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Close Up03 附属中学校・高等学校との連携教育 01. 栄養学部による附属中学校への食育教育

本学が立地するポートアイランドに、2016年には中高一貫の附属高等学校が移転、
翌年には中高一貫校の附属中学校が新たに開校し、幅広い分野で連携活動が行われています。
栄養学部による附属中学校への食育教育も、その一環として実施されています。

栄養学部小林麻貴助教の栄養教育学研究室4年次生が
神戸学院大学附属中学校の生徒と
お弁当で食育体験

栄養学部の小林麻貴助教の専門は、栄養教育をはじめとする栄養学。日頃から、そうした学びのもと食育の知識を習得している栄養教育学研究室所属の学生が、2019年5月から7月までの間で計4回、卒業研究の一環として神戸学院大学附属中学校の2、3年生のクラスで食育授業を行いました。

授業では、「自分にピッタリのお弁当を作ろう」とのタイトルで、中学生に必要な栄養素をバランス良くお弁当で摂取することをテーマに実施されました。冒頭で小林助教が、中学生の年代で、栄養面を重視した食事に気をつけることがいかに大事なのかを説明。その後は、お弁当の内容を、主食3・主菜1・副菜2に分ける「3・1・2弁当箱法」と呼ばれる方法に則って、栄養のベストマッチングを生徒が考え実際にお弁当に振り分けてもらう授業を行いました。

授業で用意する料理は、すべて学生が用意。事前に、どのようなお弁当のおかずを用意すればよいのかを学生自ら考え調理して授業に臨み、生徒が具材の振り分けを行う際のサポートも担当しました。

神戸学院大学附属中学校 副主任
中野伸哉 教諭
※2020年取材時
中大連携授業を通して
学びへの興味を喚起

中学校の昼食は基本的に弁当持参ですが、中には食堂を利用したり、コンビニで昼食を購入したりする生徒もいます。中学生が自分で昼食を選ぶとなると、食材の好き嫌いで選びがちで、摂取する栄養素まで考えが至らないのが現状です。

今回の連携授業では、中学生の昼食として摂るべき栄養素や量について、学ぶことができました。大学生とのグループワークや実習を通じて体験的に学習することで、普段の授業とは異なる理解ができたように感じました。講義の後、学んだ内容を参考に作ったお弁当を見て、「こんなにたくさんの量は食べられない」「ご飯の量がとても多い」など、自分の普段の昼食との違いに、終始、驚きの連続でした。

今回の取り組みでは栄養学の専門的な観点から、成長期である中学生にとって必要である栄養について指導していただきました。早期から大学の専門的な知識や、実際に学んでいる大学生と接することで、今回の講義内容だけにとどまらず、大学の学問そのものにも興味・関心を持つきっかけとなったように思います。彼らにとって自分の将来について考えるきっかけとなるだけでなく、自身の先を見据えた学習に取り組む動機になると強く感じました。ぜひ、これからも連携授業を通して食育教育のみならずキャリア教育を推進し、生徒の成長につなげていきたいと思います。

栄養学部栄養学科
栄養教育学研究室4年次生
※2020年取材時
知識・技術を確認する、
よい実践の場になりました

今回、実施した食育の授業では、全員でいろいろとアイデアを出し合い、試行錯誤しながら意見をまとめていきました。最終的に、栄養バランスを考えるだけでなくアレルギーにも配慮したり、お弁当の見た目でも食欲がそそられるよう、彩りにも気を遣った食材を選んでレシピを作成。決まったお弁当の具材を、授業当日の朝、附属中学校の調理室で調理しました。

実際の授業では、自分の好きなおかずだけを詰めたりする生徒もいたため、どのように詰めるのが栄養学的によいのかを、アドバイスしました。その際、生徒たちに「3・1・2弁当箱法」を、ご家庭でも取り入れてもらうようお願いしたのですが、後日、それに沿ったお弁当を持参していることを伝え聞き、生徒たちがきちんと理解してくれていることに感動。人に伝えることの難しさと同時に、楽しさも実感することができました。大学で学んできたことを実践する、よい機会になったと思います。

栄養教育学研究室のメンバーは、栄養教諭を目指す学生が多いのが特徴。今回の体験は、学校における食育を実践的に学ぶことができ、とても勉強になりました。

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