神戸学院大学

プロ棋士を目指す音瀬さんにインタビューしました

2012/04/20

局面によっては30手先を読むことも
局面によっては30手先を読むことも
負けたら悔しいが、くよくよしない
負けたら悔しいが、くよくよしない
プロ棋士になるのが小さいころからの夢
プロ棋士になるのが小さいころからの夢

人文学部に今春入学した音瀬佑貴(おとせ・ゆうき)さん=高砂市在住=は、プロ棋士の登竜門とされる関西奨励会に入り、初段リーグで活躍しています。三段になると東西のリーグ戦を半年ごとに行い、上位2人が四段に昇格して正式にプロ棋士と認められます。本学初のプロ棋士誕生なるか。井上慶太九段門下として、地元・兵庫や学内の将棋ファンから大きな期待がかかる音瀬さんにインタビューしました。

――将棋を始めたのはいつですか?
音瀬 小学校に入学してすぐです。祖父が友人と将棋を指していたのを見て、おもしろそうだなあと思ったのがきっかけです。祖父から手ほどきを受けました。

――道場みたいなところには通いましたか?
音瀬 小学校3年生から高砂市内の将棋教室と、加古川市内の将棋センターに通いました。5年生からは、将棋センターだけに通い、そこで井上先生が師範をされていた縁で、中学2年生から先生の指導を受け、やがて試験にパスして奨励会に入りました。

――奨励会には6級から三段まで所属していますが
音瀬 もちろん、入った時は6級です。実は去年の10月までは2級でした。勝てなくて、勝てなくて、2級に2年ほどいました。その10月、6連勝して1級に上がり、この3月に12勝4敗の成績で初段に昇格しました。

――奨励会には、各段位に応じて厳しい年齢制限や勝敗ラインがありますね。
音瀬 奨励会は通常、二十歳で初段にならないと、退会になってしまいます。でも、井上門下では、そのラインがさらに厳しく18歳なんです。だから、本当にぎりぎりでした。

――では、プロ棋士に挑戦できる三段も井上門下独自のラインがあるんですか?
音瀬 ええ。二十歳までなんです。

――それは焦りますね。
音瀬 でも、1年に一段ずつあがればいいかなと思っています。苦しいことばかり考えないようにしています。

――将棋以外で、何か気分転換することはありますか。
音瀬うーん。特にないですね。ごく普通にテレビを観たりとか…

――得意な戦法はありますか?
音瀬 なんでもやりますが、しいて言えば「振り飛車」ですかねぇ。

――これまでにタイトルは取られましたか?
音瀬 高砂市立宝殿中学2年の時、第32期中学生将棋名人戦(日本将棋連盟主催)に出場して第3位になりました。

――それはすごい。ちなみに、その時の優勝者はプロ棋士になっていますか?
音瀬 東京の方だったと思いますが、確か奨励会に入っていると思います。

――話題を大学に戻しますが、なぜ本学を選んだのですか?
音瀬高校の先生から、合っているんじゃないかと勧められまして。文学とかに興味があったので人文学部を選びました。立地的にも、将棋と両立できますし。

――平日は毎日、大学に来ていますか?
音瀬 いいえ。金曜日だけは、授業を組んでいません。大阪の関西将棋会館で行われるプロ対局の記録係は奨励会のメンバーが務めます。月に1~2回はその記録係をします。プロの対局を間近で見ていると「今、こういうことを考えているのではないかなあ」とか考えたりして、非常に勉強になります。

――では、週末は?
音瀬 将棋センターで指導対局をしたりしています。

――それだけ打ち込める将棋の魅力はなんですか?
音瀬 勝ったらうれしいし、負けたら悔しい。難しい質問ですが、小学校のころから、プロ棋士を目指してやってきたので、必ず実現させたいです。

――ぜひ、夢を実現させ、本学出身のプロ棋士になってください。
本日はありがとうございました。