神戸学院大学

全学教育推進機構

「学生の未来センター」開設記念シンポが開かれました

2019/10/21

学生生活の継続に困難を抱えた学生の退学を防ぎ、修学や就労を支援するための「学生の未来センター」を本学が開設したことを記念して10月19日、「『未来』を育むために何ができるか」をテーマにポートアイランド第1キャンパスB号館B302講義室でシンポジウムが開かれました。

佐藤雅美学長の開設の経緯説明に続き、西垣千春センター所長から、さまざまな理由で本学を卒業までに「離学」する学生は年間約300人に上ることや、男子学生のほうが女子より離学率が高い▽1、2年次に離学する人が多い▽留年経験者は離学する率が高い――などの本学学生のデータ分析から分かった特徴が報告されました。そのうえでセンターが離学を食い止める役割を果たすために、入学前から相談できる人との顔合わせが有効なことや、専門家だけではない教職員を挙げての体制づくりが求められると西垣所長は強調しました。

続いて「ニート」という言葉の名付け親でもある東京大学社会科学研究所の玄田有史教授が基調講演しました。東大で「希望学」を教えている立場から、大学が学生に希望を与えて離学を食い止めるためには、人と人とのゆるやかな「絆」を築く場であることが大事なのではないかと提言しました。玄田教授は最後に「Hope is a Wish for something to come true by action(希望とは動いてもがいてぶち当たることで、何かを実現したいという気持ちになることだ)」と黒板に書き、講演を結びました。

この後、学生の未来センターの中村恵副所長の司会で、玄田教授、西垣所長に、ミニ講演をお願いした長谷部治・神戸市兵庫区社会福祉協議会地域支援課長とマイナビ就職情報支援本部の高橋誠人マイナビ編集長とが加わってパネル討議がありました。長谷部さんは、「ボランティアをやめる人は毎年いくらかいるが、いかに温かく送り出すかが重要。大学も同じで、中退する人も温かく送り出し、在学中から社会保障や年金についてもしっかり教えておかねばなりません」と体験から発言しました。高橋さんは「大学の研究が社会に出てどのように役立つかをもっと学生に分かってもらったほうが良いのでは」と、キャリア支援の立場から提案しました。