『森茂樹物語』 感想文コンテスト 入賞者発表 神戸学院大学
真理愛好・個性尊重

本学学部生・大学院生を対象に実施した「『森茂樹物語』を読んで感じたことを自由に表現してみよう」企画に、74点もの作品をご応募いただきました。
厳正なる審査の結果、下記の通り、優秀賞を決定しました。

大賞

受賞者
甲斐 敦樹(人文学部 3年次生)
表現方法
動画
テーマ
私と森茂樹


【作品に込めた思い】
森茂樹先生が大変な中で学校を作られた。
それは世界を作ることでもある。※大学=世界を作った。
主人公の私は喪失を抱えて映画制作を志す。※映画制作=世界を作る
主人公も映画を制作するが、自信がない。
森茂樹先生を知って主人公は同じく世界を作っていることに共感して、それを志す。

特別賞

受賞者
塩口 碧海(経営学部 3年次生)
表現方法
イラスト

大賞


【作品に込めた思い】
この作品には10年、20年先も学生の学び宿として、成長し続ける大学であってほしいという思いを込めて作成しました。
神戸学院大学の魅力は、学生の得意を伸ばす教育環境だと考えています。建学の精神の「真理愛好・個性尊重」にもあるように、素質を伸ばしたいという考えが根底に教育が行われているのだと思います。私自信もやりたい事に自由に挑戦でき、学びたい分野に専念出来る神戸学院大学の学風は気に入っており、やりがいを感じます。

今回は、神戸学院大学を表現する上で「対比」と「繋がり」の2点を意識しました。
イラストに使用した校舎は、左が有瀬キャンパス1号館、右がポートアイランドキャンパスC号館となります。
理由としては、初めて建造された校舎であることから、神戸学院大学の原点として象徴的な1号館を描きました。
一方C号館にした理由としては、現在も残っている校舎との比較をしたいと考え、C号館は森茂樹先生が生前望んだ薬学部が主に利用されている校舎であるという関連から描きました。

また当初の神戸学院大学を代表した森茂樹先生と、現在の神戸学院大学を代表するイメージキャラクターであるマナビーが手を繋いでいるのは、先人達の思いの引き継ぎという意味合いを持たせています。
そして、白黒で表現した過去の校舎と、カラーで表現した現在の校舎が、芝生やグラウンドでは同じ色合いで繋がっているのは、場所が変わっても学生の学び宿としての在り方は変わらないという意味合いを持たせています。
改めて、このイラストのように後世に残る大学であり続けてほしいと思います。

特別賞

受賞者
秋定 美月(経営学部 2年次生)
表現方法
感想文
テーマ
私と森茂樹

私は、昔からスポーツでも勉強でも、楽しみながら頑張る人があこがれだった。なぜなら、私の中では、頑張るということは、苦しくて辛いものであり、楽しむことと両立できるものではないからだ。頑張ることと、楽しむことという私にとっては正反対にあると思えることを両立できる人は、いつも前向きに物事に取り組んでいて、輝いて見えていた。森茂樹物語を読んで、森茂樹先生は、まさに私があこがれるような人だったのではないかと感じた。

「過ぎれば苦労が悦楽とも思はれないことはありません」という森先生の言葉が印象に残った。 確かに一生懸命勉強をしてテストの点数が良かったら、頑張ってよかったと思えるが、苦しいときにこの言葉を言えるということに驚いた。 私は一生懸命頑張っているのに、なかなか結果が出ないときや前に進んでいる気がしないとき、「耐えよう」と考える。私は高校では水泳部に所属して、練習に励んでいた。 厳しい練習をしてどんどんタイムを伸ばしていく友達に比べて、私はタイムが伸びない時期が長かった。 正直練習は苦しいだけで、同じ練習をしているのに、どうしてこれほど結果は違うのかと感じていた。これはマネージャーから聞いたことだが、私は設定タイムを遅くするとそれに合わせようとするから、 厳しいタイムを設定しているのだと顧問の先生が言っていたようだ。 確かに私は「このくらいのペースなら大丈夫 」と最低ラインを意識しながら練習していたことが多かった。当時はあまり深く考えていなかったが、森茂樹物語を読んで、もしあのとき「このペースを目指して頑張ろう」という意識で取り組めていたら、違ったのかもしれないと感じた。森先生の言葉からは前向きな姿勢を感じられる。苦しい時でも前を向いて、進んでいっていたからこそ、「その眼は本当に遠い将来を見つめランランと輝いておりました」という樫原朗先生の言葉からもわかるように、輝いて見えるのだと思った。

私と森先生の共通点は、「夢見る人」であるという点だと思う。私は高校2年生くらいまでは、特に大きな夢を見ていたわけではないため、現実的なタイプだと思っていた。しかし、大学受験と向き合ったときに、夢見がちなタイプだと気づかされた。私は夢を見るだけで、特に具体的な行動に移すことができないままであることが多いからだ。また、夢をただの理想で終わらしてしまっていて、夢を見ることで、現実から目を背けているだけだと感じるようになった。そういう意味で、森先生とは少し違うかもしれないけれど、「夢見る人」ということができるのではないかと思う。

夢は見るけれど実現できない私に対して、 森先生は描いた夢を実現させたので、そこが大きな相違点だと思う。物語の最後の溝口史郎前理事長の言葉が、印象に残っている。「彼の夢が単なる夢に終わらなかったのは、彼が夢を現実に変えるために、まず誰よりも献身的に総力を挙げて努力する人だったからだろう。その熱意と真摯さが、彼と同じ夢を見る人を増やしたのだ。」という言葉だ。私は、思い描いた夢に対して、「とにかく頑張ろう」と無計画なままで向き合ったり、あと一歩行動ができなかったりして、夢と現実のギャップに苦しむことがよくある。そして、自分が不器用なことを言い訳にして、器用に何でもこなすように見える人に対して、ネガティブな感情を抱いてしまったことが何度もある。私が言い訳をしてしまうのは、失敗してしまうかもしれない自分を守るためなのではないかと思う。大学受験の時も、「共通テストの点数が悪かったからこそ個別試験で頑張る」と表向きは言っていたが、振り返ってみると「共通テストの点数が悪いのだから不合格でも仕方がない」という気持ちが常に心のどこかにあったような気がする。自分が描いた夢であり、自分がしてきたことなのに、責任を持てないでいて、どこかで実現できないかもしれないと思っているからだと思う。溝口前理事長の言葉を読んで、森先生と私は、夢に対する覚悟や熱量が大きく違うと感じた。強い覚悟と熱い思いを持っていたからこそ、周りができるはずがないと言っても、自分の夢に自信を持てたのではないか。自分の夢は、まず自分が一番信じてあげなければいけないと感じた。

その時は頑張っているつもりでも、結果が思うようにいかなければ、頑張りを認めてあげることは難しいと感じる。夢を実現させ、自分の頑張りを認めてあげるためにも、まずは夢に対して、より具体的な小さな目標を立ててみることにしようと思う。そうすることによって、夢の輪郭をはっきりさせることができ、実現させる想像をしやすくなると思う。そして、その目標に対してがむしゃらに頑張るだけではなく、実現させるための方法を探してみる。苦しい時は、駄目な部分を見たり、下を向いたりするのではなく、成長しているところを見て、最低ラインではなく、目指すべきところを見続けられるように頑張ろうと思う。私のあこがれの楽しく頑張る人になるためには、時間がかかりそうだけれど、今の自分との違いに気づくことができたので、この物語を読む前よりは近づいたのではないかと感じる。森茂樹先生の並大抵ではない強い思いと、努力によって創設された神戸学院大学での学校生活で、多くのことを学び、経験し、私も夢をかなえられる人になっていきたい。

特別賞

受賞者
宇都 美羽(経営学部 2年次生)
表現方法
感想文
テーマ
神戸学院の魅力とは

森茂樹物語を読み、私は森茂樹という人物は今の現代社会を生き抜く方法や人間のあるべき姿を教えてくれる存在であると感じ取ることが出来た。また、森茂樹という人物の生涯を通し、「真理愛好・個性尊重」の精神を改めて考えることで、今の現代社会において大学のみならず現代社会が忘れがちになる「長期的に物事を見る視点」を見直すきっかけを作りだしてくれることが神戸学院大学の魅力なのではないかと感じた。また、全体を通して、子は親の影響を生涯に渡って良くも悪くも受けることになると読み取り、日本は子と親の関係性について今以上に重要視しなければならないとも感じた。

森茂樹は幼き頃に夫を失った母から生まれたと表記してあり、生まれたときから苦しい状況に立たされていたことが分かる。しかし、母はそんな中でも最後まで森茂樹を養ったとあり、母の背中はとても強くたくましく見えたに違いない。母は教師になることを志していたとあり、文章中にも「教師になれば、少なくとも生活に足りるだけの俸給がもらえる。」とあることから、昔も学問は少なからず世の中において必要であり、役に立つものだということが分かる。私は学生という立場であるため学問を学ぶ重要性をここで再確認出来た。そして母は子供たちを立派に育て上げたいという思いから反対を押し切り引っ越しを決意する。この行動からも母の子への情熱が見て取れる。建学のモットーである「真理愛好」は既にここから始まっているのかもしれないと感じた。

そんな中で育った森茂樹は「医学会の一巨頭になる」と大きな野望を抱くこととなる。これは母の心の強さから来たものであると考え、それ以降の安易な方法があっても自ら困難な道へ突き進む森茂樹の行動は今も見習うべき行動であると感じた。今の状態に満足することなく、向上心がある姿勢が導いた軌跡を森茂樹という人物を通して見ることが出来るのも神戸学院大学の魅力の一つではないだろうか。また、安きに就き低きに流れることをせず、厳しい人生を己に課した背景として母の影響を大きく受けているのではないかと考えた。この影響が後の神戸学院大学建学に繋がったに違いない。そこから、人間において子は親の影響を受け人生を設計していく場面が現代においても多く存在するのではないかと思った。

大学教授となった森茂樹は周りから人柄も穏やかでユーモアに満ちており、学生を楽しませたと表記してある。このことから大学とは勉学だけを育てる場所ではないと森茂樹が認識していたことが窺える。この性格も今のモットーである「個性尊重」に繋がる大切な要素ではないかと考え、ユーモア溢れる生徒を育成出来ることこそが神戸学院大学の魅力であると感じた。

神戸学院大学の設立にあたり、その背景として「母の生き方への情景と息子として母の後継者とならなければという思いがあったと思われる。」とある。その部分は私には理解しがたいものであった。私の親の教育は尊敬するものではないと個人的に感じているからだと思う。その点においては森茂樹は親からの教育の面では恵まれていたのだろう。その恵みが無ければ大学設立には至っていないと考えるとますます現代において親が子に及ぼす影響について深刻に考えるべきではないだろうかと思った。森茂樹の人生を見ると、子の人生は親が道を作っていると言っても過言ではないのだから。

森茂樹は74歳にして教員を揃えるために各地を飛び回ったことが分かり、とても74歳であるとは思えず驚いた。これは森茂樹が人間としての軸がしっかりとしていることを表し、私も将来このような歳の取り方をしたいと思った。

大学開設にあたり文章中では「各個人にあった職業を選択し、各人の使命を発揮させることは、ひいては国民の全作業の質を高め、国民の幸福、文化の振興に役立ち、さらには世界文化の発展に優れた役目を果たすことができる。」とあった。これは今の日本が見直すべき要素ではなのではないだろうか。現在の日本は国民の幸福の質がかなり低下しているように感じる。国力が低下していることからも各人の使命を発揮出来ていない面がある可能性を考えることが出来る。各個人の能力を発揮出来る場面や機会を増やし個人にあった職業を選択出来るようにすることが、将来を見据える今の日本や大学に求められていることではないだろうか。また、現代企業は即戦力を必要以上に重視して短期的に結果を出すことに囚われているように思われる。人間はある程度短期的に能力を育てることは可能ではあるが限界があり、森茂樹の考える、「個々人が持てる能力を開発して社会に役立つ人となることが、日本、そして世界の人々に貢献につながる」の“能力を開発して社会の役に立つ人”となるためにはある程度長期的な目で個人を見る必要があると私は考えた。今の日本はそれを考えることなく短期的な目が優先させがちであると感じている。森茂樹を通して、今の日本に必要なことは何か考えることが出来ることが神戸学院大学の最大の魅力ではないかと考えた。

私はこのように森茂樹という一人の人間の生涯や「真理愛好・個性尊重」のモットーを通じて現代の日本に必要な考え方や生きる方法を学び、神戸学院大学設立に向けた思いを読み取ることが出来ることこそが神戸学院大学の魅力であると全体を通して思った。

特別賞

受賞者
鈴木 陽菜乃(経営学部 3年次生)
表現方法
写真

大賞


【作品に込めた思い】
桜と神戸学院大学の両方が映った写真を選びました。
この場所は大学と桜を両方見ることができ、神戸学院大学の隠れた魅力になるのではと思いました。
森茂樹先生は設立当時、このような四季によって景色が変わる大学にしたいとは考えていなかったように思いますが、神戸学院大学は四季それぞれで見える景色が変化する部分もあり、また都市部から少し離れた場所に位置していることから勉学に励みやすい環境であることなど、当たり前と思っていたことも、いざ思い返してみると魅力的であると思う部分が多くあると思います。その中でもこの写真は私が大学3年次生になるまで知らなかった魅力の一つです。

特別賞

受賞者
中井 隆大(経営学部 2年次生)
表現方法
写真
テーマ
母の背中を追って

大賞


【作品に込めた思い】
茂樹先生が生涯に渡って追い続けた母わさの背中の景色を「今」を生きる私たちが見ることで、茂樹先生が倣われたわさの教えを学生各々が考え、理解し、自身に体系化し未来に繋げるという思いを込めた写真となります。

『森茂樹物語』感想文コンテスト
(2021年度実施)の結果はこちら

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