式辞
2026/09/19
猛暑が常態となる中にも、ようやく秋の気配が感じられる季節となりました。本日ここに、ご来賓の皆様のご列席の下、2026年度前期学位記授与式を挙行できますことは、本学関係者にとりましてこの上ない喜びでございます。皆様には厚く御礼を申し上げます。
本日、卒業の日を迎えられた学部卒業生・大学院修了生の皆さん、おめでとうございます。神戸学院大学を代表して、心よりお祝いを申し上げます。また、本日ご臨席賜りましたご家族ならびに関係者の皆様にはお祝いを申し上げるとともに、本日に至るまで学生たちを支え続けてくださったことに、深く感謝を申し上げます。
4年前を振り返れば、入学式こそ執り行われましたが、本来であればご家族とともに喜びを分かち合う晴れやかな門出も、厳戒態勢の中、制限されたものでした。新型コロナウイルス感染症による大きな混乱がなお社会に残る中での入学でしたが、同時に、社会が少しずつ日常を取り戻し始めた時期でもありました。皆さんは、感染症の影響を受けながらも、対面での交流や課外活動を回復させ、新しい学生生活を築いてこられた世代です。そして在学中には、生成AIをはじめとする新たな技術が急速に普及し、社会や働き方、学び方そのものが大きく変化する時代を経験されました。
振り返れば、この4年間は変化の連続だったのではないでしょうか。昨日まで当たり前だった知識や方法が、今日には当たり前でなくなる。そんな時代の中で、皆さんは学び続け、自ら考え、仲間と協力しながら今日の日を迎えられました。その努力に、心から敬意を表します。
この門出にあたり、皆さんに二つのことを申し上げたいと思います。
一つ目は、「正しい答えを持つ人よりも、問い続ける人であってほしい」ということです。皆さんが在学した4年間に、生成AIをはじめとする技術革新が急速に進みました。知識そのものは、これまで以上に容易に手に入る時代になったと言えるでしょう。しかし、そのような時代だからこそ、どのような問いを立て、どのような価値を社会に生み出すのかが重要になります。
ピーター・ドラッカーは、「未来を予測する最善の方法は、それを創ることである」と述べました。未来とは、誰かが用意してくれるものではありません。皆さん一人ひとりの挑戦や行動の積み重ねによって形づくられていくものです。変化を恐れるのではなく、自らその変化を生み出す側に立ってほしいと思います。
二つ目は、人生には予想もしなかった出会いや出来事によって開かれる道があるということです。
大学生活の中でも、そのような経験があったのではないでしょうか。偶然出会った友人、何気なく履修した授業、思い切って挑戦した活動。それらが皆さんの成長を支えたはずです。
どうか社会に出てからも、新しい出会いを恐れないでください。失敗を恐れないでください。自分の可能性を自分で狭めないでください。挑戦する人には、新しい風が吹きます。そして、その風は時に人生を思いもよらない方向へ導いてくれます。
本学の建学の精神である「真理愛好・個性尊重」は、まさにこれからの時代に必要な考え方です。真理を求め続ける謙虚さと、多様な個性を尊重する寛容さを忘れず、それぞれの立場から社会に貢献していただきたいと思います。
皆さんは本日から10万人を超える神戸学院大学同窓生の仲間入りをします。今日からは同窓生の一人として、神戸学院大学を応援してください。本学にとって同窓生はかけがえのない宝です。どうか母校とのつながりを大切にし、そして、いつかキャンパスを訪ねて皆さんの成長した姿を見せてください。
結びに、皆さんの前途に幸多からんことを心より祈念するとともに、皆さん一人ひとりがそれぞれの場で力強く歩まれ、社会の発展に貢献されることを期待し、式辞といたします。
2026年9月19日
神戸学院大学 学長事務取扱 春藤 久人
