神戸学院大学

2021年度入学式 学長式辞

2021/04/07

春本番を迎え、キャンパス内にはさわやかな風が吹き抜け、草木の緑が際立つ季節となりました。本日は、コロナ禍の影響が続く中、午前と午後の2部構成とし、ご来賓の皆様にはご出席を控えていただき、新入生のご家族の皆様にはオンラインでのご参加をお願いするという変則的な形ではありますが、2021年度入学式を挙行できますこと、大学関係者にとりましてこの上ない喜びであります。ご理解・ご協力いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

さて、本日慶びの日を迎えられた学部新入生の皆さん、編入学・転入学生の皆さん、大学院新入生の皆さん、ようこそ神戸学院大学へ。

神戸学院大学を代表して、ご入学のお祝いを申し上げます。そして、皆さんが神戸学院大学の一員になられたことを、教職員一同、心から歓迎いたします。

また、新入生のご家族の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。本日はこの会場にお越しいただけないのは残念ですが、ご一緒にお祝いをしていただければ有難く存じます。

神戸学院大学は、1966年に体質医学の世界的権威で京都大学名誉教授であった初代学長・森茂樹博士の下、建学の精神「真理愛好・個性尊重」を掲げて、栄養学部だけの単科大学として、現在の有瀬キャンパスに創立されました。それから半世紀余りが経った現在では、神戸市内の複数のキャンパスに、10学部と8つの大学院研究科を設置し、学生数1万1000人あまりを擁する神戸市内では最大規模、兵庫県下でも2番目の規模の文理融合型私立総合大学に発展いたしました。

長い歴史を有する本学の「宝」である同窓生は、9万人に上ります。同窓生の皆さんは、研究者として国際的に活躍されている方々、一部上場企業のトップや管理職として活躍されている方々を始め、実に多種多様な分野で活躍されています。中には芸能界で活躍する人たちも出ています。ここ数年、国から褒章を受章された方、さらには「日経WOMAN」が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018」の大賞に選ばれた方も出ています。様々な分野での先輩方の活躍は、新入生の皆さんの将来が多様で無限の可能性に満ちていることを示しています。

さて、新入生の皆さんはコロナ禍の中で受験生時代を過ごし、これから始まる大学生活・大学院生活には期待とともに不安も感じながら今日の式に臨んでいるのではないでしょうか? 
神戸学院大学は、皆さんの「成長」のためのステージです。皆さんが大きく成長し、自らを変革するチャンスに満ちています。私は本学での30年あまりの教育経験から、神戸学院の学生の皆さんには「伸びしろ」、すなわち大きな成長の可能性があると確信しています。皆さん自身が自分の「可能性」に気づく、あるいはそれを信じるかどうかが、これからの成長を大きく左右することになります。過ぎ去った過去はどんなに頑張っても変えることはできません。しかし、これから先の未来は今日から、今から自分の意志で創っていくことができるのです。自らの「成長の可能性」を信じて、これからの学修に取り組むとともに、様々なことにチャレンジをしてほしいと思います。

「令和」時代に入って3年目となる21世紀社会は、10年先、20年先を予測することが難しい不確実な時代を迎えています。人口減少・少子高齢化やグローバル化の更なる進行、自然災害の頻発、人生100年時代、働き方改革、さらにはAIやIOTによる新たな産業革新の到来など、多様な変化が待ち受けています。未曽有の災害ともいえるコロナ禍も従来の経験則が通用しない時代を象徴しています。

新入生の皆さんには、これからの学生生活を通じて、21世紀社会を生き抜く力、社会に適応する能力を備えた人材へと「成長」することが求められています。そこで、皆さんに推奨したいのが「プラスアルファ・チャレンジ」です。「プラスアルファ・チャレンジ」とは、それぞれの学部の専門の学びに加えて、個性や興味・関心に応じて、学部の枠を超えた学びや活動にチャレンジすることです。

神戸学院大学は、総合大学としての環境を活かし、学生の「成長」を支える多種多様なプログラムを用意しています。医療・福祉系4学部6学科合同の「専門職連携教育(IPE)」、文系5学部対象の「スポーツサイエンス・ユニット」、英語力強化プログラムの「神戸学院カレッジ」、教員免許を目指す「教職課程」などは、総合大学ならではの学部横断型の教育プログラムです。国際交流に関しては、海外の協定大学での短期海外研修、長期留学が充実しており、コロナ禍が収束すれば、ぜひチャレンジしてほしいと思います。

正課外のプログラムも豊富です。体育会・文化会・独立団体・任意団体によって構成される課外活動団体は実に多彩で、全国レベルで活躍する団体もあります。資格・検定や公務員を目指す人のための「課外講座」では、毎年大きな成果をあげています。

すでに皆さんにお配りしている中公新書ラクレの『地域と繫がる大学』に描かれているように、本学は阪神・淡路大震災の震源地に最も近い総合大学として、ボランティア活動や防災・社会貢献活動には重点的に取り組んできました。被災地での支援活動には、ボランティア活動支援室学生スタッフをはじめ多数の学生が参加しています。また、昨年はコロナ禍で中止になりましたが、地元の一大イベントである神戸マラソンでは、毎年600人を越える学生がボランティアとして大活躍しており、NHKのテレビ番組でも紹介されました。

ほかにもオープンキャンパス学生スタッフ「オーキャンズ」、大学祭中央実行委員会、さらには自治体・企業や地域の方々との様々な社会連携・地域貢献活動で学生が活躍するなど、数え切れないほどの「成長」のためのプログラムが展開されています。

新入生の皆さんには、神戸学院大学での学生生活、「プラスアルファ・チャレンジ」を通じて、それぞれの個性を磨き、主体的に物事に取り組む姿勢を育み、21世紀社会を生き抜く力を培ってほしいと思います。神戸学院大学は、皆さんの「伸びしろ」を信じて、全力で支援していきます。そして、皆さんが卒業の時に自らの成長を実感して、自信を持って社会に飛び立ってくれることを願っています。

新入生のご家族の皆様におかれましては、大学とご家庭の「架け橋」として長い実績のある「教育後援会」の一員となられます。教育後援会の活動を通じて、神戸学院大学に親しみを感じていただければ幸甚でございます。

本学は今年1月に創立55年を迎え、学校法人神戸学院は、来年2022年に創立110周年を迎えます。新入生の皆さん、この歴史と伝統のある神戸学院大学の一員であることに「誇り」を持ち、思う存分様々なことにチャレンジしてください。そして、神戸学院大学が、初代学長・森茂樹先生の目指された「後世に残る大学」となるよう、共に新しい歴史を創っていきましょう。

いよいよ明日からは大学の授業が始まります。徹底した感染防止対策の実践により、一緒にコロナ禍に打ち勝っていきましょう。

本日はご入学、誠におめでとうございます。

2021年4月7日

神戸学院大学学長 佐藤雅美