文章にまとめ、関西弁を使って表現。思わず読んでしまうような内容に仕上げました。

「商品開発においては、防災の知識だけではなく、コストや安全性など、物事を多面的に考える必要があり、企業の方、兵庫県の方、大学の先生、学科の仲間などたくさんの方に助けていただきました。多くの人に支えてもらって完成したこの商品が、一人でも多くの人の手に届き、阪神・淡路大震災の教訓を、私たちのように震災を知らない世代が受け取り、繋いでいくバトンの役割を担ってくれたら嬉しいです」と語りました。
両方の対象案件で学生たちを指導した同学部の前林清和教授は「受賞はたくさんの先生方の指導のおかげです。マスコミ対応が堂々としていたのは、学生が現場で活動する中で身に着けてくれたものです。コロナ禍の今でも、たとえば防災食レシピを考えることは自宅でできます。『こもる』ということは大事で物事を頭で考える時期です。コロナ後を意識して動画共有サイトで防災について発信していくことも考えています」と感想を話し、学生たちの受賞を喜んでいます。