神戸学院大学

総合リハビリテーション学部

「ヴィッセル神戸」アカデミー部でメンタルトレーナーを務める、坂中さんの特別講義を実施しました

2023/07/27

講師の坂中さん
講師の坂中さん
坂中さんの講演を聴く学生
坂中さんの講演を聴く学生
質問をする学生
質問をする学生
坂中さんを囲んで記念撮影を行う学生たち
坂中さんを囲んで記念撮影を行う学生たち

「ヴィッセル神戸」アカデミー部でメンタルトレーナーを務める、坂中尚哉さんの特別講義を、7月13日に有瀬キャンパスで総合リハビリテーション学部 理学療法学科 2・3年生を主な対象に開催し、約30人の学生が受講しました。

坂中さんによると、「心理学の視点では人を「体の領域」と「心の領域」に大きく分けることができ、心と身体は連動しています。例えば、日常生活でうまく消化できていない悩み事がある場合、腹痛や下痢、便秘などの消化器系の身体部位に症状を呈することがあります。体のことだから関係ないと思わず、心の部分にもつながりがあるのでないかと仮説を持っておくことは大切です」と話しました。そして、「アスリートは体の怪我を通して、受傷してしまったことへの後悔や先が見通せない状況への不安から、心理的にも傷ついているため、怪我を外科的なレベルだけで見ないようにすることも重要だ」と述べました。

さらに、怪我をしたアスリートの回復プロセスについて、怪我の直後に右肩上がりに怪我を受け入れるのではなく、「複数の病院に行き、症状を診てもらう」等、逡巡しながら自分の状態を受け入れていきます。「怪我をした選手が順調に回復していくためには、医者、トレーナー、臨床心理士などの専門的援助資源(ソーシャルサポート)が重要で、ソーシャルサポートがたくさんあることがストレスの軽減につながります。患者にかかわる人々はソーシャルサポートの重要な資源であり、心理的に孤立させないように気にかけてほしい」と話しました。

受講した学生からは、「怪我をしたアスリートの気持ちが分かるからこそできる支援があると感じました。スポーツの世界ではまだまだ心理職の活躍が見られないと仰っていましたが、理学療法士の方の負担が減らせるようにアプローチしていく必要性を感じました」「プロサッカーを見ていて、全治半年などの大怪我を負ってしまった選手を見ることが多々ありますが、今まで感じていたよりもっと、選手のメンタル面での大変さを感じました」と感想を述べました。

Jクラブの中でメンタルトレーナーという職域で、仕事をしている人は、とても少ないということです。日本のスポーツの世界では、アスリートの心をサポートする仕事はまだ少ない状況の中、心理師の職域と、PT分野の職域を絡めたお話をしていただくことで、実際の現場へ入っていく学生・院生たちにとって、支援のイメージをより明確にできる貴重な時間になりました。