神戸学院大学

本学で高大連携歴史教育研究会第11回大会が開催されました

2025/08/27

全体会のシンポジウムを聴く参加者ら
全体会のシンポジウムを聴く参加者ら
会場を埋めつくした参加者ら
会場を埋めつくした参加者ら

「高大連携歴史教育研究会第11回大会」が8月23、24両日、ポートアイランド第1キャンパスD号館で開催されました。会場参加とオンラインのハイブリッド形式で行われ、歴史教育に熱心な高等学校教員を中心に初日はオンラインを含めて235人、2日目は263人が参加しました。本学からは人文学部の北村厚准教授、大西慎也教授、全学教育推進機構の鵜飼昌男特任講師が運営を担当しました。

学習指導要領の改訂で大きく科目内容と構成が変わった高校地歴科で、新科目「歴史総合」をはじめ「探究」面を重視した歴史教育をどのように充実させていくのか、現場の高校教員と歴史学・社会科教育学の大学教員が熱のこもった議論を展開した2日間でした。

初日の総会では、備酒伸彦学長が会場校あいさつし、「我が国の高齢者ケアの仕組みは、ほとんどが北欧(主にスウェーデン)から輸入であるが、残念ながら北欧と同じようには機能していない。その背景には、スウェーデンと我が国との価値観の相違があり、特に死生観や個人の尊重といった哲学に大きな隔たりがある。その隔たりは両国国民が歩んできた歴史の相違によっていることは明らかである。そういった意味からも歴史を学ぶことは、今を、将来を考えるために不可欠なものである」と述べました。来場者からは「現代を理解するための歴史教育」という内容に共感が集まりました。プログラムは以下の通りです(敬称略)。

【1日目 全体会】 
シンポジウム「複合国家から考える世界史・日本史―歴史研究と歴史教育の対話」
基調報告+ヨーロッパ史 岩井淳(静岡大学名誉教授・ブリテン)
報告1:ヨーロッパ史 内村俊太(上智大学・スペイン)
報告2:アジア史 杉山清彦(東京大学・清帝国)
報告3:日本史 杉本史子(東京大学名誉教授・江戸時代)
コメント1 本間靖章(北海道札幌南高等学校)・矢景裕子(神戸大学附属中等教育学校)
全体討論

【2日目 各部会パネル】
第1部会「逆向き設計を利用した〈歴史総合〉概念型学習カリキュラムの開発と実践」
第2部会「ねらいについての議論をしよう4」
第3部会「時代・地域を通貫する概念を用いた探究科目の授業はどうあるべきか」
第4部会「新課程入試元年を振り返る」
第5部会「高校新科目を担当する歴史教師養成カリキュラムの提案―歴史学と社会科教育学の協働」
特別部会「高校生発表の場をいかに広げるか―歴史研究を中心に」
特設ジェンダー史PT「ジェンダー視点を取り入れた〈歴史総合〉の授業計画と実践」
公募企画①「SCool Out BTN (バウンドする伝播のネットワーク」の視点からのコンテンツ発表、アイデア共有、表現の場)」 
公募企画②「地域の記憶・記録の継承/断絶と歴史学習」
ランチョンセッション「歴史総合、日本史探究、世界史探究の授業と大学入学試験に関する実態及び意識調査」報告

鵜飼特任講師は「大学入試問題を検討する各部会パネル第4部会では、本年度も本学の世界史の問題が私大の先進的な事例として上智、慶應両大学と並んで取り上げられました。ほとんどの来場者は、本学のポートアイランドキャンパスの美しさと充実した設備を高く評価されていました」と話しています。