常設展示のご案内

未来の暮らしをソウゾウする神戸学院大学 安全・安心‐暮らしと健康‐

本学は、創設者であり初代学長の森茂樹博士が、「将来、予防医療が重視される時代となり、栄養学がその大きな役割を担っていくこと」を強く認識し、日本初の男女共学の栄養学部を設置し開学した大学です。それは、人のくらしを考えるのに「健康、そして暮らしにおける安全と安心」が大切だからだと考えたからです。時代の流れと共に受け継がれ、10 番目の学部が開設された今でも息づく本学のひとつのテーマでもあります。

今回、ナレッジキャピタル The Lab.に、神戸の大学として参加するにあたり、神戸学院大学のテーマの1 つである、「安全・安心」そして「暮らしと健康」をコンセプトに2つの体験型の展示を実施いたします。

2019年度の開催内容
未来の暮らしをソウゾウする 神戸学院大学 安全・安心-暮らしと健康-

安全・安心 ~暮らし~ 防災の気づきを学ぶ

阪神淡路大震災から25年。震災をきっかけにつくられた学際教育機構 防災・社会貢献ユニットで培ったノウハウを継承・発展させた新たな学科として社会防災学科を2014年4月に開設しました。
その社会防災学科を中心に、神戸から「防災の気づき」を関西の中心都市である大阪で発信します!

展示期間:一期 2019年9月17日(火)~2019年10月14日(月・祝)、二期 2020年1月14日(火)~2020年2月17日(月)
『都市型水害 体験装置』
⁄ 現代社会学部 社会防災学科 教授 佐伯 琢磨

近年、日本を含む世界中で、気象の極端化が指摘されています。 平成29年7月九州北部豪雨、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)など大量の降雨によって、尊い人命が失われ、大きな経済的損失が生じました。 昨年の西日本豪雨では、死者・行方不明者が200名以上を数え、「線状降水帯」による広範囲大量の雨で、河川の増水や堤防が決壊することも発生しています。 また、海水温度の上昇や都市のヒートアイランド現象によって、以前では想像できない程の雨量が短時間で降るようになってきました。「ゲリラ豪雨」とも呼ばれています。そのために、地下空間を持つ都市部で大量の水が流れ込み、大きな被害が発生しています。 洪水には、外水氾濫と内水氾濫があります。 外水氾濫とは、多量の降雨などで河川の水位が上昇し、堤防を越えたり(越堤)、破壊したり(破堤)して起こることです。 内水氾濫とは、市街地に降った雨を河川や下水道が排水しきれないために起こることです。

外水氾濫
外水氾濫
内水氾濫
内水氾濫

このような、「外水氾濫」や「内水氾濫」の様子がわかる装置(ジオラマ)をご用意しました。是非、ご来場頂き、洪水によってどのようなメカニズムで災害となり、人の命まで失う懸念が都市域(特に、地下鉄や地下街などの地下空間)に潜むかをその目で感じ取って下さい。

<都市域を模擬したジオラマ>

<参考文献>
中村和郎監修:よくわかる地理、学研
図は、国土交通省ホームページより

展示期間:二期 2020年1月14日(火)~2020年2月17日(月)
『耐震補強前・後の建屋振動模型』
⁄ 現代社会学部 社会防災学科 教授 佐伯 琢磨

災害大国・日本に住む私たちにとって、地震の際に自分の家がどのような被害を受けるか、については大変関心が高いと思います。 地震のゆれによる建物被害は、どのように決まるのでしょうか? これには、「地震のゆれ」と「建物の耐震性」の2つの要素があり、「地震のゆれ」が大きいほど、また「建物の耐震性」が低いほど、建物被害は大きくなります。

建物被害
建物被害

このうち「建物の耐震性」については、その建物が建てられた当時の建築基準法が関係してきます。建築基準法は1981(昭和56)年に大きな改正があり、その前後で耐震性が大きく異なること、つまり1981(昭和56)年より前に建てられた建物の耐震性が低いことが、阪神・淡路大震災などの被害調査から明らかになっています。
それでは、耐震性が低い建物の耐震性を向上させるには、どうすればよいのでしょうか?
それには、建物の壁などを大きな地震の力に耐えられるようにすること、つまり「耐震補強」が必要です。具体的な「耐震補強」の方法としては、壁に下図のような「筋かい」を入れて強くする方法などがとられます。

建物被害
<耐震補強前・後の建屋振動模型>

本学では、ナレッジキャピタルにおいて、「耐震補強前・後の建屋振動模型」を展示しております。「地震動に対して構造物がどの様に挙動するか」、「耐震補強を実施すれば、どの程度ゆれを抑えることが出来るか」を、ご自身で模型を操作することによって実感していただきたいと思います。

ぜひ、耐震補強の効果を、模型を使って体験してみてください。 皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

展示期間:一期 2019年9月17日(火)~2019年10月14日(月・祝)、二期 2020年1月14日(火)~2020年2月17日(月)
『防災クイズ』 ⁄ 現代社会学部 社会防災学科 教授 前林 清和

神戸学院大学は、阪神・淡路大震災の震源地に最も近い総合大学として、9年前に学際教育機構「防災・社会貢献ユニット」を立ち上げ、防災や社会貢献の専門家を育ててきました。その実績をもとに2014年4月全国で唯一、防災を体系的に学ぶ社会防災学科を新設。災害に強く人にやさしい温かみのある安全な社会づくりに貢献できる人材を育成しています。学生を主体としたアクティブラーニングを特徴とし、防災の専門的知識、それらを社会に役立てるための考え方や技能を学び身につけた人材を社会に排出しています。また、防災に関する最先端の研究や防災教育、防災教材などの開発を進めており、これから起こる災害時の被害を少なくするために活動しています。
ところで、わが国は、災害大国と言われるように、地震や津波、火山噴火、台風、風水害、土砂災害、豪雪、竜巻など様々な災害が多発しています。これらの災害から命を守り、救うために最も大切なことは、防災学習を通じて市民ひとりひとりの防災力をアップさせることです。

今回の展示では、子どもたちが、気軽に楽しく防災を学ぶことができる教材、デジタル防災クイズを展示しています。ぜひ、家族みんなで会場に来ていただき、見るだけでなくクイズを解いたり、模型を揺らしたりしながら、防災の知識を身につけてください。災害は、忘れたころにやってくるのではなく、いつもやってきます。防災を身近なものにすることが命を守ることにつながります。

安全・安心 ~健康~ 健康の大切さを学ぶ

1966年開学当時は、栄養学部のみでしたが、現在では、薬学部、総合リハビリテーション学部と3つの専門性から「健康」を支える学びと研究を行っています。今回は、総合リハビリテーション学部理学療法学科のコンテンツを通して、これからの社会における環境の変化、そして「健康の大切さ」を神戸学院大学から発信します!

展示期間:一期 2019年9月17日(火)~2019年10月14日(月・祝)、二期 2020年1月14日(火)~2020年2月17日(月)
『ローリングストックで備える災害時の食事』 ⁄栄養学部 助教 伊藤 智

みなさんは、災害に備えて食料を備蓄していますか? 阪神淡路大震災、東日本大震災など、大きな災害を経験した我が国の食料備蓄率は47.4%と半数に満たない現状です。これは「災害は起きない」「備蓄しても無駄になってしまう」「非常食はおいしくない」などの思い込みが原因だと思われます。 そもそも、なぜ食料の備蓄が必要なのでしょうか。災害時はライフラインが寸断され、水や電気、ガスの供給が止まってしまい、いつも使用している台所で調理できなくなってしまいます。また自治体などでは、地域の住民全員に行き渡る量を備蓄しておらず、道路が閉鎖されてしまった場合、食料を輸送する手段が無くなってしまいます。 災害はいつ発生するか、分かりません。 今回の展示では、無理なく備蓄し、備蓄した食料を無駄にしないために、備蓄食料を普段の食事に使いながら(ローリング)、備蓄する(ストック)する「ローリングストック法」を紹介しています。備蓄する食料は定期的に使うことを前提としていますので、保存期間は半年程度です。そのため、備蓄する食品の幅が広がり、自分好みでおいしい食品を備蓄することや、高血圧や糖尿病など持病がある人やアレルギー体質の人も安心して食べられる食品を備蓄しやすくなります。 また災害時こそ、普段食べている食事が望まれます。ポリ袋調理は一度に複数の味付けのメニューを調理でき、洗い物も少なくすることができる点から、災害時に適した調理法です。ローリングストックできる食材を使って、災害時に摂取不足となるたんぱく質やビタミン・ミネラル、食物繊維、摂取過剰となる塩分などに配慮して、平常時にも災害時にもおいしくポリ袋調理できるレシピを学生と一緒に考案し、災害食BOOKにまとめました。 ぜひ展示をご覧いただき、ご家庭の備蓄品について、災害時に生活する上で問題ないか、備蓄量は不足していないかなどを見直すとともに、ローリングストック法を活用して家族一人ひとりに適した備えを実践してください。

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