ウクライナから来日した「インクルーシブ社会の実現」をめざす専門家が本学を訪問しました
2026/02/16
JICA(国際協力機構)の招きでウクライナから来日した「インクルーシブ社会の実現」をめざす専門家の5人が2月9日、同国との関係を深めている本学と在神戸ウクライナ名誉領事館並びに松口正記念ウクライナ研究センターを訪れました。
5人は、社会政策・家族・統一省のインナ・ソロドカ副大臣▽退役軍人省のルスラン・プリホドコ副大臣▽キーウ市国家管理局(キーウ市議会執行部)並びに経済・投資局のナタリア・メルニク局長▽地方・国土発展省建設技術規制部のハルヒン・ルベニアン主任専門官▽社会政策・家族・統一省バリアフリー社会発展政策部のテティアナ・ナリヴァイコ主任専門官です。
一行は2月3日に来日し、JICAや外務省を訪問し、東京都で進む社会問題解決に向けたスマートサービス実装事業についての説明を受けるなどのプログラムを通じて、多様な人材が活躍するインクルーシブな社会実現に向けた環境整備を進めるために日本の取り組みを視察してもらいました。
ポートアイランド第1キャンパスの障がい学生支援室では、障がい学生支援コーディネーターが資料を示しながら業務について説明しました。本学における支援対象学生数についての質問があり、コーディネーターは「2025年11月時点の登録学生数は教職員や家族からの相談も含めて233人ですが、障害者差別解消法が定める合理的配慮の提供を受けている学生は135人と全体の6割で、定期的な相談のみで学業を継続できている学生も多いです」と説明しました。主な支援としては座席の配慮など授業支援と定期的な面談・相談対応など授業以外の支援もあることを示しました。
この後、一行は備酒伸彦学長を表敬訪問し、プリホドコ副大臣がさまざまな分野での支援を必要とする祖国の現状を詳細に説明しました。備酒学長は厳しい状況を聞いた後で、戦争の終結と平和への期待を込めて「人には必ず再生があり、再び栄光があるはずです」と述べました。
名誉領事館に隣接する松口正記念ウクライナ研究センターで開かれた歓迎レセプションでは行政、経済界、JICAやウクライナを支援する議員や市民などが一堂に集いました。国歌「ウクライナは滅びず」を全員で斉唱した後、岡部芳彦名誉領事(国際交流センター所長)が歓迎のあいさつで、「持続可能な復興のためには多様な背景を持つ人材が必要であり、インクルーシブ社会の実現をめざす訪問団の研修には大きな意義があります」と述べました。
続いて司会の名誉領事館インターンで、大学院人間文化学研究科修士課程に在籍するアンナ・トライノさんが5人を紹介しました。
訪問団を代表してあいさつしたプリホドコ副大臣はまず、「体調に変わりはありませんか」と呼びかけ、「これはロシアとの戦争が11年間続いているウクライナでの軍人のあいさつです」と補足しました。プリホドコ副大臣は、「今もロシアによる空襲は続いています。130万人以上の退役軍人が戦場から地域に戻っており、社会復帰のためにも心身のリハビリが必要な状態にあります。しかし地方では十分な医療サービスが提供されず、専門家も足りていません」などと訴えると同時に、これまでの日本からの支援に感謝しました。
プリホドコ副大臣は最後に「私たちが皆さんと共有できることがたくさんあります。一つは無から何かを生み出すこと。二つ目は退役軍人としての経験です」と締めくくりました。
乾杯のあいさつは同センターの運営を資金面でサポートしている株式会社OSPホールディングスの松口正代表取締役社長が行い、「このセンターはアジア太平洋地域では初、世界でも5番目のウクライナ専門研究機関です。私たちは力による平和ではなく、理解による平和を実現したいものです」と呼びかけ、大きな拍手を浴びました。
