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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る 2024/04/16 現在

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Class
マーケティング論特別演習(1年次)/Advanced Seminar in Marketing
授業コード
/Class Code
K060131001
ナンバリングコード
/Numbering Code
開講キャンパス
/Campus
ポートアイランド
開講所属
/Course
博士/
年度
/Year
2024年度/Academic Year  
開講区分
/Semester
通年/FULL-YEAR
曜日・時限
/Day, Period
金3(前期),金3(後期)/FRI3(SPR.),FRI3(AUT.)
単位数
/Credits
4.0
主担当教員
/Main Instructor
辻 幸恵/TSUJI YUKIE
遠隔授業
/Remote lecture
No

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
辻 幸恵/TSUJI YUKIE 経営学部/Business Administration
授業の方法
/Class Format
演習
対面授業(講義)

授業の目的
/Class Purpose
マーケティング論の理論と実践を学ぶ。具体的には理論は先行研究の論文や本をから、実践はケーススタディから選択する。先行研究の論文はマーケティングと消費者行動の応用となるものを教材として選択し、博士論文の基礎となるようにする。また、多くの論文を比較、理解、考察し、博士論文のテーマを確定、すすめることを目的とする。実践については、会社見学や聞き取り調査も含む。本科目の担当者は大学以外での実務経験がある。主に洋服など女性が好む商品のマーケット予測などをしてきた。この科目はカリキュラム上、下位課程の続き、いわゆる深淵内容になり、特にマーケティング原理を深める科目である。
到 達 目 標
/Class Objectives
マーケティング論の理論と実践を学び、会社見学や聞き取り調査というリサーチ手法についても学ぶことによって、現代の市場において確かな洞察ができる力を養う。
1.マーケティング論に関する高度な専門知識(修士課程修了相当)を有し、それらをさらに深めるために、マーケティングの理論と実践を学び、企業におけるマーケティングの有用性について考察をすることができる能力を養う
2.マーケティングの学問領域の高度な研究方法をもって、自ら設定した課題を総合的に考察することができる。
3.修得したマーケティングの専門知識を用いて、現在社会の発展に貢献したいという態度を身につける。この場合ソーシャルマーケティングを応用できる力をつける。
4.修得した高度な専門知識を社会に向けて的確かつ簡明に伝えることができる力を養う。
授業のキーワード
/Keywords
ブランド、マーケティング、リサーチ、ケーススタディ、消費者心理、地域、ソーシャル
授業の進め方
/Method of Instruction
連続して2回ないしは3回で1つのテーマを終えていく。1年次は幅広く、日本だけではなく、英語を含めたマーケティング論文からマーケティングの有用性を学ぶ。授業では先行研究である理論を主に学習し、その後にケーススタディを学ぶ。また学んだ後に、日本ではどのような実践例があるのかを考察する。
履修するにあたって
/Instruction to Students
英語論文の場合は事前にわからない単語や意味は調べておくこと。また、関連する論文も事前にあげておくことを徹底する。ケースは特別な企業を取り上げているわけではないので、事前その企業については調べておくようにする。
授業時間外に必要な学修内容・時間
/Required Work and Hours outside of the Class
こちらから毎週指定する文献があるので、それを予習として読んでおくこと。目安としては、90分程度の時間がかかると思われる。また、授業後は復習としてその文献を読み返し、内容把握をしてもらう。これも90分程度の時間を要すると考える。それ以外にマーケティングに関する基本的な書物を読んでおくこと(わからない場合はこちらから指定する)が必要であるが、これは1日に約90分程度と考えている。
提出課題など
/Quiz,Report,etc
授業内で課題を出すので、その課題は授業内に仕上げてその場で提出する。提出されたものは次回の授業の最初に解説し、評価をする。提出した課題については、具体的にはこちらから内容を3つにわけてフィードバックする。1)評価できる点、2)改善が必要な点、3)さらに探求が必要な点、2)と3)については再提出の可能性もある。
成績評価方法・基準
/Grading Method・Criteria
評価は以下の3つの方法の総計とする。
1.毎回の授業内で課題を出すのでその場で解答を作成する。
2.ディスカッション・タイムでの発言を加算する。
3.前期と後期のまとめの時間内で理解度をチェックする課題を点数化する。
配点は1の課題については4点(4点×13回)で52点。2のディスカッション・タイムについては1点~6点の配点とする。前期の授業内で3回実施する(6点×3回)で18点。後期の授業内で6回実施する(3点×6回)で18点。3の最終的な理解度をチェックする課題については1点~30点の配点とする。
なお、前期のディスカッション・タイムの予定は6、7、8回目を予定している。15回目は理解度のチェックをかねて実施する。後期のディスカッション・タイムの予定は19、20、21、23、27、28回目を予定している。
テキスト
/Required Texts
授業内にて適宜プリントを配布する。
参考図書
/Reference Books
和田充男監修『マーケティング原理 第9版』ダイヤモンド社、2003年
No.
/Time
主題と位置付け
/Subjects and position in the whole class
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
1 1回目 ガイダンス マーケティング論演習としては理論と実践(ケーススタディ)の両輪で授業をすすめる。授業の具体的なすすめかた、評価方法、授業内容の理解度のチェック方法など、初回の本講義内で説明をする。また、マーケティング論の基礎は学習しているはずではあるが、前半は基礎的な部分の復習をかねて、主にP.コトラーのマーケティング原理の復讐をおこなう。
2 2回目 世界の変化に対応するマーケティングとは何か マーケティングの基本とマネジメントの基本・概念を復習する。新しい21世紀型のマーケティングの特長を学ぶ。特に顧客とのつながりを主に考察する。
3 3回目 マーケティング環境の変化 企業のミクロ的環境(企業、供給業者、仲介業者、顧客、競合他社など)について整理する。また、マクロ環境の人口動態的環境、経済的環境を主に日本の場合について把握する。
4 4回目 マーケティング.リサーチと情報について マーケティング情報システムの概念について学び、同時にネットワークとマーケティングのパラダイム革新についても理解する。つまり最近の日本の現状がここで理解できる。リサーチの手順も説明する。
5 5回目 消費財市場と消費者行動 消費者行動に影響を与える特性(文化的特性、社会的特性、個人的特性、心理的特性)ついても学ぶ。
6 6回目 消費者の意思決定プロセスについて 消費者の意思決定プロセスについて学ぶ。外的影響要因と個人差要因について理解する。
7 7回目 生産財市場と企業の購買行動 生産財市場の特性とその購買行動について学ぶ。さらに主な購買状況、購買プロセス、影響についても考察する。
8 8回目 マーケティングのセグメンテーションについて マーケティングのセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングについて学ぶ。
9 9回目 小括として2回目から8回目までの復習をする マーケティングの概念、環境変化、関係性マーケティング、消費者行動と概念モデルなど重点的に復習をする。
10 10回目 製品およびサービスに関する戦略 製品の分類(消費財、生産財など)、個人製品についての意思決定について、製品ラインについての意思決定について学ぶ。
11 11回目 ブランド評価について 使用者拡大とブランドについて学び、競争優位を考察する。また、ブランドの構成要素をふまえて、ブランドのメカニズムを理解する。
12 12回目 ブランド・ロイヤルティとコミュニティについて ブランドへの消費者の態度や行動について学ぶ。ブランド・リレーションシップを説明するので、その構築と測定について理解する。
13 13回目 ブランド・コミュニティの管理について 消費者にとってのブランド・コミュニティの役割と企業にとってのブランド・コミュニティについて学ぶ。これを価値共創という。そしてコミュニティへの参加について理解する。
14 14回目 製品開発と製品のライフサイクルについて 新製品開発戦略について、そのアイディア創出、アイディア・スクリーニング、コンセプト開発とテストなどを検討する。同時に採算分析も考察する。ライフサイクル戦略として4つの各段階の特長を学ぶ。
15 15回目 小括としてここまでをまとめる ブランドとは何かという定義からはじまった。定義、概念、そして日本の市場、また、ブランド構築についてのまとめをおこなう。
16 16回目 後期のガイダンス 前期の学習を思い出すと共に、後期の授業の流れについて説明をする。評価方法、発表方法は前期と同じであるが、後期初回であるので確認のために再度、説明をする。
17 17回目 パナソニック「GOPAN」のケース パナソニックの「GOPAN」を取り上げる。GOPANはお米からパンができるという世界初の商品である。このケースを学び、新市場の創出について考察する。
18 18回目 製品戦略として便益の束としての製品について 製品の概念を復習する。これはマーケティングの基本であるので思い出してほしい。そこから製品の分類基準と類型を学ぶ。
19 19回目 製品ミックスと製品差別化について 製品差別化の次元としてサービスの特性、知覚品質を理解する。また、そこから知覚品質の創造について考察する。
20 20回目 新製品の企画・開発について ブルボンの新製品開発の事例を学ぶ。コンセプトの創出にはじまり、製品と戦略立案、試作品のテストなど、市場への導入までを学ぶ。
21 21回目 製品の価格について 製品のライフサイクルと価格との関係を理解する。ここではP.コトラーの論文を引用して学ぶ。
22 22回目 価格のマネジメントのケーススタディ 百貨店内の特設会場などの非日常的空間での販売について具体的事例を学ぶ。商品としては雑貨を考え、場の空間と商品とのバランスや顧客目線などをふまえ、どのような価格が最適かをシュミレーションする。また価格調整戦略以外にも価格変更の影響についても考察する。
23 23回目 小括として17回目から22回目までの復習をする 製品を中心に学んできたことを復習する。戦略、開発、ライフサイクルなどの重点事項をまとめる。また価格の戦略性についてもまとめる。
24 24回目 マクドナルドのケース 企業には成功事例と失敗事例がある。今回はマクドナルドをとりあげて、成功と失敗のそれぞれの事例を分析する。なお、視点としては商品の成功などではなく、ビジネスモデルとしての成否を論じる。
25 25回目 価格戦略と顧客価値について コスト志向価格戦略について学ぶ。具体的にはマークアップ価格設定やターゲットリターン価格設定を理解する。そして損益分岐点の活用を考察する。
26 26回目 競争志向の価格戦略について 市場浸透価格、上澄み吸収価格、補完的価格などのバリエーションを学ぶ。そこからメーカーの価格政策を考察する。
27 27回目 消費者志向の価格戦略について 需要の価格弾力性について理解する。また差別価格法、知覚価値価格設定についても学ぶ。
28 28回目 消費者心理からみた価格受容 消費者の目線からみた価格の受容範囲とその推定方法を学ぶ。過去の市場データの分析、顧客へのリサーチ方法について説明する。
29 29回目 小括として24回目から29回目をまとめる 価格をテーマにその戦略や消費者にとっての需要範囲について復習をする。ここで価格とこだわりについて消費者心理を考察する
30 30回目 今後の研究の方向性と問題点について 1年間でブランド、製品、価格を中心に学んできた。またケースも取り上げてきた。その中で問題点は何か、という意識を持ってもらうために、最終時間を活用して、日本社会の今後の市場について考察する。

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