常設展示のご案内

未来の暮らしをソウゾウする神戸学院大学 安全・安心‐暮らしと健康‐

本学は、創設者であり初代学長の森茂樹博士が、「将来、予防医療が重視される時代となり、栄養学がその大きな役割を担っていくこと」を強く認識し、日本初の男女共学の栄養学部を設置し開学した大学です。それは、人のくらしを考えるのに「健康、そして暮らしにおける安全と安心」が大切だからだと考えたからです。時代の流れと共に受け継がれ、10 番目の学部が開設された今でも息づく本学のひとつのテーマでもあります。

今回、ナレッジキャピタル The Lab.に、神戸の大学として参加するにあたり、神戸学院大学のテーマの1 つである、「安全・安心」そして「暮らしと健康」をコンセプトに2つの体験型の展示を実施いたします。

2018年度の開催内容
未来の暮らしをソウゾウする 神戸学院大学 安全・安心-暮らしと健康-

安全・安心 ~暮らし~ 防災の気づきを学ぶ

阪神淡路大震災から24年。震災をきっかけにつくられた学際教育機構 防災・社会貢献ユニットで培ったノウハウを継承・発展させた新たな学科として社会防災学科を2014年4月に開設しました。
その社会防災学科を中心に、神戸から「防災の気づき」を関西の中心都市である大阪で発信します!

展示期間:二期 2018年12月18日(火)~2019年1月21日(月)
『耐震補強前・後の建屋振動模型と免震構造模型』
『表層地盤厚の差異による地震動体験模型』⁄ 現代社会学部 社会防災学科 准教授 中山 学


近年、気象の極端化が懸念されていました。2018年に入り、残念ながら懸念したとおり多発しています。すなわち、7月の「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」、9月の「台風第21号」。さらに、活断層に起因する6月の「大阪府北部の地震」、そして9月の「平成30年北海道胆振東部地震」と続きました。 昔から天変地異と言われるように、多くにの自然災害に遭遇してきました。戦後の関西でも、1961(昭和36)年の第二室戸台風、1995(平成7)年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)など、多くの尊い人命が失われています。 また、来るべき南海トラフ巨大地震に対してどのように事前対策をすべきでしょうか? 内閣府の中央防災会議では、2003年に発表した地震規模(大きさ)はM8.5でした。しかし、2011年にMw9.0の東北地方南部地震(東日本大震災)が発生したので、想定地震規模を大きくする必要から、現在ではMw9.1の地震が発生する予想の下に被害想定がなされています。 ここで、気を付けなければならないのは、M8.5からMw9.1と規模を大きくしたので、想定震源域の面積が約2倍となり、しかも我々が住む陸域に近づきました。その結果、大阪付近であれば、最大想定地震動は震度5強(大阪北部の地震級)から震度6強(兵庫県南部地震級)となっています。 したがって、地震対策では、従来の津波対策に加えて、地震動対策も重要な項目となっています。

そこで、今回の展示では今までの地震被害から得るべき知見を踏まえ、地震動による建物の揺れに着目して「耐震」「免震」(写真-1、写真-2)の模型をご用意しました。「防災の気づき」(模型による対策効果)を体感してください。 また、地中深部における岩盤の割れによって発生した地震波が地盤の中を伝わり、我々が住んでいる地表付近で発生する地震動により、構造物(建物など)が揺れる状況を御覧頂けるような模型(写真-3)をご用意致しました。とくに、地表付近に堆積している軟らかい地盤の層の厚さによる構造物の揺れの違いを御覧ください。

是非ご来場頂き、模型により地震動による構造物の揺れを体感して頂ければ幸いです。

写真-1
<写真-1 耐震補強前・後の建屋振動模型>
写真-2
<写真-2 免震構造模型>
写真-3
<写真-3 表層地盤厚の差異による地震動体験模型>

展示期間:一期 2018年7月25日(水)~2018年8月20日(月)
『都市型水害 体験装置』⁄ 現代社会学部 社会防災学科 准教授 中山 学

我々の周りでは、気象の極端化が指摘されています。
平成26年8月豪雨、平成29年7月九州北部豪雨、平成30年7月豪雨など大量の降雨によって、尊い人命が失われ、大きな経済的損失が生じました。

倉敷市真備町の様子(外水氾濫)

福岡市博多駅(内水氾濫)

我々の記憶にも新しい「平成30年7月豪雨」では、死者・行方不明229名(7月22日現在)を数え、「線状降水帯」による広範囲大量の雨で河川の増水や堤防が決壊することも発生しています(外水氾濫)。
右写真:(於:倉敷市真備町)

また、海水温度の上昇や都市のヒートアイランド現象によって、以前では想像できない程の雨量が短時間で降るようになってきました。「ゲリラ豪雨」とも呼ばれています。そのために、現在の下水道施設では、十分処理できない降雨によって都市部で大きな被害が発生しています(内水氾濫)。
右写真:平成15年7月の被害(於:福岡市博多駅)

今回の豪雨では、気象庁よる「特別警報(数十年に一度の大雨となるおそれが大きい場合発表される)」が報道されても、避難行動が遅れた状況が多かったようです。 このような、「外水氾濫」や「内水氾濫」の様子がわかる装置(ジオラマ)をご用意しました。是非、ご来場頂き、洪水によってどのようなメカニズムで災害となり、人の命まで失う懸念が都市域(特に、地下鉄や地下街などの地下空間)に潜むかをその目で感じ取って下さい。

地下空間への流入状況

都市域を模倣したジオラマ

また、「防災」を学ぶ2回生の学生たちが「平成30年7月豪雨」に対する自分たちの意見を発表する企画を組んでおります。彼らの考えに耳を傾けて頂ければ、幸いです。

展示期間:一期 2018年7月25日(水)~2018年8月20日(月)、二期 2018年12月18日(火)~2019年1月21日(月)
『防災クイズ』 ⁄ 現代社会学部 社会防災学科 教授 前林 清和

神戸学院大学は、阪神・淡路大震災の震源地に最も近い総合大学として、9年前に学際教育機構「防災・社会貢献ユニット」を立ち上げ、防災や社会貢献の専門家を育ててきました。その実績をもとに2014年4月全国で唯一、防災を体系的に学ぶ社会防災学科を新設。災害に強く人にやさしい温かみのある安全な社会づくりに貢献できる人材を育成しています。学生を主体としたアクティブラーニングを特徴とし、防災の専門的知識、それらを社会に役立てるための考え方や技能を学び身につけた人材を社会に排出しています。また、防災に関する最先端の研究や防災教育、防災教材などの開発を進めており、これから起こる災害時の被害を少なくするために活動しています。
ところで、わが国は、災害大国と言われるように、地震や津波、火山噴火、台風、風水害、土砂災害、豪雪、竜巻など様々な災害が多発しています。これらの災害から命を守り、救うために最も大切なことは、防災学習を通じて市民ひとりひとりの防災力をアップさせることです。

今回の展示では、子どもたちが、気軽に楽しく防災を学ぶことができる教材、デジタル防災クイズを展示しています。ぜひ、家族みんなで会場に来ていただき、見るだけでなくクイズを解いたり、模型を揺らしたりしながら、防災の知識を身につけてください。災害は、忘れたころにやってくるのではなく、いつもやってきます。防災を身近なものにすることが命を守ることにつながります。

安全・安心 ~健康~ 健康の大切さを学ぶ

1966年開学当時は、栄養学部のみでしたが、現在では、薬学部、総合リハビリテーション学部と3つの専門性から「健康」を支える学びと研究を行っています。今回は、総合リハビリテーション学部理学療法学科のコンテンツを通して、これからの社会における環境の変化、そして「健康の大切さ」を神戸学院大学から発信します!

展示期間:一期 2018年7月25日(水)~2018年8月20日(月)、二期 2018年12月18日(火)~2019年1月21日(月)
『リハビリテーションとセンサリング技術』 ⁄総合リハビリテーション学部 理学療法学科 助教 浅井 剛

従来ヒトの動作を評価するには高額で複雑な機器が必要でした。そのためリハビリテーション医療現場においては、歩き方といった動作に対する客観的な評価は実施されていませんでした。しかし、近年の比較的安価なセンサリング技術の発展によって動作を簡便に定量化することが可能になり、徐々にリハビリテーションの現場でも応用されるようになってきました。

筋電センサはこうしたセンサの一つで、ヒトが動作を意図したときに生じる筋表面の電気の流れを計測することができます。この電気活動を波形として表したものを筋電図といい、筋電図に表された筋電波形を解析することで、ヒトの動作を定量的に評価することが可能になります。

筋電体験の様子

筋電コンテンツ

私たちは筋電センサを含めたセンサリング技術のさらなる臨床応用を目指して、センサによる動作の定量化について研究を行っています。センサを用いた客観的かつ高精度な評価にもとづく、科学的なリハビリテーションが根付くことを目指しています。

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