神戸学院大学

東日本大震災等の被災地支援活動

東北ボランティアスタディツアー  報告書

              

1. 活動先

宮城県名取市、石巻市津波被災地 他

2. 派遣者

学生10人(一般公募学生7人、支援室学生スタッフ3名)、引率1名

3.目的

東北の復旧・復興を学ぶ学習プログラム

4.日程

2019年2月8日(金)~9日(土) 1泊2日

5.スケジュール・調査先

2月8日(金)

              
時間 内容備考
07:30 神戸空港集合、手土産購入 他
08:30 神戸空港発→マイクロバスで移動
11:00 復興まちづくり講話「ふるさと閖上への想い」
語り部:長沼俊之氏(名取市閖上地区有志の会代表/元愛島東部仮設住宅役員)
場所:尚絅学院大学4号館106号室
12:00 ランチタイム
長沼さん、尚絅学院大学生とランチ交流会
尚絅学院大学ボランティアセンター視察、バレンタインプレゼント渡す 他
14:30 地域支え合い報告会出席(名取市、名取市社会福祉協議会主催)
復興住宅を含む名取市4地区のまちづくり活動の事例報告
名取市サポートセンターどっとなとりさんにバレンタインプレゼントを託す
(復興住宅のサロンで被災者の皆様へお渡しいただきます)
場所:名取市文化会館 中ホール
16:30 名取市閖上地区視察 復興住宅、震災メモリアル公園 他
活動でお世話になった箱塚屋敷団地(仮設)の役員さんを訪問 他
18:00 宿泊施設到着
翌日の打合せ、夕食
【ちょっと早めのバレンタインプロジェクト】
本学学生がメッセージ付き神戸菓子の詰め合わせを30ケ用意して、現地に持参
復興住宅の皆様へ、ちょっと早めのバレンタインとして、お渡ししました。

2月9日(土)

時間 内容
08:30 宿泊所出発
電車で移動
08:45 杜せきのした駅
10:16 石巻駅着
11:00
  • 語り部さんの話を聴く@未来サポート石巻プログラム
  • 語り部:阿部任氏(津波9日間後、奇跡の生還を果たした。現在、石ノ森萬画館勤務)
  • 日本テレビ「スッキリ」取材を受ける(3.11特集番組)
  • 11:45 昼食
    12:45 沿岸部まちあるき@未来サポート石巻プログラム
    ガイドさんの案内で、石巻市沿岸部を歩いて視察
    14:00 日和山に登り、沿岸部を視察
    15:00 石巻市復興まちづくり情報交流館視察
    電車で移動 
    15:52 石巻駅 
    17:52 仙台空港駅 
    18:00 仙台空港到着
    事後研修(視察の成果の確認 他)
    19:35 仙台空港発
    21:10 神戸空港着、解散

    活動の様子

               
    復興まちづくり講話
               
    尚絅学院大生から活動報告を聞く
                
    神戸の菓子をプレゼント
               
    ちょっと早めのバレンタインプロジェクト」
    名取の被災者の皆様へ渡していただきます
    @みらいサポートで語り部さんの話を聞く
    TV番組「スッキリ」の取材を受ける
              
    名取市閖上地区視察
               
    石巻市沿岸部を歩いて視察
              
    石巻市日和山に登り沿岸部を視察
             
               
    石巻市復興まちづくり情報交流館視察
           

    長沼さんの講和から

    • 発災から8年が経過する。当時の被災体験を話ても実感できない、理解してもらえない。あの時の寒さ、匂いがないと伝わらないと思う。
    • 発災直後は、着るものがなくちぐはぐの靴、子どもの服を着ている大人など、それが当たり前だった。今はどこにもそのような風景はない。
    • 仮設住宅での6年半の生活は簡単に言葉にならない。仮設で亡くなった方もいた。
    • 仮設3年目に、学生ボランティアから「これから何をしていけばよいのか」と聞かれたことを思い出す。「来てもらえるだけでいい、卒業してからも思いを馳せてもらえれば」と回答した。
    • ボランティアには、住民の関係を解してもらったと思う。
    • 私は2017年7月に仮設住宅を出て、閖上地区の復興住宅(第二地区)に移った。新しい生活への期待よりも、不安の方が大きい。
    • 復興住宅は高齢者が多い、生活不安からのストレスで体調を崩す方もおられる。
    • 仮設での生活が長かったこともあり、復興住宅に移っても仮設毎に集まる傾向がある。仮設住宅のコミュニティのあり方を考えるべきだと思う。
    • 住民による自治が必要で、まずは有志の会を作った。私が代表をしている。1年になる。有志の会は、役員5人、登録者18人で、実働は約12人である。
    • 2018年10月に集会所ができた。名取市の補助金をもらって、10回にわたり茶話会を実施してきた。毎回大勢の住人が参加される。
    • 2018年12月に鍵の引き渡しのあった集合団地があり、新しい住人が増えた。
    • 今月(2019年2月)に、自治会開設に向けての会合をもった。有志の会からこれまでの活動を報告した。3月には自治会を立ち上げたい。
    • 有志の会から、きちんとした自治会組織を立ち上げ、自治会費を集めるなど、本格的な活動を実施していく必要がある。集会所の水道光熱費、維持費も、今は市が負担しているが、期限が決まっている。
    • 私が生まれ育った街にはならないかもしれない。昔の暮らしを知っている人は少なくなってきている。私は迷いなく閖上に戻りたいと考えていた。
    • 助け合うことが特別なことでなく、あたりまえのことにしたい。
    • 新しい街をつくるには住民皆の力が必要であり、行政には手が届かない見えない支援が必要だ。ボランティアの応援をお願いしたい。
    • 仮設住宅は「あと何年」という期限付きの生活だったが、これからは死ぬまでここで生活する。孫たちに、じいちゃんがここに家を建ててくれてよかったと言ってもらいたい。

    学生の気づき、学び

    • 知らないことばかりだったが、語り部から来てもらえるだけでもいいと言ってもらった。励まされた。
    • 高校生のころに来たことがあったので、今回で二回目だった。思っている以上にみなさんの復興への思いが強く刺激を受けた。ここで学んだことを神戸で伝えていきたい。
    • 被災者を一括りにしてはいけないと学んだ。ひとりひとり考えが違う。一方で、住民同士のつながりが強いと感じた。
    • 津波被害の壮絶さを学んだ。実際にここに来ないと実感できないことだ。
    • 救援物資を送るなどがボランティアのイメージだったが、コミュニティをつくること、ケアをすることなど、ボランティアに期待される役割を知った。
    • 夏からの延期となったが、みんなに参加してもらえて嬉しい。今回をきっかけに、次からは自主的に東北に足を運んでほしい。

    以上