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ケーススタディ「ゼミの活動紹介」 CASE3:自治体と連携し地域振興/関谷ゼミ

淡路島の移住・定住促進をテーマに
現地調査を実施して兵庫県議会に提案

経済学部では、企業だけでなく自治体とも連携したアクティブ・ラーニングを数多く実施。関谷次博教授のゼミも、そのひとつです。関谷教授は、専門の研究で交通や物流と地域経済との関係を追究してきましたが、ゼミにおいても学生とともに地域に深く関わって課題を探り、地域振興のあり方を考える学修を行っています。

これまでゼミでは、神戸電鉄沿線地域の活性化を図るイベントの企画提案などを実施してきましたが、2017年に淡路島でゼミ合宿を行い淡路市役所の職員の方々と交流。それが縁となり、2018年6月、兵庫県議会で淡路市の移住・定住促進をテーマにプレゼンテーションを行うことになりました。発表に向けて、ゼミ生はグループに分かれてフィールド・ワークを実施。実際に地元住民や市職員にアンケート調査を行い、話を聞くなどして提案内容をまとめていきました。

兵庫県議会では、住民の重要な足である路線バスの料金を、定額制から距離制にシフトして近距離利用者を増やすといったことなどを提言しました。発表後は、兵庫県議会の議長・副議長をはじめとする議員の方々との質疑応答が実施され、活発な意見交換が行われました。


経済学部経済学科 3年次生
赤松 奈都葵さん
※2018年取材時

プロジェクトのPOINT
参加してここがよかった!成長した!

● 地元に貢献したいという意識が強まった
● 自主的に行動する態度が身についた
● 人見知りせず誰とでも話せるようになった
● 地域復興の難しさを痛感した

私の地元は少子高齢化が進むエリアです。そのため、淡路島で合宿して積極的なフィールド・ワークを行うなど、生まれ育った場所と同様、過疎が進む地域を研究対象にしている関谷ゼミに入りました。

兵庫県議会で淡路市の移住・定住促進についての提案をさせていただいた際には、ゼミでいくつかのグループに分かれ、それぞれテーマを設定。私たちのチームは重要な公共交通機関である路線バスや高速道路などに注目し、「利用しやすい公共交通を目指して」とのタイトルで提案することに。自分たちでアポイントを取り、実際に現地に出向いて市役所の職員や地元住民の方々にヒアリングを実施し、さまざまな意見を集約することができました。その結果を踏まえて、県議会では、定額制となっている路線バスの料金体系を距離制の課金にしたり、若い層がもっと気軽に淡路島に来やすいようにETCに学生割引を導入する制度などを提案しました。ただ、体制の整備や予算などクリアすべき課題が数多くあり、現状では提案内容の実現は厳しいことも実感。地域振興の難しさを知ることで、より地域活性化に貢献したいという気持ちが強まりました。

自分たちで調査し、さまざまな年代の方々と接することで、引っ込み思案だった性格も前向きで物怖じしないようになったことも大きな収穫。これからも、何事にも積極的に活動していきたいと思っています。

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