神戸学院大学

在神戸ウクライナ名誉領事館が「ウクライナ映画祭 in 神戸」第2、第3弾で『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』など4作品を上演しました

2026/10/28

山田監督(右)に記念品を贈った在神戸ウクライナ名誉領事館の岡部名誉領事
山田監督(右)に記念品を贈った在神戸ウクライナ名誉領事館の岡部名誉領事
アフタートークで対談する岡部名誉領事と山田監督
アフタートークで対談する岡部名誉領事と山田監督
映画の感想を述べる美延映夫文部科学大臣政務官
映画の感想を述べる美延映夫文部科学大臣政務官

在神戸ウクライナ名誉領事館は、「ウクライナ映画祭 in 神戸」の第2、第3弾上映会を、10月24、25両日に開催し、戦時下のウクライナを描いたドキュメンタリーや実話に基づく感動のドラマ、また戦争の影響を受ける動物たちに焦点を当てた話題作など、計4作品を上映しました。

10月24日は『パラヌィッチャ / Palyanytsia』(64分)と『クリミアの祈り / Their Prayer』(100分)を上映、『パラヌィッチャ』は米国のストリートアーティストが被災地を巡り、破壊された建物に壁画を描きながら人々と交流するドキュメンタリーでした。『クリミアの祈り』は第2次世界大戦中、88人のユダヤ人の子供たちを救った若きクリミア・タタール人女性の実話に基づく物語でした。

10月25日は 『戦争下の動物たち / Animals in War』(100分)と日本映画『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』(110分)を上演。『戦争下の動物たち』は 戦禍にさらされた動物たちの実話に基づくアンソロジー。声なき命の視点から描かれるヒューマンドラマ。『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』は戦場で生き抜く犬たちと、その小さな命を救うために世界中から集まった人々を追ったドキュメンタリーです。

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』上映後のアフタートークには山田あかね監督が、作品のパンフレットにも寄稿した岡部芳彦・在神戸ウクライナ名誉領事と対談しました。

山田監督は戦時下のウクライナでキーウ近郊のボロディアンカにあった犬の保護シェルターなどを訪問し、無残にも殺された犬たちや人が避難したために餓死した犬たち、置き去りにされてしまった犬たちを救出した動物愛護団体の人たちの姿を通して戦争のもう一つの現実を描きました。

岡部名誉領事がまず、「最初に戦地に行こうと思った心境はいかがでしたか」と質問し、「私は大学でロシア文学を専攻し、テレビのディレクターをしていました。自宅では愛犬を飼っています。2022年2月のロシアによる軍事侵攻で、がれきの中から犬を抱えて逃げる人たちの映像に衝撃を受けました。今まで作品を製作してきた動物ものだったら(映画や番組に)できるので、侵攻から38日後の4月2日にポーランドから首都キーウ近郊に行きました。あまりの惨状に最初は何も撮影できませんでしたが、撮影しておかなければ伝えられないと思いました」と答えました。

「(キーウ近郊の)ボロディアンカのシェルターを訪ねたときの印象」については、「初めて行ったときは厳しい状況でした。犬の悲劇の状況を完全に理解できるまで撮影しようと思いました。シェルターの敷地は広いので、犬を閉じ込めさえしなければ生き残れたのではないかと思います」と山田監督は答えました。

また、「ロシアによる攻撃でダムが決壊して川の水があふれて大洪水になったヘルソンへは、現地に詳しいコーディネーターに止められても行こうと思われたのか」との質問には「ホロディアンカのシェルターで、動物愛護団体の女性2人がこれから現地に行くというのでついて行こうと思いました。ホロディアンカのように(戦争や災害時などに)動物を(檻の中に)閉じ込められたままにしておくと死んでしまうのが心配でした」と答えました。

このほか、戦場でウクライナの兵士が犬に自分たちの食事を分けてやる映像もあり、「ウクライナでは人と犬の距離が近い。犬がそばにいると兵士がPTSDになる割合が低いとも言われる。犬が人を支えている側面もあるのではないか」などと、作品を通して感じられる犬と人間の特別な関係がトークの話題になりました。

参加した本学卒業生の美延映夫文部科学大臣政務官は「映画の中の「『小さな命を犠牲にしないという覚悟こそが戦争という大きな暴力に対するゆるぎない意義のあるレジスタンス』という言葉に賛同します」と、あいさつで感想を述べました。

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』のホームページはこちら