常設展示のご案内

未来の暮らしをソウゾウする神戸学院大学 安全・安心‐暮らしと健康‐

本学は、創設者であり初代学長の森茂樹博士が、「将来、予防医療が重視される時代となり、栄養学がその大きな役割を担っていくこと」を強く認識し、日本初の男女共学の栄養学部を設置し開学した大学です。それは、人のくらしを考えるのに「健康、そして暮らしにおける安全と安心」が大切だからだと考えたからです。時代の流れと共に受け継がれ、9 番目の学部が開設された今でも息づく本学のひとつのテーマでもあります。

今回、ナレッジキャピタル The Lab.に、神戸の大学として参加するにあたり、神戸学院大学のテーマの1 つである、「安全・安心」そして「暮らしと健康」をコンセプトに2つの体験型の展示を実施いたします。

2015年度の開催内容
未来の暮らしをソウゾウする 神戸学院大学 安全・安心-暮らしと健康-

安全・安心 ~暮らし~ 防災の気づきを学ぶ

阪神淡路大震災から20年。震災をきっかけにつくられた学際教育機構 防災・社会貢献ユニットで培ったノウハウを継承・発展させた新たな学科として社会防災学科を2014年4月に開設しました。
その社会防災学科を中心に、神戸から「防災の気づき」を関西の中心都市である大阪で発信します!

展示期間:一期 2015年9月19日(土)~10月18日(日)、二期 2016年1月23日(土)~2月21日(日)
『都市型水害 体験装置』 ⁄ 現代社会学部 社会防災学科 准教授 中山 学


我々の周りでは,自然災害の規模が大きくなってきています。台風がもたらす大量の雨は短時間のうち広範囲に降るので,河川の増水や堤防が決壊することも発生しています(外水氾濫)。
右写真:2014年8月の被害(於:京都市嵐山)

また,海水温度の上昇に地球温暖化や都市のヒートアイランド現象によって,以前では想像できない程の雨量が短時間で降るようになってきました。「ゲリラ豪雨」とも呼ばれています。そのために,現在の下水道施設では,十分処理できないため,降った雨によって都市部で大きな被害が発生しています(内水氾濫)。
右写真:1999年6月の被害(於:福岡市博多駅)

このような,「外水氾濫」や「内水氾濫」の様子がわかる装置(ジオラマ)をご用意しました。是非、ご来場頂き,その目で感じ取って下さい。

<洪水の発生>

<堤防の決壊>

展示期間:一期 2015年9月19日(土)~10月18日(日)、二期 2016年1月23日(土)~2月21日(日)
『津波体験装置』 ⁄ 現代社会学部 社会防災学科 准教授 中山 学

津波は陸域で発生する「内陸型地震」とは違い、厚さ100km程のプレートと呼ばれる地球の表面を覆う14~15枚の境界で発生する「海溝型地震」で発生します。
すなわち、プレートの端が海水を持ち上げることで津波は発生し、沖合ではジェット機並みの速さで、私たちが住む陸域に伝わってきます。陸域に近づけば、その伝わる速さは遅くなりますが、波の高さはどんどん高くなり、30mを超えることもあります。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、大きな津波が東日本を襲いました。同じ東北地方では、貞観地震(869年)、明治三陸地震(1896年)、昭和三陸地震(1933年)など大きな地震による被害が発生しました。近くでは、1960年南米チリで発生した大規模な地震(マグニチュード9.5)による津波被害もありました。すなわち、災害は忘れた頃にやってきたのです。

関西地方でも、慶長地震(1605年)、宝永地震(1707年)、安政東海地震(1854年)、安政南海地震(1854年)など大きな地震が発生し、津波災害に見舞われています。1946年12月の南海地震以来、その震源を海底とする大きな地震は発生していませんので、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されています。
「津波発生装置」も用意しました。その「水の壁」のように襲来する津波の様子をご覧下さい。その威力を記憶されて、来る「南海トラフ巨大地震」による大きな津波による災害規模をできるだけみんなの力で小さくできることを念願しております。

展示期間:一期 2015年9月19日(土)~10月18日(日)、二期 2016年1月23日(土)~2月21日(日)
『防災クイズ』 ⁄ 現代社会学部 社会防災学科 教授 前林 清和

神戸学院大学は、阪神・淡路大震災の震源地に最も近い総合大学として、9年前に学際教育機構「防災・社会貢献ユニット」を立ち上げ、防災や社会貢献の専門家を育ててきました。その実績をもとに2014年4月全国で唯一、防災を体系的に学ぶ社会防災学科を新設。災害に強く人にやさしい温かみのある安全な社会づくりに貢献できる人材を育成しています。学生を主体としたアクティブラーニングを特徴とし、防災の専門的知識、それらを社会に役立てるための考え方や技能を学び身につけた人材を社会に排出しています。また、防災に関する最先端の研究や防災教育、防災教材などの開発を進めており、これから起こる災害時の被害を少なくするために活動しています。
ところで、わが国は、災害大国と言われるように、地震や津波、火山噴火、台風、風水害、土砂災害、豪雪、竜巻など様々な災害が多発しています。これらの災害から命を守り、救うために最も大切なことは、防災学習を通じて市民ひとりひとりの防災力をアップさせることです。

今回の展示では、子どもたちが、気軽に楽しく防災を学ぶことができる教材、デジタル防災クイズを展示しています。ぜひ、家族みんなで会場に来ていただき、見るだけでなくクイズを解いたり、模型を揺らしたりしながら、防災の知識を身につけてください。災害は、忘れたころにやってくるのではなく、いつもやってきます。防災を身近なものにすることが命を守ることにつながります。

安全・安心 ~健康~ 健康の大切さを学ぶ

心とからだを健やかに保つためには「食」に対する意識が欠かせません。
災害大国日本とよばれ、南海トラフ巨大地震予測が言われる中、私たち自身が何を備えるべきなのかを一緒に考えます。

展示期間:一期 2015年9月19日(土)~10月18日(日)、二期 2016年1月23日(土)~2月21日(日)
『災害時の食について』⁄ 栄養学部 助教 伊藤 智


みなさんは、災害に備えて食料を備蓄していますか?
阪神淡路大震災、東日本大震災など、大きな災害を経験している日本人でも、食料を備蓄している家庭の割合は47.4%と半数に満たない現状です。これは「災害は起きない」「備蓄しても無駄になってしまう」「非常食はおいしくない」などの思い込みが原因だと思われます。
そもそも、なぜ食料の備蓄が必要なのでしょうか。災害時はライフラインが寸断され、水や電気、ガスの供給が止まってしまい、いつも使用している台所で調理できなくなってしまいます。また自治体などでは、地域の住民全員に行き渡る量を備蓄しておらず、道路が閉鎖されてしまった場合、食料を輸送する手段が無くなってしまいます。

被災時は普段の生活から激変してしまうため、大きなストレスを受けます。大きなストレスを受けているときこそ、美味しく温かい料理が心と身体を癒してくれます。このように被災時こそ、栄養価の高い食事が必要になります。確実に食料を確保するためには、自宅に備蓄することが求められます。
備蓄食品と聞くと「美味しくないのでは?」「備蓄しても賞味期限を迎えて無駄にしてしまう」と言ったイメージをお持ちでないでしょうか。それを解決するのが「ローリングストック法」です。今回の展示では、神戸学院大学の防災女子(防災・社会貢献ユニット、社会防災学科に所属する女子学生)がローリングストックできる食材を活用して作成したレシピの紹介も行っています。
ローリングストック法で日常時も災害時も、大切な人とともに、食事を美味しく楽しめるように、「災害時の食」について、一緒に考えてみましょう。

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