神戸学院大学

ウクライナの最高会議議員団が本学で戦争の続く現地の厳しい状況を語りました

2022/10/21

学生に向かって話すミハイリューク議員(右の女性はゴラル客員教授)
学生に向かって話すミハイリューク議員(右の女性はゴラル客員教授)
学生に話すコステンコ議員
学生に話すコステンコ議員
現地のエネルギー事情を話すセミンスキー議員
現地のエネルギー事情を話すセミンスキー議員
○×で学生からの質問に答えるウクライナの議員ら
○×で学生からの質問に答えるウクライナの議員ら
ウクライナの議員の話に熱心にメモを取る学生
ウクライナの議員の話に熱心にメモを取る学生
中村学長(前列中央)らを表敬訪問したウクライナの最高会議議員団
中村学長(前列中央)らを表敬訪問したウクライナの最高会議議員団
ウクライナの議員団と受講生で記念撮影
ウクライナの議員団と受講生で記念撮影

来日しているウクライナ最高会議(国会)議員団が10月20日、ポートアイランドキャンパスに中村恵学長らを表敬訪問した後、有瀬キャンパスでウクライナ出身のナディヤ・ゴラル客員教授の授業に登壇して、学生らに戦火の続く現地の事情を伝えました。

表敬訪問したのは、訪問団長で、法学博士号を持つハリーナ・ミハイリューク議員▽元軍人で、ウクライナ保安庁大佐のロマン・コステンコ議員▽ゼレンスキー大統領の選挙戦を支え、国立食品技術大学准教授だったオルガ・コヴァリ議員▽国際関係に詳しく、キエフ経済スクールで教壇にも立っていたヤロスラフ・ジェレズニヤク議員▽民間ガス会社の社長や企業幹部を歴任したオレグ・セミンスキー議員です。いずれも対日議員グループに所属し、ミハイリューク議員とジェレズニヤク議員が共同会長を務めています。

■中村学長らを5人が表敬訪問
本学は中村学長と津田裕子副学長、国際交流センターの岡部芳彦所長、住智明大学事務局長とで面談しました。一行はこの日、新幹線で神戸に到着し、斎藤元彦知事と小西隆紀・県議会議長と面会した後、ウクライナの大学などと関係の深い本学を訪れました。

中村学長は学内で続けているウクライナ支援の募金活動などについて説明し、戦争の現状を尋ねました。国会議員団を代表してミハイリューク議員が「ロシアのミサイル攻撃は全土に広がり、被害を受けて教育活動を中止した大学や学校は2000以上に上ります。多くはオンライン授業になっていますが、空襲警報が鳴ると地下のシェルターに移動しなければならず厳しい状況が続いています」と説明しました。また、「今週と先週を平均すると空襲は8時間以上続き、国民は耐乏生活を続けています。でも私たちは負けません。日本の皆さんのご支援をお願いします」と要請しました。

■ゴラル客員教授の授業にも参加
「ウクライナの経済と社会」をテーマにしたゴラル客員教授の授業にはミハイリューク議員、コステンコ議員、セミンスキー議員の3人が参加しました。冒頭で学生が○×で答える質問を投げかけました。「ウクライナの若者は戦争の前から政治も関心を持っていたか」の問いには全員が○。「海外からの支援は十分か」の問いには全員が「×」でした。「ロシアは本当に核兵器を使うか」という微妙な質問には2人が「×」としましたが、もう1人は「分からない」でした。「戦争は2年以内に終わるか」という質問には全員が「○」と答えました。

■若い人も政治に興味を持って
ミハイリューク議員は「プーチン大統領は隣の国がロシアより強くなるのは我慢できなかった」と侵攻の理由を述べ、「世界の軍事大国・ロシアとここまで戦っているのは軍人だけでなく、普通の人が頑張り、民主主義国の応援があったからです」と日本の支援にも感謝しました。一方、軍人出身のコステンコ議員は「政治に興味を持ってください。ウクライナの政治家は若い人が多く、若者は新しいアイデアを出すことができます」と学生に呼びかけました。同時に「私は日本の歴史にも興味を持っています。(日露戦争で)100年以上前に、小国だった日本の連合艦隊が(日本海海戦で)バルチック艦隊を壊滅させて大国ロシアを破った。ウクライナも先日、ロシアの黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈した。時代を隔ててウクライナもロシアに勝利して、戦争が終わることを期待しています」と語りました。

学生からの質問も相次ぎ、ウクライナから避難したインターンシップ生のアニャ・トライノさんは「ウクライナのエネルギー事情は今、どの程度深刻ですか」と尋ねました。エネルギー問題を担当するセミンスキー議員は「ミサイルで破壊された原発もあるが、発電所はまだ大丈夫。システムは問題ないが壊れた機器の交換が難しくなっています。でも破壊されても技師たちは修理も早いので、『第2の軍隊』と言われています」と答えました。

■大災害から復興した日本、神戸の経験に学びたい
さらに来日の目的についてミハイリューク議員は「日本の政府、企業などに支援を要請するということもありますが、日本も神戸も地震などの大災害の惨禍を乗り越えて早く復興を果たしています。その経験から学びたいと思いました」と、語りました。

神戸新聞NEXT
「『ウクライナの未来は世界の未来、関心を持って』議員団が来神、神院大生らに訴え」の記事はこちら

NHK NEWS WEB 
「ウクライナの議員団が兵庫県訪問 知事に復興への協力呼びかけ」の記事はこちら