学生消防団

Episode6

学生消防団 神戸市の消防団員として訓練を受けた特別職の地方公務員

不意に遭遇した人命救助が必要な場面。
慌てず冷静に対処できたのはこれまで重ねた訓練の成果だった。

庵本 翔生さん 法学部 法律学科 4年次生 ※2022年度取材時

神戸学院大学の学生消防団とは

「神戸市水上消防団港島分団大学部」に所属し活動する学生チームで、特別職の地方公務員。神戸市の消防団員として基礎研修を受け、神戸市水上消防署や地域の方々の指導を仰いで鍛錬。規律訓練、消防訓練、救命訓練、応急手当などの訓練や研修会などで知力・体力・技術を磨き、地域イベントの見守り活動などを通して地域防災に努めています。

憧れだった学生消防団に入り、厳しい訓練を重ねてきた庵本さん。温泉宿で意識不明の高齢者に遭遇するも、慌てず適切な処置を施したことが救命につながり、これまでの成果を実感する。迅速かつ安全な消火活動を目指し成長できたおかげで、消防官になる夢も叶えられた。

仲間の存在と技能の向上が
厳しい訓練を乗り越える原動力に。

近所で消防訓練の様子を目にし、人を助けられる消防官の仕事に幼い頃から憧れていた。法律に詳しくなれば強みにもなるだろうと神戸学院大学の法学部へ。他大学にはない学生消防団の活動も魅力だった。例年15人ほどの狭き門。熱意を伝え、入団テストに合格したときは心底うれしかった。まずは全員で動きを合わせる規律訓練を徹底。実際の火災現場で迅速かつ安全な消火活動を行うには、規律ある行動が不可欠だ。さらには走り込みをして身体を鍛え、小型ポンプ操法や救助ロープの結索法、心肺蘇生などの救命処置法を学んでいく。訓練は厳しかったが、仲間の存在と技能の向上が僕に力をくれた。

仲間の存在と技能の向上が厳しい訓練を乗り越える原動力に。

偶然、人の命に関わる場面に遭遇。
身につけた力が救助につながった。

大学2年次の冬、地元香川の温泉宿へ遊びに行ったときのこと。露天風呂に入ろうとした際、顔の半分まで湯船に浸かった泥酔状態の高齢者を発見した。すぐに救急要請するも、現場はパニック状態に。偶然にも、学生消防団の活動の一環として、救急インストラクターの資格を取得した1週間後の出来事だった。従業員の方に伝えて一任を受け、救急隊員が到着するまでの間、AED(自動体外式除細動器)を準備し、布団や毛布で低体温症を防いだ。窒息しないよう気道を確保して嘔吐を補助し、意識が戻ったところで救急車が到着。一歩間違えれば、あわやという場面。救急隊員や従業員の方、ご家族からもこの上なく感謝され、これまでの訓練が人命救助につながったんだと胸が熱くなった。

偶然、人の命に関わる場面に遭遇。身につけた力が救助につながった。

仲間と息を合わせて行動する力を
体得できる場でもあった学生消防団。

訓練で最も力を入れたのは、火災発生時に最初の処置となる小型ポンプの操法。小型ポンプ操法訓練では、1人が指揮をとり、総勢6人からなるチーム全体で動きを合わせる。1人でも動きが乱れるとミスにつながる。素早く的確な連携が必要だ。学生消防団は、仲間と息を合わせて行動する力を体得できる場でもあった。参加した数々のイベントでは、防災に関する講習を行うなど啓発にも尽力。備えの重要性が伝わる喜びもあった。多くの人々とふれあうことで、地域を守る気持ちも芽生え、コミュニケーション力も高められた。4年間の成長のおかげで叶えられた消防官になる夢。どんな現場に出ても、一緒に働く仲間や地域の人たちからの信頼を得て、周囲を助けられる人でありたい。

PROFILE

庵本 翔生さん

庵本 翔生さん法学部 法律学科 4年次生 ※2022年度取材時

「学生消防団」では副部長を務める。一致団結して動けるよう、雰囲気づくりを大切にしている。学科では刑法を中心に研究。少年法の改正により、少年院や特定少年にどんな影響がおよぶかを検証し、非行少年をいかに更正させられるかについても考察している。