神戸学院大学

共通教育センター

土曜公開講座「プレーヤーズ・センタードなスポーツコーチング」を開催しました

2025/10/20

講義する西脇教授
講義する西脇教授
講義を聴く受講者
講義を聴く受講者

秋季第3回目となる共通教育センターの西脇満教授による土曜公開講座「プレーヤーズ・センタードなスポーツコーチング」を10月4日にポートアイランド第1キャンパスにて開催し、39人が受講しました。

土曜公開講座は今秋で第90回目の開催となり、「私たちのくらしと文化」という統一テーマに基づき、各研究分野の教員が全6回の講義を行っています。

はじめに西脇教授は、近年注目を集めるスポーツ指導現場での暴力やパワーハラスメントなどの問題を取り上げ、「これまで日本のスポーツ界では、結果を重視するあまり選手への指導が一方的になりがちであった」と指摘し、「指導者中心」から「選手中心」への転換が求められていると述べました。

続いて、スポーツ基本法や「スポーツ宣言日本」にも触れ、「スポーツは人権の尊重のもとに行われるべきもの」であると解説。暴力やパワーハラスメントを排し、選手の意思を尊重する環境づくりが求められていると述べました。さらに、西脇教授は「アスリートや一般市民に関わらず、スポーツは本来楽しむためのものです。スポーツをすることで健康になる、仲間ができるなど、その価値は計り知れません」と話しました。

後半では、本講座のテーマである「プレーヤーズ・センタード」という考え方について解説しました。これは、指導者が選手を一方的に教え込むのではなく、選手が主体的に考え、判断し、学ぶことを重視するアプローチです。教授は指導者の在り方として、選手自身が課題に気付くことが重要で、指導者はその環境を作る必要があると強調し、選手の自立を支援するコーチングや、成長を妨げる指導者の行動について、実際のスポーツ指導の例を挙げながら分かりやすく解説しました。特に選手の自立を支援するコーチングとして、選手にプレーの選択肢を与えることで判断力を養うことや、課題についての根拠を提示することで選手に納得感を与えることなどを挙げました。

参加者らは「プレーヤーズ・センタードの重要性について、西脇先生の体験や実例紹介からよく理解することができました」「自分がコーチングする上で、さまざまな研修を受けていますが、自身の行動を振り返ることができ、今後に生かすことができると思いました」といった感想を寄せました。

次回は、11月8日に心理学部の土井晶子教授による「こころの余白を取り戻す-毎日を軽やかに生きるために-」を開催します。