神戸学院大学

共通教育センター

スポーツサイエンス・ユニット活性化プログラムで、株式会社姫路ヴィクトリーナの上原光徳代表取締役社長を招いた講演会を開催しました

2025/11/12

講演をする上原代表取締役社長
講演をする上原代表取締役社長
講演を聴く学生ら
講演を聴く学生ら
司会を務める川内さん
司会を務める川内さん

スポーツサイエンス・ユニット活性化プログラムとして、11月11日に株式会社姫路ヴィクトリーナの上原光徳代表取締役社長を講師に迎え、「ヴィクトリーナ姫路 2025経営戦略」と題した特別講義を有瀬キャンパスで開催しました。講義では日本のスポーツ産業の現状やプロ化の課題、そしてヴィクトリーナ姫路の挑戦について話し、学生や教職員合わせて約50人が受講しました。

まず、「する」「みる」スポーツそれぞれの現状を紹介し、日本では実業団中心の歴史が長く、企業スポーツ→学校体育→地域スポーツという流れで発展してきたため、プロ化が欧米に比べて遅れていると指摘しました。また、アメリカのNBAやNFL、ドイツのクラブチームなどを例に挙げ、海外では「スポーツ=地域貢献・社会価値の創出」という考え方が根づいていると、日本との大きな違いを紹介しました。

次に、「スポーツの産業化」に向けた国の方針に触れ、アリーナ整備やIT活用、街づくりとの連携など、スポーツを通じた新たな経済循環の重要性を解説しました。学生に向けては「スポーツ×〇〇」という発想で、自分のやりたいことを掛け合わせることで、将来の可能性が広がるとアドバイスしました。

講演の後半では、ヴィクトリーナ姫路の歩みと経営戦略について紹介しました。創設から10年を迎える同チームは、女子バレー界初のプロチームとして「地域・子ども・スポンサー・ファンとともにあるチーム」ということを大切にし、地域密着型の経営を展開しています。「強いチームづくりと観客で満席になる会場、この2つが揃って初めてブランドが確立する」と語り、SNS活用や女性・ファミリー層を意識したマーケティング、姫路スーパーアリーナ建設構想など、将来を見据えた具体的な戦略についても話しました。

さらに、フロントスタッフの働き方にも言及し、「やりたいことより、まずは100%やりきる姿勢を大切に。相手をリスペクトし、全員で成長するチームワークこそが強み」と強調しました。AIを活用した企画書作成など新しい挑戦も進めながら、2025年のテーマとして“自立”を掲げ、総合力の高い組織づくりを進めていると述べました。

そして最後に学生へ向けて、「なりたい姿から逆算して、今すべきことを考えて行動してほしい」とメッセージを送りました。

多くの学生が、スポーツを通じて地域に感動を届け、社会に新たな価値を生み出す上原代表取締役社長の言葉に、深く共感する講演となりました。

司会を務めたスポーツサイエンス・ユニット上谷聡子准教授のゼミ生、川内蒼大さん(法学部2年次生)の感想
日本国内では、地域密着型のスポーツが近年増えてきているけれど、アメリカや欧州でもすでに行われていて、選手・球団・地域が非常に深い関係になっていることを学ぶことができました。また、ヴィクトリーナ姫路について、知らないことばかりだったけれど、チームを経営するにあたって、力を尽くさないと良い方向には向かないし、「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」があるからこそ、チームもフロントもやるべきことが明確になっているのだと理解できました。