【CAMPUS】Vol.184 (2017/1/6)


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SHORTLETTER●学生相談室 眞田知子京都でのもの思い先日久しぶりに京都に行き、河井寛次郎という陶芸家の展覧会を見てきました。彼は京都に住まいを構え作陶をしてきた陶工で、没後50年の記念の展覧会でした。陶芸の世界ではとても有名な人で、自分自身もはじめて彼の作品を見たとき、とてもこころが躍ったのを覚えています。展覧会は彼の若かりしときから晩年(76歳で亡くなられていますが)までの作品が網羅されていましたが、一人の人の作品を一生の流れでたどっていくととてもそのひとの考えていたことや感じていたことが自然に想像できました。特に寛次郎の初期は昔の中国や朝鮮、日本の古陶器を真似たり模したりしたものが多く、そこからいろいろな技術を学んでいったのだろうと思われましたが、年齢を重ねるにつれてとても自由になっていき、晩年の作品はまるで子供がつくっているかのように奔放で楽しいものになっていました。彼は土管や電車の連結器からも発想を得たり、どこまで頭が柔軟だったのだろうと思うようなエピソードが数多くありました。寛治郎は陶芸以外にも多くのことばを残していますが、彼が日々の中で大切にしてきた仕事について次のようなことばがあります:彼の生き方がとても感じられ、決して楽ではないことも楽しもうとした寛治郎の魅力が伝わってきました。彼の作品はさほど大きくはないのに、大らかで大胆でしかもあたたかい感じがして、寛治郎というひとそのものなのかと思いました。彼が多く残したことばのなかで、“この世は自分をさがしにきたところこの世は自分をみにきたところ”ということばがあります。生きていくということは自分を探していくということであり、すぐに答えがみつからないのは大仕事だからだと、日々つらいときやしんどいときに考えるとすこし心休まります。彼は“丸い”ものがとても好きで、庭にとても大きな丸い石を置いていて、時折ごろごろころがしていたそうです。疲れたときにその姿をイメージするとすこし笑えるような気がして、生きていれば会ってみたい人だなあと感じました。勉強も仕事も彼のように考えて楽しめたらいいなあと思います。学生相談室学生相談室仕事が仕事をしてゐます仕事は毎日元気です出来ない事のない仕事どんな事でも仕事はしますいやな事でも進んでします進む事しか知らない仕事びっくりする程力出す知らない事のない仕事きけば何でも教へますたのめば何でもはたします仕事の一番すきなのはくるしむ事がすきなのだ苦しい事は仕事にまかせさあさ吾等はたのしみましょう5NO.1842017.1


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