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総合インフォメーション

  • 2010/07/16  (総合)
    毎日新聞 2010年7月14日「TKK3大学共同カリキュラムで、日本初の“消防団学”」(朝刊21面)
TKK3大学共同カリキュラムのひとつ「地域減災論」の講義について掲載いただきました。

以下、毎日新聞(2010年7月14日朝刊21面)より転載


集中講義で実像に迫る

消防団の実像に迫る日本初の“消防団学”の集中講義が、東北福祉大(仙台市青葉区)で行われている。講義するのは消防庁消防団員確保アドバイザーで同大非常勤講師の後藤一蔵さん(64)= 美里町小牛田。阪神大震災や岩手・宮城内陸地震時の調査から消防団の機能と必要性を評価し、社会貢献の新たな場の可能性を秘めていると後藤さんは指摘する。【小原博人】

東北福祉大で後藤さん
同大は今年度、工学院大、神戸学院大と共同で防災、減災、ボランティア活動をリードする「社会貢献活動支援士」の養成カリキュラムをスタートさせた。必須科目の一つの「地域減災論」の核として、後藤さんが4半世紀にわたり研究してきた消防団学を導入した。

講義は6月末から7月下旬の週1回で計5回。3回目の7月13日は「消防団の戦後史」を取り上げた。都市の産業発展により農村社会の「向都離村」が全国的に消防団員減をもたらし、最盛期には全国で200万人を超えた団員が現在88万人までに減少した状況を解説した。

講義は地域に公開し、同支援士の資格取得を目指す学生や町内会の防災関係者ら約20人が熱心に受講した。他の2大学もインターネット画面を通じ同時受講した。

消防団に関する体系だった講義は日本の学問史上初めて。消防庁も大学生の消防団員を増やす方策を模索しており、後藤さんの講義の行方を注目しているという。

受講生のアンケートでは「消防団は地域を守る大切な存在と知った」(1年生女子)、「江戸時代にさかのぼる消防団の原点を知り歴史的な奥深さを知った」(2年同)などの回答があり、新鮮な講義と映ったようだ。

後藤さんは「災害時の活動を通じ消防団は地域対応力を持った心強い存在との社会的認識が大きくなった。大地震への備えとして消防団の充実は不可欠であることを知ってほしい」と話している。

以上