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神戸学院大学創立50周年の記念シンポジウムを開催しました

基調講演する杉さん 基調講演する杉さん 開会の挨拶をする佐藤学長 開会の挨拶をする佐藤学長 パネリストの中村教授 パネリストの中村教授 パネリストの西垣教授 パネリストの西垣教授

大学創立50周年記念事業として11月5日、ポートアイランドキャンパスでシンポジウム「社会貢献が世の中を動かす ~ひと、まち、大学の立場から~ 」(本学主催、兵庫県教委、神戸市教委、朝日新聞社、神戸新聞社後援)を開催しました。大学関係者のほか、一般公募による招待者計550人が参加しました。

第一部は杉良太郎さんが基調講演
シンポジウムは2部構成からなり、第1部は法務省「特別矯正監」を務めるほか、国内外での幅広い社会貢献活動で今年の文化功労者に選ばれた歌手で俳優の杉良太郎さんが「媚びない力 社会福祉活動で教わった真実」のテーマで基調講演しました。杉さんは前日に東京で開催された文化功労者の顕彰式や、天皇皇后両陛下が催された宮中でのお茶会の話、28年前から支援を続けているベトナムとの関わり、熊本地震で初めて刑務所を避難所に開放した事例などを織り交ぜながら、福祉、社会貢献活動に対する思いを語りました。

「自分のできることから始める」
杉さんは、社会貢献活動について「始めたきっかけは、ありません。元々が一生懸命やろうという気持ちもないし、決心したわけでもない。いつまでも続けなければいけないという責務とか義務もないが、何かないと(自分が)納得できないんです。というのは、明日は我が身と子供の時から思うんだからしょうがないんです」と説明。そして、「お金持ちはお金を寄付すればいいと思います。お金のない人は、時間があれば使ってあげたらどうでしょうか。お金も時間もない人は、そういう活動をしている人に対して理解してあげたらどうか。それで十分だと思います」「福祉というのは難しいことではなくて、自分のできることから始める、考えてあげることだと思います」などと語りました。

「自己責任を持つ人に育ってほしい」
また、学生に対しては「言い過ぎかもしれませんが、大学を出てから社会に出るというのは、もう時代的に遅れていると思います。もう社会に出ているんだという意識を持って、自分の目標に進んでいただきたい。そして自己責任を持つ人に育ってほしい。学生気分というのは自分を甘やかすだけで、何一ついいことはないと思います」とメッセージを送りました。講演後に質疑応答があり、「社会貢献したいと思っているが何をしていいかわからない」との質問に対し、杉さんは「社会貢献したいのなら、自分で考えた方がいいと思うし、貢献することはたくさんあると思います。人のために何かしたいという気持ちがあれば、あなたは福祉家です。無理をしないで、何か行動を起こさなくても別に誰も文句を言わない」と答えました。

第一部の最後は、地域、社会に貢献している現代社会学部2年次生の下田大貴さんと中原愛さん(ともに2年次生)が、岡崎ゼミ、清原ゼミ、日髙ゼミの学生約60人が県内最少人口の神河町を舞台に自発的に学ぶアクティブラーニングに取り組む「神河プロジェクトの挑戦」、ボランティア活動支援室学生スタッフの野﨑真希帆さん(人文学部3年次生)、楠本稜さん(経営学部同)が東日本大震災の被災地支援やサマーボランティアなど、「神戸学院大学生のボランティアの取り組み」について発表しました。

第二部はパネルディスカッションを開催しました
生活協同組合コープこうべの山添令子常務理事、現代社会学部の中村恵学部長、学長補佐で総合リハビリテーション学部の西垣千春教授がパネリストとして登壇し、朝日新聞出版の友澤和子書籍編集部長の司会で、「社会貢献が世の中を動かす~ひと、まち、大学の立場から~」をテーマに討議を行いました。

社会の大きな仕組みを学ぶ
中村教授は現代社会学部のカリキュラムに「ボランティアインターンシップ」の科目があることを紹介。そして、「2年次生の夏休みに学生の約9割がNPOやNGO、場合によっては企業に入っていって地域の声を聞き、学んでいます。本来、インターンシップを行ってきたら単位を認定するというのは違うのではという議論もありましたが、公式の組織だけではもれることがあり、それをNPOやボランティア団体が支えているという、社会の大きな仕組みを学んでもらうのが目的です。これからは、(学部の取り組みで)大きな柱になるものなので、より実りがあるものにしたい」と発言しました。

先輩が築いた土壌を引き継ぐ
西垣教授は「東北支援だけでなく、熊本地震、常総市の水害などこれまで被災地に出向いた学生は1300人近くになります。大学のサポートもあり、学生が被災地に行きやすいこともありますが、学生たちは先輩が積み上げてきたことの伝承の必要性を感じてくれています。先輩が築いた土壌を我々が引き継いでいるという意識をもって活動していることはすばらしいと思います」「今は教育後援会や同窓会の皆さんにも学生ボランティアをサポートしていただいています。神戸学院大学全体がボランティアをアクティブにやっていく環境がだんだん整っていると考えています」と、大学組織をあげての取り組みを紹介しました。

大学が果たす役割
最後に、大学の果たす役割について中村教授は「大学が大きく変化しようとする中で、地域の方々と近くなる、地域の方々も大学を利用していただきたい。そうすることで、学生をより高みに成長させることができます」、山添さんは「地域で活動している方々は中高年が多く、皆さん次の世代に何か伝えたいという気持ちを強く持っています。若い人が参加するとか関心を持つだけで、現場にいる人たちは元気になります。ぜひ、積極的に地域の暮らしの現場に飛び込んでほしい。若い人の率直な発言や意見は揺らぎを起こす、新しい物を生み出す原動力になるので、そこに期待をしたい」、西垣教授は「外に向いていくことで、関心を持つ関わる力、感じる力を生むと思います。感じたことが共感につながれば、一緒に生きていこうという共生の力になる。大学時代にそれが体験できるよう、神戸学院大学は力を入れている」と締めくくりました。

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