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「大学が地域社会を豊かにする 〜グリーンフェスティバルが誘うクラシック音楽の世界〜」

ヴァイオリニスト 田中 美奈さん
ピアニスト 鈴木 華重子さん
神戸学院大学 上村 嘉夫 名誉教授

第271回 田中 美奈 ヴァイオリン・リサイタル
ピアノ/鈴木 華重子 10月25日(土)15:00〜17:15

【曲 目】第271回 田中 美奈 ヴァイオリン・リサイタル
・ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第8番 ト長調 作品30-3」
・ヨハン・ゼバスティアン・.バッハ
「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調
BWV.1004」
・セザール・フランク
「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調」
・モーリス・ラヴェル
「演奏会用狂詩曲《ツィガーヌ》」
【アンコール】
・ジュール・マスネ
「タイスの瞑想曲」

― Chapter 1 ―

クラシック音楽のスタイルとは

上村名誉教授
田中さん、鈴木さんとも、素晴らしいリサイタルをありがとうございました。お二人とも期待通りの演奏を披露していただいたので、大変感動しました。
田中さん
ヴァイオリニスト 田中 美奈さん私は、普段、大阪フィルハーモニー交響楽団(※以下、大阪フィルと省略して記載)の第2ヴァイオリン奏者として演奏を行っています。オーケストラで2時間の間に部分的に自分のパートを演奏することはあっても、今回のプログラムのように2時間通しで演奏するという経験は久しぶりでしたので、演奏前は最後までやり抜くことができるか不安もありました。曲目も大曲ばかりでかなり集中して演奏したため、インターバルの前にバッハを弾き終えた後はさすがにぐったりとなりました(笑)。でも、最後まで頑張ることができたので、体力は何とか持ったという感じでしょうか。
鈴木さん
ピアニスト 鈴木 華重子さん私の場合、演奏する時はどんな舞台でもどんな方と演奏しても常に緊張してしまいます(笑)。田中さんとは、室内楽で何度かご一緒させていただいたことがありますが、今回のように2人のフルリサイタルとして演奏したのは初めてだと思います。お客さまの雰囲気がとてもよかったので、リラックスして演奏することができました。
田中さん
そうですね。演奏の際は、事前に話し合っていても本番の時にお互いの呼吸がずれることもありますので、リハーサルは3回くらい行ったでしょうか。ただ、打合せと違う演奏になっても、そうした“気”が事前に伝わってくるのでそれを察知し、そのつどお互いに微調整しながら演奏を作り上げていきます。
上村名誉教授
神戸学院大学 上村 嘉夫 名誉教授そうなんです。生演奏の場合そうしたハプニングも楽しいものなのです。もちろんCDもよく聴きますが、CDと生演奏とどちらがよいかと聞かれたら、迷わず生演奏と答えます。CDの音楽は何度聴いても同じものですが、生演奏はそのつど違う。演奏家によって、あるいは演奏毎にそれぞれひとつとして同じ音楽にはなりません。それが、聴衆の一人として一番の楽しみでもあるのです。ピアニストの隣で楽譜をめくっていると、その方の息づかいや感情の動きを間近に感じることができます。ページのめくり方ひとつとっても、非常に神経質に気にする方がいらっしゃる一方で、全く気にしない方もおられるなど、演奏家それぞれの個性がダイレクトに伝わってなかなか興味深いです。
鈴木さん
田中さんがおっしゃっておられるように、何回か練習で音楽の方向性を確認していき、本番に備えます。今回は、演奏中も意志の疎通がうまくできたので、楽しんで演奏できました。それと、クラシック音楽の場合、作曲者の意図ありきで演奏を行いますので、それぞれが考えている曲のイメージをすりあわせていくことで呼吸のあった演奏ができるのだと思います。
上村名誉教授
今、鈴木さんがおっしゃったことはすべてのクラシックの演奏家に言えることです。つまり、皆さん例外なくすべての作曲家を非常にリスペクトし、作曲者の意図を重要視しておられる。どのようにしたら、作曲者が意図している演奏ができるのかを常に頭においておられるということです。クラシック音楽の演奏にも多少の自由がきく部分もありますが、そうした意図から大きく外れた演奏を行うことはないようです。それは、すごいことだと思います。
田中さん
多少、演奏家同士でそれぞれの曲に対して違った解釈をしている場合もありますが、その時はお互いの思いを尊重し調節します。今回のプログラムに関しては、私が演奏したいと思った曲を選びました。ベートーヴェンなりバッハなり、今まで身に付けてきた技術のすべてを表現できる曲です。すべてを終えた時はさすがに疲れましたが、今の自分に何があって何が足りないのか。そういった、今後の自分に必要な要素を見つけることができたので、自分にとっては非常に有意義なリサイタルだったと思います。オーケストラではさまざまな作曲家の曲を演奏しますので、普段からそうしたなかで演奏をしていてよかったと思いました。
鈴木さん
私にとっても、今回の演奏を通して、もっとステップアップしたいという気持ちが強くなりました。
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