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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/17 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
薬理学Ⅴ[19~]/Pharmacology Ⅴ
授業コード
/Class Code
B411611001
ナンバリングコード
/Numbering Code
PHMd042
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
薬学部/Pharmaceutical Sciences
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
後期/AUTUMN
曜日・時限
/Day, Period
水1(後期)/WED1(AUT.)
単位数
/Credits
1.5
主担当教員
/Main Instructor
尾上 浩隆/ONOE HIROTAKA
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
尾上 浩隆/ONOE HIROTAKA 薬学部/Pharmaceutical Sciences
授業の方法
/Class Format
講義
授業の目的
/Class Purpose
本授業の担当者は薬学部所属であり、この科目は、専門教育科目であり4年次に配当している。
この科目は、学部のDPに示す8項目のうち、「2.科学者として、医薬品を含む化学物質等の特性や生体・環境への作用と影響、及び人体の構造と機能、疾病の成り立ちを理解するのに必要な科学に関する基本的な知識を有している」および「3.薬の専門家として、医薬品及び薬物治療についての専門的な知識を有している」を目指します。

薬学部のディプロマポリシー

私たち薬剤師は、感染症および悪性腫瘍の治療にあたって、これらの疾患対する理解はもちろんのこと、特に薬物療法に精通していなければなりません。「薬理学Ⅴ」では、感染症や悪性腫瘍の病態の概略を理解した後に、薬物療法に用いる化学療法薬の作用機構、有害反応などの特徴を学びます。また、がんの治療においては、がん性疼痛のコントロールや抗がん薬の有害反応を軽減させる支持療法についても理解する必要があります。そのために、支持療法薬についても学びます。
到 達 目 標
/Class Objectives
この授業の担当者は薬学部所属であり、この科目は、選択必修科目であり3年次に配当している。
以下の各SBOsを到達目標とする。
C7 人体の成り立ちと生体機能の調節
(2) 生体機能の調節
【④サイトカイン・増殖因子による調節機構】
C7-(2)-④-1 代表的なサイトカイン、増殖因子を挙げ、生理活性および作用機構について概説できる。
C8 生体防御と微生物
(4)病原体としての微生物
 ①感染の成立と共生
 C8-(4)-①-1  感染の成立(感染源、感染経路、侵入門戸など)と共生(腸内細菌など)について説明できる。
E1 薬の作用と体の変化
(4)医薬品の安全性
E1-②-(4)-1 薬物の主作用と副作用、毒性との関連について説明できる。
E1-②-(4)-2 薬物の副作用と有害事象の違いについて説明できる。
E1-②-(4)-3 以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。
 "血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害"

(7)病原微生物(感染症)・悪性新生物(がん)と薬
【①抗菌薬】
E2-(7)-①-1 1. 以下の抗菌薬の薬理(薬理作用、機序、抗菌スペクトル、主な副作用、相互作用、組織移行性)および臨床適用を説明できる。
β-ラクタム系、テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノ配糖体(アミノグリコシド)系、キノロン系、グリコペプチド系、抗結核薬、サルファ剤(ST 合剤を含む)、その他の抗菌薬
【②抗菌薬の耐性】
E2-(7)-②-1 1. 主要な抗菌薬の耐性獲得機構および耐性菌出現への対応を説明できる。
【③細菌感染症の薬、病態、治療】
E2-(7)-③-9 9. 以下の薬剤耐性菌による院内感染について、感染経路と予防方法、病態(病態生理、症状等)および薬物治療(医薬品の選択等)を説明できる。
MRSA、VRE、セラチア、緑膿菌等
【⑤真菌感染症の薬、病態、治療】
E2-(7)-⑤-1 1. 抗真菌薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)を説明できる。
【⑥原虫・寄生虫感染症の薬、病態、治療】
E2-(7)-⑥-1 1. 以下の原虫感染症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)を説明できる。
マラリア、トキソプラズマ症、トリコモナス症、アメーバ赤痢
E2-(7)-⑥-2 2. 以下の寄生虫感染症について、治療薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用)を説明できる。
回虫症、蟯虫症、アニサキス症
【⑦悪性腫瘍】
E2-(7)-⑦-1 1. 腫瘍の定義(良性腫瘍と悪性腫瘍の違い)を説明できる。
組織型分類および病期分類、悪性腫瘍の検査(細胞診、組織診、画像診断、腫瘍マーカー(腫瘍関連の変異遺伝子、遺伝子産物を含む))、悪性腫瘍の疫学(がん罹患の現状およびがん死亡の現状)、悪性腫瘍のリスクおよび予防要因
E2-(7)-⑦-2 2. 悪性腫瘍について、以下の項目を概説できる。
腫瘍マーカー(腫瘍関連の変異遺伝子
E2-(7)-⑦-3 3. 悪性腫瘍の治療における薬物治療の位置づけを概説できる。
【⑧悪性腫瘍の薬、病態、治療】
E2-(7)-⑧-1 1. 以下の抗悪性腫瘍薬の薬理(薬理作用、機序、主な副作用、相互作用、組織移行性)および臨床適用を説明できる。
アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、微小管阻害薬、トポイソメラーゼ阻害薬、抗腫瘍ホルモン関連薬、白金製剤、分子標的治療薬、その他の抗悪性腫瘍薬
E2-(7)-⑧-2 2. 抗悪性腫瘍薬に対する耐性獲得機構を説明できる。
E2-(7)-⑧-3 3. 抗悪性腫瘍薬の主な副作用(下痢、悪心・嘔吐、白血球減少、皮膚障害(手足症候群を含む)、血小板減少等)の軽減のための対処法を説明できる。
授業のキーワード
/Keywords
化学療法薬、抗菌薬、抗真菌薬、抗悪性腫瘍薬、分子標的治療薬、がん性疼痛、支持療法
授業の進め方
/Method of Instruction
配布したプリントを使用して講義を進めます。
履修するにあたって
/Instruction to Students
授業内容に関する質問、過去の定期試験問題の閲覧や資料の配布などは、Moodleを活用します。
オフィスアワー:随時、在室中であれば対応します。質問などあれば、遠慮なく教員室(C号館2階、C/LP215)に訪ねてください。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
事後学習として復習すること(目安として1時間)
提出課題など
/Quiz,Report,etc
授業後に連絡
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
定期試験の成績を合計100%として評価します。

①各種化学療法薬(抗がん薬、抗菌薬、抗真菌薬)の作用メカニズムと適応、②具体的ながんの薬物治療および ③化学療法薬の有害反応誘発の機構とその対応などがどの程度理解できているかを試験します。①-③について、患者さんにも分かりやすく説明できるように理解を深めてください。
テキスト
/Required Texts
自作プリント
参考図書
/Reference Books
NEW 薬理学、今日の治療薬
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 第1回 がんの病態生理
抗悪性腫瘍薬
1.アルキル化薬
※悪性腫瘍
1.がんの病態生理、症状、治療法
2.がん化学療法における薬物治療の位置づけ
C7-(2)-④-1
3.各種腫瘍の腫瘍マーカー
※抗悪性腫瘍薬
1.アルキル化薬
作用機構、特徴、適応、有害反応
① マスタード類
② ニトロソウレア誘導体
③ その他
E1-②-(4)-1
E1-②-(4)-2
E1-②-(4)-3
E2-(7)-⑧-1
2 第2回 抗悪性腫瘍薬
2.代謝拮抗薬
3.抗腫瘍性抗生物質
2.代謝拮抗薬
作用機構、特徴、適応、有害反応
① プリン代謝拮抗薬
② ピリミジン代謝拮抗薬
③ 葉酸代謝拮抗薬
④ その他
3.抗腫瘍性抗生物質
作用機構、特徴、適応、有害反応
① アントラサイクリン系
② ブレオマイシン
③ マイトマイシンC
④ アクチノマイシンD
⑤ ジノスタチンスチマラマー
E2-(7)-⑧-1
3 第3回 抗悪性腫瘍薬
4.微小管阻害薬
5.白金製剤
6.ホルモン類似薬
4.微小管阻害薬
作用機構、特徴、適応、有害反応
① ビンカアルカロイド
② タキサン
③ エリブリン
5.白金製剤
作用機構、特徴、適応、有害反応
① シスプラチン
② その他
6.ホルモン類似薬
作用機構、特徴、適応、有害反応
① プレドニゾロン
② 抗エストロゲン薬
③ 抗アンドロゲン薬
④ アロマターゼ阻害薬
⑤ LH-RH誘導体
⑥ GnRH受容体アンタゴニスト
⑦ その他
E2-(7)-⑧-1
4 第4回 抗悪性腫瘍薬
7.DNAトポイソメラーゼ阻害薬
8.サイトカイン
9.分子標的治療薬①※
7.DNAトポイソメラーゼ阻害薬
作用機構、特徴、適応、有害反応
① DNAトポイソメラーゼⅠ阻害薬
② DNAトポイソメラーゼⅡ阻害薬
8.サイトカイン※
作用機構、特徴、適応、有害反応
① インターフェロン
② インターロイキン2
9.分子標的治療薬①
作用機構、特徴、適応、有害反応
① 抗体
E2-(7)-⑧-1
5 第5回 抗悪性腫瘍薬
10.分子標的治療薬②※
10.分子標的治療薬②
作用機構、特徴、適応、有害反応
② 小分子
E2-(7)-⑧-1
6 第6回 抗悪性腫瘍薬
10.分子標的治療薬③※
10.分子標的治療薬③※
作用機構、特徴、適応、有害反応
③ レチノイン
④ その他
E2-(7)-⑧-1
7 第11回 抗悪性腫瘍薬
10.分子標的治療薬④※
10.分子標的治療薬④※
作用機構、特徴、適応、有害反応
③ レチノイン
④ その他
E2-(7)-⑧-1
8 第7回 抗悪性腫瘍薬
11.支持療法
12.がん性疼痛治療薬
①非ステロイド性抗炎症薬
②麻薬性鎮痛薬
11.支持療法
がん治療時の有害反応を回避する支持療法薬、作用機構および特徴
① 顆粒球減少症
② 悪心・嘔吐
E2-(7)-⑧-3
9 第8回 13.感染症治療薬
①抗菌薬1
13.感染症治療薬
C8-(4)-①-1
① 抗菌薬
作用機構ごとの抗菌薬の分類、特徴および有害反応
β-ラクタム系
E2-(7)-①-1
10 第9回 13.感染症治療薬
②抗菌薬 2
13.感染症治療薬
① 抗菌薬
作用機構ごとの抗菌薬の分類、特徴および有害反応
テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノ配糖体(アミノグリコシド)系
E2-(7)-①-1
11 第10回 13.感染症治療薬
③抗菌薬 2
13.感染症治療薬
① 抗菌薬
作用機構ごとの抗菌薬の分類、特徴および有害反応
キノロン系、グリコペプチド系※、抗結核薬、サルファ剤(ST 合剤を含む)、その他の抗菌薬
E2-(7)-①-1
12 第12回 13.感染症治療薬
④抗真菌薬
⑤抗原虫・寄生虫薬
13.感染症治療薬
① 抗真菌薬
E2-(7)-⑤-1
作用機構ごとの抗真菌薬の分類、特徴および有害反応
② 抗原虫薬・寄生虫薬
作用機構、特徴および有害反応

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