常設展示のご案内

未来の暮らしをソウゾウする神戸学院大学 安全・安心‐暮らしと健康‐

本学は、創設者であり初代学長の森茂樹博士が、「将来、予防医療が重視される時代となり、栄養学がその大きな役割を担っていくこと」を強く認識し、日本初の男女共学の栄養学部を設置し開学した大学です。それは、人のくらしを考えるのに「健康、そして暮らしにおける安全と安心」が大切だからだと考えたからです。時代の流れと共に受け継がれ、9 番目の学部が開設された今でも息づく本学のひとつのテーマでもあります。

今回、ナレッジキャピタル The Lab.に、神戸の大学として参加するにあたり、神戸学院大学のテーマの1 つである、「安全・安心」そして「暮らしと健康」をコンセプトに2つの体験型の展示を実施いたします。

2017年度の開催内容
未来の暮らしをソウゾウする 神戸学院大学 安全・安心-暮らしと健康-

安全・安心 ~暮らし~ 防災の気づきを学ぶ

阪神淡路大震災から22年。震災をきっかけにつくられた学際教育機構 防災・社会貢献ユニットで培ったノウハウを継承・発展させた新たな学科として社会防災学科を2014年4月に開設しました。
その社会防災学科を中心に、神戸から「防災の気づき」を関西の中心都市である大阪で発信します!

展示期間:2017年11月17日(金)~2018年1月21日(日)
『耐震補強前・後の建屋振動模型と免震構造模型』⁄ 現代社会学部 社会防災学科 准教授 中山 学

日本は、災害大国と言われています。
特に、最近は地球の温暖化等の影響を受けて、豪雨による災害、例えば 土砂災害、河川洪水(外水氾濫)や内水氾濫が頻発しています。
以前であれば、1時間100mmの降水量はあまり経験しませんでしたが、都市域ではゲリラ豪雨と呼ばれる大雨(例えば、15分間に30mmの降水量)も珍しくなくなってきました。
都市に住んでいる私達は、水害の危険性と隣り合わせで生活しています。

一方、「地震予知は出来ない」という政府見解が発表されましたので、気象庁からの情報を十分に理解して、即座の行動に移すことが「自助(自分の命は自分で守る)」に繋がるでしょう。
2011年東北地方太平洋沖地震が発生以降、次の巨大地震(首都直下地震および南海トラフ巨大地震)に対して、如何に備えるかが議論されています。特に、南海トラフ巨大地震では、2003年に中央防災会議から発表された想定地震規模から震源域面積が約2倍であるマグニチュード9.1 の地震という「想定外」の津波と揺れに備える必要があります。
今までは、「高い津波」に対して、如何に備えるかという点が重視されていましたが、想定震源域が従来より陸域に寄ったので、「津波」だけでなく「地震動」にも十分注意せねばなりません。

2015年度「都市域の水害、特に 地下空間内の災害」

本学では、ナレッジキャピタルにおいて、2014年度は「ローラ免震」、2015年度は「都市域の水害、特に 地下空間内の災害」、2016年度は「津波災害」についての模型展示を実施してまいりました。
そこで、本年度は「地震動に対して構造物がどの様に挙動するか」、「耐震補強を実施すれば、どの程度ゆれを抑えることが出来るか」をご自身で模型を操作することによって実感して頂きたい。
さらに、免震構造とすれば、地中を伝わってくる地震動による揺れの特性によって、その効果が劇的に発揮出来ることを感じ取って頂けるよう準備致しました。

免震構造模型

耐震補強前・後の建屋振動模型

また、2016年の熊本地震では、2度の震度7の揺れによって、1981年に制定された「新耐震設計法」に準拠した多くの木造建物に大きな被害が発生しました。
何故、このような事象が発生したかについても、準備しました「地盤と構造物模型」によって、地盤特性が構造物に与える影響をつぶさに感じ取って頂ければ幸いです。
御来場をお待ちしております。

展示期間:一期 2017年11月17日(金)~12月16日(土)、二期 2017年12月17日(日)~2018年1月21日(日)
『防災クイズ』 ⁄ 現代社会学部 社会防災学科 教授 前林 清和

神戸学院大学は、阪神・淡路大震災の震源地に最も近い総合大学として、9年前に学際教育機構「防災・社会貢献ユニット」を立ち上げ、防災や社会貢献の専門家を育ててきました。その実績をもとに2014年4月全国で唯一、防災を体系的に学ぶ社会防災学科を新設。災害に強く人にやさしい温かみのある安全な社会づくりに貢献できる人材を育成しています。学生を主体としたアクティブラーニングを特徴とし、防災の専門的知識、それらを社会に役立てるための考え方や技能を学び身につけた人材を社会に排出しています。また、防災に関する最先端の研究や防災教育、防災教材などの開発を進めており、これから起こる災害時の被害を少なくするために活動しています。
ところで、わが国は、災害大国と言われるように、地震や津波、火山噴火、台風、風水害、土砂災害、豪雪、竜巻など様々な災害が多発しています。これらの災害から命を守り、救うために最も大切なことは、防災学習を通じて市民ひとりひとりの防災力をアップさせることです。

今回の展示では、子どもたちが、気軽に楽しく防災を学ぶことができる教材、デジタル防災クイズを展示しています。ぜひ、家族みんなで会場に来ていただき、見るだけでなくクイズを解いたり、模型を揺らしたりしながら、防災の知識を身につけてください。災害は、忘れたころにやってくるのではなく、いつもやってきます。防災を身近なものにすることが命を守ることにつながります。

安全・安心 ~健康~ 健康の大切さを学ぶ

開学当時は、栄養学部のみでしたが、現在では、薬学部、総合リハビリテーション学部と3つの専門性から「健康」を支える学びと研究を行っています。今回は、栄養学部と総合リハビリテーション学部のコンテンツを通して「健康の大切さ」を神戸学院大学から発信します!

展示期間:二期 2017年12月17日(日)~2018年1月21日(日)
『ローリングストックで備える災害時の食事』⁄ 栄養学部 助教 伊藤 智

みなさんは、災害に備えて食料を備蓄していますか?
阪神淡路大震災、東日本大震災など、大きな災害を経験している日本人でも、食料を備蓄している家庭の割合は47.4%と半数に満たない現状です。これは「災害は起きない」「備蓄しても無駄になってしまう」「非常食はおいしくない」などの思い込みが原因だと思われます。
そもそも、なぜ食料の備蓄が必要なのでしょうか。災害時はライフラインが寸断され、水や電気、ガスの供給が止まってしまい、いつも使用している台所で調理できなくなってしまいます。また自治体などでは、地域の住民全員に行き渡る量を備蓄しておらず、道路が閉鎖されてしまった場合、食料を輸送する手段が無くなってしまいます。
災害はいつ発生するか、分かりません。
神戸学院大学では、備蓄率向上を目指し、昨年度から食材を使いながら(ローリング)、備蓄する(ストック)する「ローリングストック法」を紹介しています。定期的に使うことを前提としていますので、保存期間は半年程度で済みます。そのため、保存する食品の幅が広がり、自分好みでおいしい食品を備蓄することや、高血圧や糖尿病など持病がある人やアレルギー体質の人も安心して食べられる食品を備蓄しやすくなります。

また災害時こそ、普段食べている食事が望まれます。ポリ袋調理は一度に複数の味付けのメニューを調理でき、洗い物も少なくすることができる点から、災害時に適した調理法だと考えられます。今回は栄養学部の学生が、ローリングストックできる食材を使って、災害時に摂取不足となるたんぱく質や食物繊維、摂取過剰となる塩分などに配慮して、平常時にも被災時にもおいしくポリ袋調理できるレシピを考案しました。
ぜひ展示をご覧いただき、ご家庭の備蓄品について、被災した際に家族が生活するうえで問題ないか、備蓄量は不足していないかなどを見直すとともに、ローリングストック法を活用して家族一人ひとりに適した備えを実践してください。

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