春本番を間近に控えながらも、コロナ禍の影響が続く中、二〇二一年度学位記授与式を無事挙行することになりました。

学部卒業生の皆さん、大学院修了生の皆さん、誠におめでとうございます。教職員一同、皆さんの新たな「出発（たびだち）」を心より祝福いたします。

本来ならば式典の中で、直接お祝いの言葉を述べるべきところですが、まもなく社会人となる皆さんの安全を第一に考え、学部単位での学位記授与という変則的な形となりました。

卒業生・修了生の皆さんは、これからは九万人にのぼる神戸学院大学同窓生の仲間入りをされます。皆さんは、神戸学院大学で多くのことを学び、様々なチャレンジや経験を重ね、先生方や友人たちをはじめ、多くの人との出会いを通じてその能力を高めるとともに、人間的にも着実に成長してこられました。自らの成長を信じて、自信をもって社会に羽ばたいてください。

大学院を修了し、修士・博士の学位を授与された皆さんは、それぞれ修士論文、博士論文を完成させるという大きなハードルをクリアされました。そのことを自信にして、専門的な能力を社会の中で大いに活かしていってください。

このたび「学長賞」を受賞された皆さんにも、心からお祝いを申し上げます。この賞は、入学時からの学びの積み重ねによって顕著な成果を挙げた方々、課外活動や社会貢献活動などで社会から高く評価される成果を挙げた皆さんを表彰するもので、非常に価値の高い賞です。この受賞を、「誇り」と「自信」にしていただきたいと思います。

卒業生・修了生の皆さんがこれから飛び込んでいく二一世紀社会、令和の時代は、一〇年先、二〇年先を予測することが非常に難しく、不確実な時代に入っています。人口減少・少子高齢化やグローバル化の更なる進行、自然災害の頻発、人生一〇〇年時代、働き方改革、そしてＡＩやＩｏＴを始めとする新たな技術革新によるいわゆるSOCIETY 5.0時代の到来など、多様な変化が待ち受けています。さらには、新型コロナ感染拡大の影響の下、ニューノーマルな社会の在り方への対応も問われています。

卒業生・修了生の皆さんは、このような難しい時代をたくましく生き抜くとともに、自らが選んだそれぞれの道で、社会に貢献することが求められています。実社会の荒波の中でも、自分自身を信じて、結果を恐れずに、様々なことにチャレンジし、成長体験を積み重ねてほしいと願っています。
　
さて、皆さんが巣立っていく神戸学院大学は、一九六六年に建学の精神「真理愛好・個性尊重」を掲げて、創立されました。それから五六年を経て、複数のキャンパスに十学部・八つの大学院研究科、一万一千人を超える学生数を擁する、神戸市内で最大規模の文理融合型私立総合大学に発展しています。このたび、北京オリンピックで初のメダリストも誕生しました。
　
本学は、これからも、社会で活躍する同窓生の皆さんの姿に刺激を受けながら、「社会から必要とされる、存在価値の高い大学」を目指し、「学生が自らの成長を実感できる大学」であり続けることを基本として、進化していく所存です。　

新たな「出発（たびだち）」の日を迎えられた皆さんが、伝統ある神戸学院大学の同窓生であることに「誇り」を持ち続け、社会の様々な分野で個性を発揮しながら活躍されることを願っています。卒業生・修了生の皆さんは、本学にとって最高の宝であり、財産です。困ったとき、悩んだとき、あるいは気が向いた時にはぜひキャンパスを訪れてください。そして皆さん、今日からは同窓生として、母校である神戸学院大学を力強く応援してください。

ご卒業、課程修了、誠におめでとうございます。

二〇二二年三月吉日　　　　　　
神戸学院大学学長　佐藤雅美