神戸学院大学 学長 岡田 芳男フロントライン

2010年 新年のメッセージ

自己点検・評価の実質化を図り更なる前進を

神戸学院大学 学長 岡田 芳男

明けましておめでとうございます。

お元気に、一年の計を胸に抱き希望に満ちた新年をお迎えのことと存じます。私も昨年一年を振り返り、新しい年に思いを馳せるとともに本学構成員の皆さんの健康と本学の発展を祈願致しました。本年は寅年です。勇猛な中にもゆったりとした一年を送りたいものです。

さて、世界的不況からの脱却が一進一退を繰り返している情勢下、わが国では政権が交代しました。新政権下における国家百年の計の礎ともなる教育、特に高等教育に関する将来像が見えてこない状態です。このような状況下にあっても全国の学部学生の約77%を教育する私立大学は建学の精神に基づき個性に富んだ教育研究活動を展開していかなければなりません。神戸学院大学は人類の暮らしと健康を守り、社会に有為な人材を送り出すという使命を果たすべく教育研究活動を継続・強化していかなければならないと考えております。

日本は少子化、グローバル化社会となり、大学はユニバーサル化の時代を迎えました。大学は量的問題は別にして、質的には著しく変化してきております。私たちにはその変化に対応した大学の教育環境、学生の生活環境を構築していくことが求められています。教職員が一丸となり学生を巻き込んだ教育改革を継続しなければなりません。昨年4月に発足した「教育開発センター」は学士課程(教育プログラム)調査や企画を行う学士課程教育部会と教育改善活動を支えるFD部会からなっています。これら2つの部会を全学的な教育改革の両輪として機能させていきましょう。一方、学生の人間力育成に学部ゼミ活動の強化、課外活動への学生参加率の向上を図る必要があります。そして学生が社会に雄飛し活躍するためにキャリア教育、就職支援体制を強化する必要があると考えています。昨年度、進路支援活動強化のためのプロジェクトが文部科学省に採択され補助金を獲得しました。今年はこれまでにも増して進路支援活動の整備充実を図っていきます。このような学生の生活環境を整備し活力ある大学を構築することは受験者数の増加を図る学生募集戦略の原点でもあると考えています。

上に述べた方針を確実に実施していくため、本年4月から事務組織を再整備し進路支援グループをキャリアセンターとして強化することと致しております。さらに入学センター、国際交流・研究支援センターを独立強化し、本学の目指す戦略の実現を図ります。その他、大学の基本となる教務センター、学生支援センター、図書館・情報処理センターを含め6センター体制で進みたいと考えています。勿論これらセンターのほかにポートアイランドキャンパスの事務センターと長田キャンパスの事務室が重要な役割を果たしていきます。

今年も大学財政の安定強化に取り組むことはもちろんですが、大学の目指す諸施策を実現するために、すでに学内の諸議会での審議を経て2010年度の予算編成の重点項目として次のものを挙げています(必用部分抜粋)。

  1. 学生のニーズに応えるための学部教育、大学院教育の充実
  2. 学生のキャリア支援および求人開拓の推進
  3. 研究成果の向上及び外部資金の獲得
  4. 産学官連携および地域連携の推進
  5. 国際交流の推進

大学基準協会が認証評価制度を実施して以来2011年度で2順目に入ります。大学基準協会は前回に比べて評価項目などを簡略化しております。また各大学が実施する自己点検・評価の分析をもとに評価を行うことにしております。即ち認証評価を行うことが目的ではなく、各大学が自己の評価項目に従い自己を点検、分析し改善に繋げるというサイクルを確立することが肝要であると指摘しています。本学もこの機能を充実し、大学評価のための資料作りに終わるのではなく、真に神戸学院大学の発展のための自己点検・評価の文化を築いていかなければならないと考えているところです。

2010年4月から薬学部は全学年がポートアイランドキャンパスで学びます。大学は常に新陳代謝を繰り返し活性化していくことが求められています。神戸学院大学は10年先を見据え、課外活動のあり方をも含めて3キャンパスのあり方を検討しなければなりません。その間2012年には法人100周年を、2016年には大学50周年を迎えます。皆さんと共に本学の長期的なビジョンを策定し、そこに至るまでのロードマップを作りたいと考えております。

大学構成員が一丸となって大学の充実を図り、社会になくてはならない大学、社会から尊敬される大学を構築したいと念願しております。本年もよろしくお願い致します。

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