寄贈図書のお知らせ
2021/03/11
図書紹介
書名:危機時のリーダーの英語
著者:中西 のりこ グローバル・コミュニケーション学部教授, 中嶋 圭介 解説 / コスモピア編集部 編
発行所 :コスモピア
発行年月日:2021年2月(172ページ)
【紹介文】
「はじめに」より抜粋
2020年は、得体のしれない不安をどこへ持っていけばよいかわからない年でした。刻一刻と増えていくコロナ感染者数や、暴徒化する人種差別反対運動の報道を見て、誰もが、自分が取るべき行動について考えさせられた年だったのではないでしょうか。そんな中で、それぞれの国や地域の状況に合わせた形で人々を安全な方向へ導こうとするリーダーたちのことばを分析する作業は、私自身が母として娘として教員として、人にどんな声をかければよいかを考える際の指針となりました。
米国ニューヨーク州のクオモ知事のように力強く人を導くリーダーには程遠い自分がもどかしくて、涙したことさえありました。しかし、誠実に熱く訴えかけるクオモ知事だけでなく、自身も感染者となってしまったジョンソン首相(イギリス)、非言語コミュニケーションに長けたイケメンのトルドー首相(カナダ)、子育てママらしい強さと優しさが政策にもスピーチにも表れるアーダーン首相(ニュージーランド)、国籍も性別をも超えてというフレーズに説得力が増す移民二世でゲイを公表しているバラッカー元首相(アイルランド)、いち早く感染拡大を阻止し経済復興へと向かうリー首相(シンガポール)、理系らしい理路整然としたスピーチ構成が見事なタン大臣(台湾)。7人それぞれが持ち味を生かして情報発信をしているのを聞き、私の持ち味を生かせる話し方を見つければよいと考えるようになりました。
みなさんも、家庭や学校・職場・ご近所づきあいなどで、状況を説明したり、人を励ましたり、反論を覚悟で厳しい提案をしたりする機会が日常の中であると思います。そのような時に、あのリーダーならこうやって説明するだろう、励ますだろう、提案をするだろうという風に、論理構成や話し方のお手本を、本書の中から見つけてくだされば幸いです。
図書紹介
書名:英語発音の指導―基礎知識からわかりやすい指導法・使いやすい矯正方法まで
著者:有本 純, 河内山 真理, 佐伯 林規江, 中西 のりこ グローバル・コミュニケーション学部教授, 山本 誠子 経営学部准教授 著
発行所:三修社
発行年月日:2021年1月(128ページ)
【紹介文】
これまでに、ありそうでなかったのが本書です。発音指導という用語が本のタイトルについていても、英語音声学の専門的な説明しか書かれておらず、内容を理解するのが難しくて、教室では使えないという声を、現場の先生から聞いてきました。また、発音教本などでは、独特の記号が用いられるので、やはり実際に説明を聞かなければ発音できないといった問題もあるようです。さらに、教員免許取得の際に英語音声学を学んでいないので、生徒に発音をどう指導すればよいのかわからない、自信をもって発音を指導できないとおっしゃる先生方にもたくさん出会ってきました。
文法指導が苦手という中学・高校の英語の先生は少ないのに、発音指導は敬遠される方が多いのはなぜでしょうか。コミュニケーション能力を養成することが学習指導要領で求められているにもかかわらず、教室では新出単語と意味理解を確認する音読程度しか、生徒は発音する機会がありません。発音にはほとんど注意を払わずに、様々なアクティビティが行われています。また、小学校の英語活動は音声中心ですが、先生方は自分の発音に自信が持てず、もっぱらALT とCD のモデル音声に頼りがちになる傾向があります。教科として扱う場合には、先生方には発音がかなりの負担にもなります。児童にモデルを示すことが日本人教員にとって大切なことなのですが、様々な問題が原因で解決できていません。
このような背景から、具体的な発音指導の方法を知りたいという多くの声を反映し、実現したのがこの発音指導書です。外国語教育メディア学会関西支部にある「英語発音教育研究部会」のメンバーを中心に組織して研究成果を精査し、小中高だけでなく、大学での実践も通して改訂をくり返し、ようやく教室で誰もが使える指導法として、本書をまとめることができました。英語音声学の知識が十分でなくても理解できるように、解説や指導法の説明では工夫をしています。本書を活用して、先生方が自信をもって発音指導に取り組んでいただけることを、筆者らは期待しています。