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新会社の概要とあゆみ デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬開発会社の設立と新薬開発について

新会社発足に至るまで

1990年より、松尾雅文教授と竹島泰弘特命教授(現神戸大学)ら神戸大学のグループが、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMDと表記)の治療に関する研究をスタート。エクソンスキッピングと呼ばれる、ジストロフィンタンパク質の発現を回復させる治療法がDMDに有効であることを発見します。その後、修飾核酸の特許を取得していた第一三共株式会社と松尾教授のグループの協力体制のもと、エクソンスキッピングを効率的に誘導する核酸医薬を見い出し、外部ファンドの資金提供により治療薬開発を目指す新会社が2013年3月に設立されました。

新薬完成までの今後の予定

新会社は、第一三共株式会社の品川研究開発センター内に開設され、第一三共株式会社との共同開発により、上記DMD治療をさまざまな面から有効性や安全性を精査するため、研究および臨床試験(治験)を実施していきます。松尾教授は、アドバイザーとして治療薬の開発に加わり、新薬の早期承認を目指します。

新会社発足までの足跡
1990
松尾雅文教授と竹島泰弘特命教授ら神戸大学のグループによるDMDの治療研究がスタート。その後、エクソンスキッピングによるジストロフィンタンパク質の発現を世界で初めて発見
2002
松尾教授らのグループと第一三共株式会社との共同研究成果として、修飾核酸であるENA®を用いたエクソンスキッピングに有効であるオリゴヌクレオチドの特許を松尾教授らと第一三共株式会社が出願
2010
第一三共株式会社が新薬開発を目指し、松尾教授の研究グループと再度連携を検討
20133
第一三共品川研究開発センター内に株式会社Orphan Disease Treatment Instituteを設立。本格的なDMD治療薬の開発に着手

*ENA® (2'-O,4'-C-Ethylene-bridged Nucleic Acids) は、核酸の糖部フラノース環の2'位と4'位をエチレンで架橋した修飾核酸。ENA®は第一三共株式会社の商標です。

DMDと治療薬

DMDは、筋肉を構成するタンパク質、ジストロフィンの遺伝子異常で起こり、男児の約3,500人に1人の割合で発症する病気です。発症すると幼少期から筋肉の萎縮が進行して運動障害が発生し、最終的には心不全や呼吸不全などを引き起こし、患者の多くは20〜30歳代で死に至ります。これまで有効な治療法がなく治療薬も存在しませんでした。そのため、治療薬の製造販売が実現すれば画期的な成果となります。

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