神戸学院大学

被災地支援活動

令和6年能登半島地震 被災地支援学生ボランティア 第12クール

日時 2026年6月26日(金)~28日(日)2泊3日
場所 石川県穴水町、能登町
主催 神戸学院大学 災害支援対策本部会議
協力 (株)ぶなの森、神戸学院大学教育後援会、神戸学院大学同窓会
参加者 学生10人、引率2人 計12人
学生所属:経済学部3人、経営学部1人、人文学部1人、心理学部1人、現代社会学部1人、薬学部2人
引率所属:学生支援グループ(ボランティア活動支援室)2人
交通 大阪駅~金沢駅 JR特急&北陸新幹線、現地はマイクロバスで移動
宿泊先 6/26・27(2泊)
金沢マンテンホテル駅前、セミナーハウス山びこ

行程

6月26日(金)

時間 内容
18:20 JR大阪駅集合
20:30 大阪駅発 サンダーバード43号(18:42出発が大雨で大幅遅れ)
22:00 敦賀駅着
22:10 敦賀駅発 北陸新幹線つるぎ48号(44号から変更)
23:11 金沢駅着
宿泊施設へ移動
23:30 金沢マンテンホテル駅前

6月27日(土)

時間 内容
08:00 マイクロバスで出発
10:00 【集合】穴水駅前
【活動①】被災店舗の取材
泉花月堂/穴水町商工会女性部/お菓子工房Hanon
12:00 昼食 能登七見健康福祉の郷「なごみ」
13:00 【活動②】海岸クリーンアップ(能登町七見)
活動リーダー 赤坂さん
(活動内容) 清掃活動:海岸を、健康づくりプログラムの場として活用予定
16:00 活動終了、後片付け
夕食、翌日朝食の買い出し
・どんたく宇出津店(能登町宇出津新港2丁目7)
17:30 宿泊 セミナーハウス山びこ

6月28日(水)

時間 内容
08:30 宿舎出発
09:00 【活動③】ケロンの小さな村 森の整備活動ほか
(活動内容)
林道の先に生えているササ類、低木、カヤなどの除伐。下の林道から上の林道をつなぐ細い緩やかな道を歩きやすくして、ガイドツアーのルートとして活用
12:00 昼食休憩
13:00 道の駅桜峠(物産調査)
14:00 なかじま猿田彦温泉いやしの湯
15:00 出発
16:30 金沢駅到着
18:50 金沢駅発 北陸新幹線つるぎ43号
19:32 敦賀駅着
19:44 敦賀発 サンダーバード44
21:09 大阪駅着 解散

活動の様子

6/27(土)【活動①】穴水町 商店街視察

午前は穴水町の商店街の街並みを視察しました。
仮設商店街「あなみずスマイルマルシェ」などで営業再開が進み、にぎわいを取り戻す歩みが進んでいる一方、経営者の高齢化や後継者不足から、震災を機に商売に区切りを打たれた店舗も多く見受けられました。
現地では、地元の伝統的な縁起物である「なあげそうけ」を広める活動を行っている「穴水町商工会女性部」の皆さまからお話を伺いました。また、洋菓子店の「Hanon(ハノン)」や「河合薬局」などを訪問し、現地の状況を伺いました。
穴水町商工会女性部の部長さんから穴水町の民話を聞いた
穴水町に伝わる民話「なあげそうけ」
建物の模型で地震による家屋被害の説明
穴水は地盤が弱い。護岸がずれ家屋が傾いた
災害時に命を救う「薬の情報」について説明
物産展でも繋がりのあるHanonさんを訪問

6/27(土)【活動②】海岸クリーンアップ(能登町七見)

午後は、七見の海岸で清掃活動を行いました。昨年度実施した第8クールの「ホタルウォーキング」、第10クールの「ハロウィンウォーク」でご縁のあった赤坂さんの、「今後この海岸を、健康づくりプログラムの場として活用していきたい」という思いを受け、その準備をお手伝いする形で清掃を行いました。
海岸清掃の様子
流されてきた大量のゴミが堆積していた
広い海岸を手分けしてできる限り綺麗に
集めたゴミは行政へ回収を依頼します
活動リーダーの赤坂さんの実家
港の集落を歩く

6/28(日)【活動③】ケロンの小さな村で、森の道整備

本学学生がケロンで活動するのは今回で4回目となる。9時に到着、最初にご結婚された二代目村長へのお祝い色紙と品物を奥様の由妃乃さんにお渡ししました。その後、ぶなの森高峰さんから活動内容の説明を受け、ご用意いただいた道具を持ち、水源の森へ。歩く道を広げる作業を二手に分かれて行いました。
一方は上の林道につながる歩道に生えている木や草を、一方は林道を先に進めるように木やササ類を除伐。
お世話になった学生からの感謝とお祝いのメッセージ
慣れない工具で道を塞ぐ倒木を切断
作業の様子
活動後の集合写真、ケロンのポーズで
アットホームな道の駅「桜峠」で特産品の調査
仮設トイレにはエアコンや鏡が設置されている

    参加学生の学び、気づき *事後アンケートから一部抜粋

  • 穴水では過疎により跡継ぎがいないことと地震が原因で廃業されている店がとても多くあり、この地域で働きたいと思っている人をとても願望されていた。商店街で運営していた40店舗は、現在3、4店舗なり、町の賑わいがなくなっていて寂しい。
  • 能登半島は2007年にも大きな地震があり、その時に被害があり、立て替えた建物は2024年地震を耐えているところが多いことを知った。
  • 穴水町で薬局のご主人にお話を伺う機会を得た。私は薬学部生なので、将来必ず起こる震災の際、1人の薬剤師として、どういうことができるのかを知るきっかけとなった。お薬手帳の重要性を教えていただいた。避難所などでお薬手帳を持参していた人は、災害派遣医療チームから薬をスムーズに処方してもらえた。「お薬手帳」は命を守る、重要な物だと痛感した。また、電子のお薬手帳は通信回線が繋がらなくて役に立たない場合がある。スマホで写真を撮っておくことをお勧めするとのことです。
  • 「全壊」と判定され解体を迫られたが、神戸からのボランティア団体に建物をそのままに修復してもらったことを聞いた。大手の業者が営業に来たが、「解体→建て直し」でないと応じてくれなかったとのこと。
  • 穴水町の被災店舗を訪問した際、地元の方から地域に伝わる「なあげそうけ」という昔話を伺った。鎌倉時代、竹ざるを使って菜っ葉を洗っていたおばあさんに、お殿様が「それは何か」と尋ねると「菜上げそうけ」と答え、領主が「名上げ宗家か、縁起がいい」と勘違いしたことから始まる話で、穴水町ではこれにちなんだ手編みのストラップや地元味噌を使ったせんべいなどを販売していた。
  • 海岸清掃で限られた時間の中では思うようにできなかった。今回の悔しさから、次回はメンバー間でコミュニケーションを取り、役割分担など動き方を工夫して、効率的に作業を進められるようになりたい。
  • ボランティアは、「支援をする側」だけではなく、自分自身が多くの学びや気づきを得る「支援を受ける側」でもあったことに気付くことができた。さらに、ボランティアは特別な人だけが行うものではなく、一人一人の小さな行動や思いやりが被災地の力になることを学んだ。この経験は、社会福祉を学び、将来支援職を目指すうえでの大きな財産になったと感じている。
  • 被災地では、その時々で必要とされる支援が異なり、自分がやりたいことではなく、現地のニーズに合わせて行動することの難しさを感じた。また、限られた時間や人数の中で活動を行うため、自分の力では思うように役に立てない場面もあり、無力さを感じることもあった。
  • ケロンの小さな村でぶなの森の高峰さんから、桑の実、アケビ、和紙の原材料の木など、能登半島の植生の豊かさについて教えていただいた。特にブナは、標高400〜500mの宝達山や宝立山などの山頂付近に貴重なブナ林が点在している。かつては広範囲に分布していたが、現在では数少ない貴重な原生林となっていることを知った。
  • ケロンの森について、今回の活動で自然体験施設の山道を整備し、無事に道を開通させることができたが、この道は自分たちだけの力で繋がったわけではなく、これまで何度も他のボランティアの方々が関わり、思いを繋いできてくれたからこそ、今日の開通があるのだと知った。遠く離れていても同じ志を持つ人たちがこんなにもいるのだと実感でき嬉しかった。
  • 現地の方のお話を聞いて、被災者と被災していない人とに大きな壁があると実感しました。そこで地震や災害の風化を防ぐためにも、被災地応援プログラムやSNSの発信などに取り組み、被災者と被災していない人との架け橋になりたいと感じました。
  • 私が考える復興は、能登を離れてしまった人たちが「ただいま」といって帰ってこられる場所にすることだと思った。現地の方も、昔のようなにぎわいを待ち望んでいたり、観光や仕事として能登半島に足を運んでほしかったりという声を生で聞きました。

    引率者所感

    現地の「今」と向き合う、貴重な機会となりました。能登に関する報道が少なくなる中、「離れた場所からでは分からない現状がある」と、学生も気づかされたようです。震災によって過疎化や後継者不足といった地域課題が加速し、寂しさが増した商店街の様子を肌で感じる一方で、ボランティアの手で修復された店舗や、住民の方々の未来への強い想いも、現地で直接目の当たりにしました。
    また、今回は薬学部の学生も参加しました。現地の薬局で伺ったお話は、震災時に「一人の薬剤師として何ができるか」を考えるきっかけとなり、将来を見据えた有意義な学びの時間となりました。
    そして、現地の方々との温かい関わりは、学生の「ボランティア観」を大きく変化させたようです。単に「支援を提供する側」としてではなく、自らも多くの気づきを「受け取る側」であると学んだ学生が数多く見受けられました。
    今後は、商工会女性部への取材を通して得た伝統の「なあげそうけ」の物語など、現地の魅力を風化させないための発信が求められます。学生たちが預かってきた住民の「生の声」や復興商品を、学内や地域の「物産展」などで広く伝える具体的な方法について、彼らと共に考えていきたいと思います。