阪神タイガース前監督の矢野燿大氏の講演会を同窓会主催「ホームカミングデー」で開催しました
2023/11/07
同窓会主催の「ホームカミングデー」が大学祭期間中の11月3日に実施され、阪神タイガース前監督の矢野燿大さんがポートアイランド第1キャンパスで講演しました。多数の同窓生や学生、教職員、一般の皆さんが参加しました。
矢野さんは1990年に中日ドラゴンズに入団し、1997年オフに阪神タイガースに移籍。正捕手として2003年、2005年のリーグ優勝に貢献しました。1997年には打率3割を記録しました。球界を代表する捕手としてファンに愛され、2010年に引退。阪神の1軍作戦兼バッテリーコーチ、2軍監督を経て2019年に1軍監督に就任。4年連続Aクラス入りを成し遂げ、昨シーズン退任しました。長年、社会貢献活動にも熱心に取り組んでいます。
中村恵学長と同窓会の桑原理哲会長のあいさつに続き、演壇に登場した矢野さんの講演の演題は「選手が教えてくれた、人が持つ無限の可能性」。「指導者として勝つためにはどうすればいいかを伝え、全力で選手を育ててきた」と言います。一方、「毎年、何人かは戦力外になる選手もいる。燃え尽きる人もいる。そういう人たちにも伝えたいことがありました」と語り、厳しい指導の裏側で、選手への深い愛情を感じました。
技術面以外に、矢野さんは選手に伝えた三つの力を挙げてくれました。一つ目は「成信力」。成功を信じる力です。スポーツの世界では「できる」と信じて努力してきた人が「不可能」と言われた記録を破ってきたことを感動的に紹介してくれました。
二つ目は苦楽力。困難や苦労を乗り越えて成長と楽しみを得る力です。そのためのマジックワードは「チャーンス(Chance)」。「苦しい時にこそチャーンスと言うのです」と矢野さん。コロナ禍で監督として厳しい日々が続きましたが、「ピンチの中にチャンスはある」と考え、選手たちもそれを実践してくれたことが矢野さんの喜びでした。
三つ目は「他喜力」。ほかの方に喜んでもらう力です。「ヒット1本、1勝だけで、皆さんがこんなにも喜んでくれる」。誰かのために頑張ることが、自分の限界を突破させてくれます。この三つの力だけでも「脳と心は最高の状態になる」というのですが、そこに「感謝力」を加えると「最強になれます」。感謝力とは、「当たり前に感謝できること、自然と手を合わせることだ」と、矢野さんは、かみくだいて説明してくれました。
指導した選手たちの頑張りを個人名も挙げながら称え、努力が実を結んだという話は参加者の胸に響きました。最後に学校法人神戸学院の西本誠實理事長が御礼の言葉を述べ、阪神ファンのグローバル・コミュニケーション学部1年次生、谷垣華英さんが学生代表で花束を贈呈しました。
この後、抽選会があり、矢野さんからサイン色紙とサインボールをたくさんプレゼントしていただきました。割れんばかりの拍手で退室する矢野さんを見送りました。