大学院薬学研究科の水谷特命教授・栄養学部の田村講師らの研究プロジェクトが新産業創造研究機構「成長産業育成のための研究開発支援事業 (成長産業育成コンソーシアム発研究)」に新規採択されました
2026/07/17
公益財団法人 新産業創造研究機構「成長産業育成のための研究開発支援事業(成長産業育成コンソーシアム発研究)」の令和8年度採択課題が6月26日に発表され、大学院薬学研究科の水谷健一特命教授・栄養学部の田村行識講師らが提案した『生体模倣型の筋肉オルガノイド病態モデル・ヒト化モデルの確立と、抗老化材料の開発』が採択されました。
共同研究チームはこれまで、マウス筋芽細胞(注1)を用いた三次元培養筋=骨格筋(注2)オルガノイド(注3)=の培養技術を確立しています。本研究では、薬剤や化粧品の機能評価に広く活用可能な「生体模倣性の高い動物実験代替法を確立」するために、生体筋へさらに近付けた培養法の確立や、病態環境を高度に反映させたモデル実験系の確立を目指しています。
また共同研究チームは、筋量・筋力の低下と密接な関連性が指摘されている抗老化物質NAD=ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(注4)=に着目し、細胞内へ送達する技術を既に確立していますが、その安定性や有効性は未だ十分に検証されていません。そこで本プロジェクトでは、生体筋を模倣した三次元培養筋病態モデル実験系を構築すると共に、NADの安定性や機能性を実証することで、筋肉の老化病態を評価できるアニマルフリー受託事業や、機能を安定的に発揮するNADを応用した化粧品・機能性食品開発の実用化・社会実装を目指しています。
今回採択された課題には、本学大学院薬学研究科の水谷健一 特命教授、本学栄養学部の田村行識 講師に加え、大阪工業大学 工学部(中村友浩 教授、横山奨 准教授)、オーチャード・バイオ株式会社(植松哲生 研究開発部長兼代表取締役)、日本精化株式会社(黒崎寿夫 リピッド事業本部リピッド研究開発部副本部長)が参画し、共同研究が実施されます。
【用語解説】
(注1)筋芽細胞:筋線維の由来となる前駆細胞で、この細胞が分化して融合したものが筋線維である。
(注2) 骨格筋:自分の意思で動かす運動や姿勢維持に関わる筋肉で、多数の筋線維が束になった構造を持つ。
(注3) オルガノイド:試験管内などの生体外で幹細胞や前駆細胞を培養し、三次元的に作成した組織のこと。
(注4)NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド):ミトコンドリアにおけるエネルギー産生反応を補助する因子の1つであり、組織におけるNAD量は加齢とともに低下し、加齢に関連する様々な疾患の発症・進展に重要な役割を担うと考えられている。
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